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Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew

2019 Spring Selection(4月8日〜5月26日)

橋本徹(SUBURBIA)を始めとする
「usen for Cafe Apres-midi」の選曲家17人が
それぞれのセレクトした音楽への思いを綴る
「Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew」

詳しい放送内容はこちら
D-03 usen for Cafe Apres-midi
http://music.usen.com/channel/d03/


橋本徹(「usen for Cafe Apres-midi」プロデューサー) Toru Hashimoto

桜の季節から新緑の季節へ、新しい出会いのときめきや春うららかな光景を思い描きながら、今回もメロウ&グルーヴィーで心地よい楽曲を中心に計34時間分を新たに選曲した。
金・土・日トワイライトタイムの特集は、前回に引き続き、元号が変わるのを機に平成レトロスペクティヴとして企画された僕の現在制作中のコンピレイション『Heisei Free Soul』拡大版という感じで、“平成フリー・ソウル”と題して。時代を彩った名曲の数々を、様々な思い出を胸に楽しんでいただけたらと思う。
ニュー・アライヴァルも年間ベストワン級と断言したくなるほど気に入ったソランジュ新作を始め、本当にここに書き切れないくらい大充実。このSpring Selectionで特に重要な役割を果たしてくれた作品のジャケットを32枚掲載するので、ぜひその中身の音楽の素晴らしさにも触れてみてほしい。

Solange『When I Get Home』
Dominique Fils-Aime『Stay Tuned!』
Little Simz『GREY Area』
Loyle Carner『Not Waving, But Drowning』
Joy Crookes『Reminiscence EP』
Ady Suleiman『Thoughts & Moments, Vol.1 Mixtape』
Ruby Rushton『Ironside』
Bibio『Ribbons』
Mac-Talla Nan Creag『The Sorrow Of Derdriu』
DjeuhDjoah & Lieutenant Nicholson『Aimez ces airs』
Intellexual『Intellexual』
Shafiq Husayn『The Loop』
Salami Rose Joe Louis「Nostalgic Montage」
Zsela「Noise」
Tiombe Lockhart『The Aquarius Years』
Kiefer『Bridges』
Dexter Story『Bahir』
Blick Bassy『1958』
Lambchop『This (Is What I Wanted To Tell You)』
Billie Eilish『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』
Steve Haines And The Third Floor Orchestra with Becca Stevens, Chad Eby, Joey Calderazzo『Steve Haines And The Third Floor Orchestra』
Dominic Miller『Absinthe』
Dwight Trible『Mothership』
Liquid Saloon『Liquid Saloon』
Yves Jarvis『The Same But By Different Means』
Guli『Yate』
Femina『Perlas & Conchas』
Joaquin Merino『Arvolar』
Juan Fermin Ferraris『35mm』
Natalie Cressman & Ian Faquini『Setting Rays Of Summer』
Gustavito Amaral & Thiago Braz『Universo Reflexo』
Joel Hierrezuelo『Zapateo Suites』

Dinner-time 土曜日22:00~24:00
Cafe Apres-minuit 日曜日0:00~10:00
Brunch-time 月曜日10:00~12:00
Brunch-time 火曜日10:00~12:00
Brunch-time 水曜日10:00~12:00
Brunch-time 木曜日10:00~12:00
Twilight-time 月曜日16:00~18:00
Twilight-time 火曜日16:00~18:00
Twilight-time 水曜日16:00~18:00
Twilight-time 木曜日16:00~18:00
特集 金曜日16:00~18:00
特集 土曜日16:00~18:00
特集 日曜日16:00~18:00



