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山河令の「六合心法」とはどんな力か? 仙人なの? 不老不死なの?

※激しくネタバレなのでご注意ください!
(最終話まで視聴済み推奨)

山河令の「六合心法」とはどんな力か?

山河令19話の龍淵閣での会話によると、誰にも追随をゆるさない、武林最高峰の至高の武芸です。
そして最終話によると、六合心法を実践し成就すると身体の組織が作り変えられ不老長生になります
しかしながら、山河令では(原作の天涯客でも)、繰り返し功力(武術の力)、神功(神がかった至高の武術)と表現されているので、あくまでも武術功夫 カンフー)の一種であり、決して仙術が使えるようになったわけでも、仙人になったわけでもないことがわかります。

不死なのか

それを考察するためには、まずドラマ中のセリフから、過去に行われた六合心法を見てみましょう。
山河令最終話では、葉白衣が温客行に、六合心法を行うと炉鼎(武侠ものにおいては神功を修練し真気を練り上げた側)となったものはその際に白髪となると言っていたので、葉白衣の周辺にも過去にそういうことがあったことが伺えます。また、公式設定集に、葉白衣の知己であった容長青(周子舒の白衣剣をつくった人)が、六合心法において葉白衣の炉鼎的役割となったことが記されていること、そして山河令32話の葉白衣のモノローグにおいて、容長青が死亡したーードラマの時代から遡っておよそ20年前である70歳の時に、なお二人とも外見が若いままだったことがわかる(※1)こと、以上ふたつの事実から葉白衣だけではなく容長青も揃ってまた六合心法を成就していたことがわかります。

◆容長青、悪人の更生施設として鬼谷をつくる。
◆容長青、悪人を統べるために「六合心法」を完成させようとして気が暴走。このとき経脈が分断され白髪になり瀕死に。

◆のちの容長青夫人が、夫の知己である葉白衣に助けを求める
◆葉白衣は自分の命と引換えを前提に死ぬ覚悟で、秘めた片思いの相手(※2)である容長青の暴走した気を自らに吸いあげるが、偶然にも六合心法を達成する。

以上の前置きを踏まえた上で、
しかしながら、容長青は20年前(天涯客では30年前)に死亡(容炫の家出と死による心労死)しており、不老長生であっても決して不死ではないことがわかります。

(補足:天涯客バージョン)
原作の天涯客では、最初、はからずしも葉白衣が六合心法で「天人」となってしまった際、炉鼎的役割になってしまった容長青は天人にはなりませんでした。
しかしながら、その後20年かけて、容長青と葉白衣のふたりで、六合心法の秘伝書を完成させていることから、また、容炫が父親と師父の手にある六合心法を自分は教えてもらえないことが理由で六合心法の下巻を盗んで江湖へ家出してしまうことから、はっきりとした記述はありませんが、あるいは葉白衣が天人になった20年後に、容長青もまた天人になったのだと想像することも可能です。

不老なのか

100年ばかりも若いままで生きている葉白衣のモノローグでは、外見は若くても内面は老いてくるようです。
また、原作の天涯客では「火の通った人間の食事をすると、肉体的な老化がはじまり、数年で老化し、棺桶に近づく」とあるので、決して不老でもないようです。

そんなので幸せになれるの?

なにをもって幸せとするかは、ひとによって違うので何ともいえませんが、葉白衣の場合は望んだ結果でもなく、悲劇だったといえます。
その結果、(最終話での温客行の武庫での周子舒への六合心法の説明によると)葉白衣は、数十年も極寒地に住み氷と雪しか食べられなかった(そして懐かしい人達はみんなもう生きていない)生活を生きる屍と感じていたので、タブーを犯しわずか数年でも食べ歩き、老いて死んでゆく道をえらびました。

しかしながら温周の場合は状況が状況であり、望んだ結果なので、ふたり揃って天人になったこともあり、とても主観的な観念ではありますが、悲劇的側面を乗り越えてゆける可能性が高いと思っています。


補足

Q: 山河令では、六合心法を実行したあと、子孫は残せるの? という質問を幾つかいただいきました。

A: 山河令では、六合心法を成就した後の容長青に、容炫が誕生しているので、子孫は残せるようです。

補足2

Q: 食べ物さえ気をつけて雪と氷だけにすれば、山から降りて暮らせたり、四季山荘へ行けるの? 葉白衣は下山して食べ歩いているけど?

A: 最終話の温客行のセリフでは、極寒の地に暮らさないと老化がはじまると言っているため、下山しても短時間しか滞在できないと考えられます。
再建後の四季山荘は長明山の麓と考えられますので、非常に短時間であれば可能かもしれませんが、頻繁は危険だと考えられます。
あくまで参考ですが、原作の天涯客では30年前(ドラマの20年前に相当)に葉白衣は一度山河令が発動された際に下山し、秦懐章に容炫の捜索を依頼していますが、すぐに山に帰還しています。
36話の温客行のセリフによると、葉白衣は、極寒の地に住み、雪と氷とだけを食してで生き延びる生活を生きる屍と考えていたので、そうして生き続けることにうんざりし、老化しわずか数年で死ぬことを選んで食べ歩いています。

補足3

Q: どうして温周の話ではなく容長青と葉白衣の話ばかりなのですか?もっと温周の話で解説して欲しい。という声が幾らか寄せられました。

A: 温周が六合心法でどうなったかを知るには、ドラマ中のセリフから伺い知れる過去の六合心法(容長青と葉白衣)のケースから丁寧に考察する以外に方法がないからです。どうかご了承ください。


参考資料

※1(山河令 第32話、葉白衣の独白~)
70歳まで、容長青と葉白衣のどちらもともに若かったことが解るセリフについて。原語ではわかるのですが、残念ながら公式日本語字幕ではわかりにくいため、詳しくは次の記事をご覧ください。
 >>山河令「最終話」に向けての大事な伏線<前編>へ


※2(葉白衣の片思い)
出典:「天涯客 番外三 白衣江湖」(暗恋=秘めた片思いを暗示しています)ーーまた天涯客本編で七爺に容長青親子の後始末をしてまわったことについて、こんな長い間一度も肩の荷を降ろしたいと思ったことは無かったのか?と問われ、”从不曾拿起,何论放下?ーー一度も手にいれた事がないものを、どうやって降ろせる?” と答えているので葉白衣の片思いと思われます)。

公式発言ではなくあくまで参考ですが、ドラマの山河令でも、演員さんのインタビューにおいて片思い発言されています。
「山河令里面我的CP就是容长青。(中略)明恋。叶白衣,明恋。ーー山河令における自分のカップリング相手は容長青です(中略要約:容長青には妻子がいてストレートの男性ですといった内容)葉白衣は明恋(明恋=周囲にもバレバレの片思い)だと思っています」

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