ボツ詩

1
今日も街角で人が死んでいる。
たった一枚の紙切れでその人の人生を語ろうとしている。
それを見て見て見ない見えないフリをする僕たち。喧騒と騒音と爽快と痛快と奇怪。
それが全て合わさった世界で。
今日も街角で人が生まれてるかもしれない。
そんな想像をして生きたい。

2
目をつぶれば見逃して。
口を慎めば嘘の闇。
耳を沈めば言い訳の波。
触らぬ神に祟りはない。
見えぬ神に効力はない。
踵を返そう。
そう。人間なんだから。
それが一番だ。

3アイボウ
「ねぇ。哀坊。」

「何?哀儚。」
「病院入る時右足から入んないと呪われるんだよ。哀呆。」
「そうなんだ。知らなかった。呪われてもいいけどね。哀昴には。」
「ねぇ。愛膨。」
「何?哀忘。」
「変な壺とか買わされない様にしなよ。愛慕。」
「分かってるよ。買わないよ。愛亡にしか。」

4
例えば明日世界が終わるならば。
例えば明日僕が死ぬならば。
例えば明日彼女が
そんな最低な例えばを探している。
彼女の善意に抉るように漬け込むように例えばを探している。
僕は傷つかなくて彼女が傷つく例えばを探している。

5
君の人生が
100あるとして。
僕が関われるのは1にも満たないだろうか。
だったらそれ以上の殲滅な印象を残してトラウマをプレゼントしたら。
嫌われてもいい。嫌われていたい。
僕が君の人生に小粒程度関わっていた事を忘れないで欲しいだけ。
僕は君の王子様にはなれないけど君の悪人になりたい。

6
彼はひとりが嫌いだと言ったけど本当に嫌いなのは彼がいなくなった世界を想像する事なんじゃないかと孤独に震える彼を見て思ってしまった。私はそのスキまを埋められないと悟った。

そのぐらいの愛だった。
それぐらいの愛だった。


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