本多義明(「usen for Cafe Apres-midi」ディレクター) Yoshiaki Honda

「Is It Any Wonder?」という曲のPaste Studios, New Yorkの演奏をYouTubeで見て以来、ずっと記憶に残っていて、すごい才能に出会ってしまったような……そんな感覚にさせてくれたDurand Jones & The Indications。ドラン・ジョーンズだけではなく、ドラマーのアーロン・フレイザーがヴォーカルの曲もあって、自分は彼のヴォーカル曲のほうが今のところしっくりきていて気に入っている。CDかレコードでリリースされるのか調べてみたところ、なんと国内レーベルのインパートメントから3/29に最新アルバムのCDがリリースされることを知ってさらに喜びが増した。このニュー・アルバム『American Love Call』には「Is It Any Wonder?」は収録されていないが、好みな曲ばかりで素晴らしいの一言。とくに新しいタイプの音楽というわけではないが、現代のアプローチも使いながら70年代のR&Bやソウルを現代に蘇らせたようなレトロなテイストで、随所に才能とメロウな心地よさとノスタルジーを感じさせてくれて、「usen for Cafe Apres-midi」の2019 Spring Selectionのランチタイム~ティータイムで何曲か選びました。でもどちらかと言えば、この季節なら夜桜を眺めながら聴きたくなる音楽ですね。


Durand Jones & The Indications『American Love Call』

Lunch-time~Tea-time 木曜日12:00~16:00
Lunch-time~Tea-time 金曜日12:00~16:00
Lunch-time~Tea-time 土曜日12:00~16:00
Lunch-time~Tea-time 日曜日12:00~16:00



中村智昭 Tomoaki Nakamura

世界中の様々な民族楽器を文化や伝統の中から掬い上げ独自の手法で融合させる、ドイツ出身の音楽家ステファン・ミクスによる多重録音作品。人種や宗教の隔たりを超える、真の祈りのようなものに満たされた天上の音楽。本セレクションに選んだ長尺で描かれる「Part 1」は、桜の花びらが静かに舞う穏やかな春の夜にふさわしい名演だと思います。

Stephan Micus『Darkness And Light』

Dinner-time 月曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 火曜日0:00~2:00



添田和幸 Kazuyuki Soeta

新譜が豊作でチェックするだけでも大変な嬉しい状況ですが、今回のセレクションではロンドン在住のシンガー・ソングライター、Magnus Chappleのデビュー・アルバムを推したいと思います。King KruleやAlex Buryを想い浮かべる憂いを纏った歌声が素晴らしい20歳のブライテスト・ホープ。今後の活躍が楽しみです。

Magnus Chapple『An Introduction』

Dinner-time 火曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 水曜日0:00~2:00



中上修作 Shusaku Nakagami

想い出すは一浪し入学した美大1回生の頃。当時アマチュア・ベーシストとして練習・研究に精を出し新しいバンドでも組むか、という頃に本作『樹木の音階』のCDを購入した。濱瀬元彦のフレットレス・ベースにはジャコ・パストリアスによる濃厚な影響を認めたが、フレットレス・ベース奏者は環境音楽(このような音楽はそう呼ばれていた)の畑ではウィンダムヒル・レコードのマイケル・マンリング以外には珍しい存在だった。ピアノの柴野さつきも好きだったし本アルバムは愛聴の1枚となったが、時代は空前のDJブーム。当時レア・グルーヴも好きだったせいかバンドのことはいつしか忘れ、京都を中心にDJ活動に専念するようになっていた。それから幾星霜。まさか昨年、LPという形式でこのアルバムが再発されようとは夢にも思わなかった。よい音楽は時代、世代を超えて継承されるものだ。改めて高度な音楽理論に裏付けられた濱瀬の音楽と、当時作品をリリースした青山スパイラルのNEWSIKレコードの慧眼に拍手をおくりたい。

濱瀬元彦『樹木の音階』 

Dinner-time 水曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 木曜日0:00~2:00



髙木慶太 Keita Takagi

2001年にこのチャンネルがスタートした当初は飲食店のBGMと言えばモダン・ジャズ、それもブルーノート系のハード・バップが全盛で、そこに一石投じることが我がチーム・アプレミディの使命だと密かに鼻息も荒く選曲していたことを思い出します。ここまで多様にして多彩なコンテンツに育ったのは、その初期衝動があまりにも大きかったからに他なりません。
消えることのない反骨心が常にあるからこそ、普段は距離を置いているモダン・ジャズにあえて積極的に接近したい衝動に駆られることもあり、今回がまさにそのタイミングでした。
悔しいですが、どのジャンルにもその黄金期には抗えない引力があります。我々はきっとその周囲を不規則な軌道で旋回する衛星のようなものなのでしょう。
これまでも、これからも。

Carl Perkins『Introducing...』

Dinner-time 木曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 金曜日0:00~2:00



FAT MASA

チャーミングなジャケット・ポートレイトのような穏やかな陽射しが似合う「If You Wanna」。メロウな空気に誘われて、春を見つけに出かけたくなる気分。
花見と言えば北海道スタイルはジンギスカンが定番なんですが、肌寒い中で楽しむジンギスカンは格別であります! 味付けジンギスカンのトップブランド・松尾ジンギスカンの黎明期、販促で花見客へ提供したことも手伝い人気に火が付いたと聞きます。道外の方にもぜひ、オススメ致します! 〆のうどんもお忘れなく(笑)。

J. Lamotta Suzume『Suzume』

Brunch-time 金曜日10:00~12:00



三谷昌平 Shohei Mitani

桜色がどこか春をイメージさせるジャケットが印象的なブルーノ・メジャーの新曲「Old Fashioned」でスタートする2019年のSpring Selection。前半はジェイムス・ブレイクの「Don't Miss It」をはじめシンガー・ソングライターの新作を中心に、後半は爽やかなヴォーカルが魅力の女性ヴォーカリスト、アンナ・セットンのデビュー・アルバムから「Toada」等、アコースティックなブラジリアンにフォーカスを当ててセレクトしました。大地を閉ざしていた雪がとけ、樹々がいっせいに芽をふき、花弁が競い合うようにひらく。人々が重い衣服から解放され軽やかに街を歩きまわる。そんな風景を頭の中で描きながら選曲したセレクション、耳を傾けていただければ幸いです。

Bruno Major「Old Fashioned」
James Blake『Assume Form』
Anna Setton『Anna Setton』

Dinner-time 金曜日18:00~22:00



渡辺裕介 Yusuke Watanabe

平成から令和へ。
我がお店レストラン・バーSTEREO17周年を無事迎えることができました。
オープニング・レセプションで橋本さんにDJしていただいてから17年。
毎年恒例のFree Soul STEREO。
平成に生まれた歴史に残るムーヴメント・言葉「Free Soul」。
このFree Soulという感覚こそもっと音楽を楽しめる音楽鑑賞の視点。
その感覚を持って21世紀にリヴァイヴァルしたジャパニーズ・シティー・ポップ。
今年は、橋本さんと流線形のクニモンド瀧口さんの2人をお迎えしてのトーク&DJパーティーです。ぜひお越しください。前日は、北九州・門司で橋本さんゲストでFree Soul パーティーです。
ということでSpring Selectionは、Free Soul感覚で金曜の夜を選曲しました。久々にPercy MaysやRhythm MachineやSandra Saなどレコードを聴き直しながら。やはりビクビクしながら財布と彼女の顔色をうかがいながら、手にとって買ったレコードたち。バッグに入れてジャケットがボロボロになっていても、レコードっていつも今の音として流れ、あの頃の思い出も一緒に映像で出てくる。そんな春の選曲です。お楽しみください。

Percy Mays『Shine Your Love』

Dinner-time 金曜日22:00~24:00
Cafe Apres-minuit 土曜日0:00~2:00



富永珠梨 Juri Tominaga

私の住む北海道にも長く待ちわびた季節がやってきました。頬にあたる風が日ごとやさしくなって、目に映る日常の風景が若葉色にきらきらと華やいでゆく、大好きな季節の到来です。そんな心弾む季節にぴったりなアルバムをご紹介いたします。カリフォルニア生まれの女性SSW、ミンディ・グレッドヒルが、今年リリースしたアルバム『Rabbit Hole』を2019 Spring Selectionのベストワンに選びました。春の訪れを祝福する小鳥のさえずりのような、ミンディの愛らしくもどこかセンティメンタルな歌声に、一聴で恋に落ちてしまう“Spring Fever”的魅力に溢れた作品です。今回このアルバムの中から、「Bluebird」をピックアップしました。芽吹いたばかりの樹々の隙間から零れ落ちる、うららかな春の陽射しを思わせる、瑞々しいアコースティック・ギターの音色と、ミンディの柔らかくスウィートな歌声が、心にすーっと染み渡ります。よく晴れた春の休日によく馴染む爽やかな一曲です。「きっとこの先、春が来るたび、自然とこのアルバムに手が伸びるのだろうなあ」なんて思わせてくれる、きらめきがギュッと詰まった傑作。思わず笑顔がこぼれるカラフル&ピースフルな、ミンディ・ワールドを、ぜひ多くの方にお楽しみいただけたらと思います!

Mindy Gledhill『Rabbit Hole』

Brunch-time 土曜日10:00~12:00



小林恭 Takashi Kobayashi

フランスはリヨンから、Tigran Hamasyanのレコーディングにも参加しているDavid Kiledjianによる、クレオール・ジャズにエレクトロニクス・サウンドとカリビアン・パーカッションが融合されたフューチャー・クレオール・プロジェクトDowdelin。温かなヴォーカルが心地よいメロウ・チューン「Mwen Vié」を選曲しました。
ミニマルなループに加えて、心地よい音色や母親のインタヴューの声が絡み合い、静かで浮遊する音の中にイマジネイションを掻き立てられるメディテイション・サウンドのJoseph Shabason。「I Thought That I Could Get Away With It」とGigi Masinとのコラボ「November」を選曲しました。
ロンドンの注目ジャズ・レーベルjazz re:freshedからの、NerijaやKokorokoへの参加でも知られるアルト・サックス奏者のCassie Kinoshiが率いるSeed Ensembleのデビュー・アルバム。夜はまだ少し肌寒い春に聴きたくなるメロウ・ヴォーカル・ジャズ「The Dream Keeper」とJoe Armon-Jonesのローズがメロウな「Stargaze ♯1: KATIN」を選曲しました。
ブラジルの男性SSW、アンドレ・トラヴァッソスのユニット、Moonsのニュー・アルバムからユニット名と同じ「Moons」を選曲しました。卓越したソングライティングとバランスの良いフォーク・ロックなバンド・サウンドが素朴ながらも洗練されていて心地よいです。秋冬にも似合いますが、春にも似合うグッド・ミュージックです。

Dowdelin『Carnaval Odyssey』
Joseph Shabason『Anne』
Seed Ensemble『Driftglass』
Moons『Thinking Out Loud』

Dinner-time 土曜日18:00~22:00



ヒロチカーノ hirochikano

2019年4月、新しい時代のスタートと重なる今回の春選曲では、これからの時代を担う新世代アーティストの作品を中心に選びました。
そんな中から最初に紹介するのは、アイルランド出身のインディー・ドリーム・ポップ・バンドFar Caspianのデビュー作「Between Days」。イントロの心地いいビートとシンプルなメロディーで展開されていくアレンジが素晴らしい1曲です。春色のジャケットが印象に残ったJerry Paperの最新作からは「Everything Borrowed」と「Grey Area」の2曲を選びましたが、どちらも初期アプレミディ・クラシックの世界観を彷彿させるレトロでキュートなアレンジが秀逸です。ポップ感覚と融合したチル・ラップの新潮流を示してくれたRejjie Snow「Dear Annie」は、男女掛け合いのラップと口笛のアレンジが春の街の風景にぴったりとはまる1曲。最後に紹介するのは、イギリスを代表する女性SSWアーティストDidoの5年ぶりとなった注目の最新作から、アシッド・フォークとミクスチャー・ポップが溶け合ったSSWサウンドの新潮流を感じる「Friends」を。以上、春の陽気を感じる街音の中に、新しい時代の風を感じてください。

Far Caspian『Between Days - EP』
Jerry Paper 『Like A Baby』
Rejjie Snow『Dear Annie』
Dido『Still On My Mind』

Brunch-time 日曜日10:00~12:00



吉本宏 Hiroshi Yoshimoto

春は出会いと別れの季節。そんな“出会いと別れ”という名を冠したテネシーはナッシュヴィルのジェフ・ミラーによるハンド・クラフト・ポップ・ユニットGreetings and Goodbyes。「だから私たちは美しい人生を築いている」と歌う切なくも清々しい「A Beautiful Life」は、おぼろげな春の光の眩さのよう。

Greetings and Goodbyes『Greetings and Goodbyes』

Dinner-time 日曜日18:00~22:00



高橋孝治 Koji Takahashi

今回のディナータイム選曲は、2月の末に当チャンネルのディレクター本多くんからリリース情報を教えてもらい速攻で手に入れた、北アイルランド・デリー出身のシンガー・ソングライター、ブライディ・マーンズ・ワトソンのプロジェクト、SOAK.の4月26日にリリース予定のセカンド・アルバム『Grim Town』より先行で配信リリースされた作品を軸に、2時間の選曲を構成してみました。まずはイントロに自分の選曲ではお馴染みになったHiatusの昨年リリースされたEP『Defeat』より、静謐でミニマルなビートが心地よい「Unbecoming」を配置し、前述したSOAK.の作品はファースト・アルバムの中で一番好きなナンバーである「Sea Creatures」と同様のテイストを持つ「Everybody Loves You」をセレクト。そして今回の選曲においてSOAK.の作品と同じくらい感動したカリフォルニア州サクラメント出身のヘイリー・ジュンカーを中心に活動するユニット、ローズマザーのスウィートなドリーム・ポップ「Daffodils」へと繋げました。次にボストンとブルックリンを拠点に活動するバンドCrumbが2016年にリリースしていたセルフ・タイトルのEPより、キュートなヴォーカルに絡むクールでグルーヴィーな変拍子のリズムが身体を揺らす「Bones」、そのCrumbの「Bones」に感覚が似た作品で、イギリスはマンチェスターを拠点に活躍するソウル・フィーリングをローファイに奏でる男女デュオDarcieの「Mango」、西オーストラリア州の州都であるパース出身のシンガー・ソングライターでありプロデューサーのSwaine Delgadoのこちらもちょっぴりほろ苦くてスウィートなローファイ・ソウル「Fading」、ニュージーランド出身のルーバン・ニールソンを中心に、ポートランドを拠点に活動するアンノウン・モータル・オーケストラの、奥底にトーキング・ヘッズの影がちらつく2018年作「Hunnybee」をピックアップ。さらにここでもう一度SOAK.の新作より、聴く前に抱いていた新作に対する期待を軽く上まわり、別の次元へ連れていかれた「Valentine Shmalentine」をセレクト。それに続けたのがまたもやローズマザーの作品で、湖畔に反射する陽光のように煌びやかな「Sympathy」をピックアップし、次に1984年にレッド・ツェッペリンのロバート・ プラントが結成したハニー・ドリッパーズがカヴァーし全米3位を記録した、フィル・フィリップスの1959年7月に発表された「Sea Of Love」に似た雰囲気を持つ、イギリスはブライトン出身のFernというアーティストがルーシーズ・ミラーという女性をフィーチャリングして発表した「4 A.M. Breakfast Club」に繋げました。

ディナータイム選曲後半は、ニューヨークはブルックリンで活動する(出身はカリフォルニア?)アーティスト、エメット・カイの今年の2月にリリースされたデビュー・アルバム『Baby Hits』よりピックアップした「Hate That I Love You」を筆頭に、チルでポップでダンサブルな雰囲気の作品を集めて構成してみました。続いてロンドンを拠点に活動するするソフトなギター・ポップ・バンド、スウィミング・テイプスのこちらも今年の2月にリリースされたばかりの新曲「Pyrenees」や、オランダ出身のプロデューサー兼ミュージシャンのJasper WijnandsによるプロジェクトShookが、2016年に膵炎を患い入院生活を送っていたときにずっと看病してくれたジュリエット・クラールという女性とコラボレイトした、制作過程のストーリーもスウィートなナンバー「I Will Be There」、2017年に来日経験もある、韓国系アメリカ人のMichelle Zaunerによるプロジェクト、ジャパニーズ・ブレックファストの「Road Head」などをセレクト。そして次に繋げたロサンゼルスを拠点に活動するクリスチャン・ゴメスとダニエル・ノグエラによるプロジェクト、Ardencyの昨年リリースされたEP『The Ones That Miss Me』よりタイトル・トラックであるスペイシーなダンス・トラックや、カリフォルニアで活動するウィル・ゴンザレスによるローファイ・ベッドルーム・ポップ・プロジェクト、バナナ・クリームのサード・シングルとなる「We'll Shine」などもメロウで夢見心地なナンバーですが、この2曲は歌声が一聴しただけでは性別不明で、故にドリーミーなうえにミステリアスな感覚をも併せもつ作品だと思います。そしてニューヨークはブルックリンで活動するカルミア・トラバーとアレックス・トスによるインディー・ポップなダンス・デュオ Rubblebucket が昨年リリースした『Sun Machine』というアルバムよりシングル・カットされた「Fruity」、カリフォルニア州オークランド出身のSven Gamskyによるソロ・プロジェクト、スティル・ウージーのファルセット・ヴォイスがクールに漂う「Habit」とドリーミーなダンス・ナンバーを続けた後に、スウェーデンはストックホルム出身のMatilda Mårdによるプロジェクト、メニー・ヴォイセズ・スピーキングのしっとりとした透き通った歌声が魅力な「Necessaries」をピックアップして、選曲のトーンを少し落とします。そこからイースト・ロンドン出身の男女デュオ、0171のデビュー・シングルで、機械的に積み上げられる言葉の波がクールに響く「1000 Words」をセレクトし、一度落とした選曲のトーンをまた一段上に上げ、さらにオランダはアムステルダムを拠点に活動するインディー・ポップ・デュオFeng Suaveのスウィート・ソウル「Venus Flytrap」や、カナダのハミルトンを拠点に活動するLinnea Siggelkowによるソロ・プロジェクト、エリスの2月にリリースされたニュー・シングル「Something Blue」などを終盤に配置して、選曲のテンションが心地よく耳に響くようにバランスを整えてみました。

そして今回のミッドナイト・スペシャルは『グッバイ平成、ハロー令和』ということで、新たな元号へのお祝いと、過ぎ去る平成という時代に感謝する気持ちを込めて、過去の選曲の中から年末恒例企画のベスト・セレクションに使用した曲だけを集めてお贈りする、ベスト・オブ・ベスト・セレクションと題した選曲をしてみました。しかし、選曲を終えてみると、このコメント欄がリニューアルした1回目の選曲時に過去10年を振り返る4時間の選曲をしていて、そのときの選曲と被るものが多いことに気がつきました。でも今回は先にも申し上げたように過去のベスト・セレクションに取り上げた曲限定で、しかも2時間の枠に凝縮してあるので、より濃密な選曲ができたと思います。コメントもそのときと被る作品を紹介するので、コピー&ペースト的なものも含まれますが、そこのところはご愛嬌ということでお許しください(笑)。まずは名刺代わりに「usen for Cafe Apres-midi」の15周年を祝うアニヴァーサリー・コンピ『Music City Lovers〜Soundtracks For Comfortable Life』のために自分がセレクトしたミントの『Grace』をイントロに、「usen for Cafe Apres-midi」の10周年を記念したコンピのためにセレクトしたランドン・ピグ「Falling In Love At A Coffee Shop (EP Version)」に繋げ、3月に来日公演を行った英チチェスター出身のシンガー・ソングライター、トム・オデールがピアノ弾き語りでカヴァーしたジョン・レノンの「Real Love」、スコット・マシューズの名作サード・アルバム『What The Night Delivers...』からは往来する静かな波のように心地よいワルツ「Obsession Never Sleeps」をピックアップ。そしてこちらは同じ水の流れでもとうとうと流れる美しい川のような響きを放つアイアン&ワインの「Godless Brother In Love」、英国作曲家協会が主催する音楽賞アイヴァー・ノヴェロにおいて、インディーながら2年連続で最優秀楽曲賞にノミネイトされ、4月には待望のニュー・アルバムがリリースされるレジャー・ソサエティの美しきオーケストラル・ポップ「Although We All Are Lost」、2006年にフランス・オンリーで配布されたプロモーション盤のみに収録されているファイスト「La Même Histoire (We're All In The Dance)」の映画『パリ・ジュテーム』の中で使用されたものと同じ、フランス語と英語が交互に歌われる貴重なヴァージョンや、ファイストの作品同様に美しいワルツの調べを放つメルポ・メネの「I Adore You」、エミリアナ・トリーニの深遠なる歌声が心の奥底に突き刺さる「Bleeder」、ディナータイム選曲のコメントでも触れたSOAK.の「Sea Creatures」、イギリスはウエスト・ミッドランズ在住のスティーヴン・ウィルキンソンによる独りユニット、ビビオの美しくも眩いサイケデリックな揺らぎを放つ「You Won't Remember…」などをピックアップ。そして2017年のベスト・セレクションからエントリーしたシガレッツ・アフター・セックスの美しくも崩れ落ちそうな儚さを漂わせる「Apocalypse」、同様に儚い崩壊の美学を感じさせるベス・オートンの「Mystery」、昨年のベスト・セレクションよりピックアップした青春映画『君の名前で僕を呼んで』に提供されたスフィアン・スティーヴンスの「Mystery Of Love」などがミッドナイト・スペシャル前半に選んだ作品です。前半の締めとして10年以上前にリリースされたアルバム・リーフの「Wishful Thinking」をセレクトしたのですが、この美しく厳かなインストゥルメンタル・ナンバーもいまだにエヴァーグリーンの輝きに満ちていると思います。

そしてミッドナイト・スペシャル後半はアイスランド出身でシガー・ロスのヨンシーの公私にわたるパートナーであるアレックス・サマーズが在籍していたパラシューツ(現在は解散)の心身を浄化してくれる透明感のある調べを放つ「Paper Birds」から始まり、オーストラリアはメルボルンで活躍するペイパー・カイツが昨年リリースした『On The Train Ride Home』より、哀愁漂い木もれ陽を感じる「Nothing More Than That」や、ニュージーランドのシンガー・ソングライター、ブルーノ・マーツのセカンド・アルバム(2014年作)『Highways』よりピックアップしたメランコリックなピアノの響きがスウィートな歌声と共に心の柔らかいところをタッチする「On The Shore」、サン・キル・ムーンの個人的に彼らのアルバムの中で最高傑作だと思っている『Admiral Fell Promises』のタイトル・ソング、ニューヨークはブルックリンを拠点とするシンセ・ポップ・デュオ、チェアリフトのキャロライン・ ポラチェックがゲスト・ヴォーカルで参加しているセバスチャン・ブランクの唯一作『Alibi Coast』収録の「Answers」、オーストラリアの姉弟ポップス・デュオ、アンガス・アンド・ジュリア・ストーンの2017年作『Snow』よりピックアップした、胎内記憶が蘇るような不思議な揺らぎを感じる「Sylvester Stallone」、セイント・ヴィンセントがボブ・ディランやフレッド・ニールと親交を結び“グリニッチ・ヴィレッジのビリー・ホリデイ”と賞賛されたフォーク・シンガー、カレン・ダルトンの作品をディズニー映画『ピートと秘密の友達』への提供曲としてカヴァーした「Something On My Mind」、先に述べた「usen for Cafe Apres-midi」の15周年を祝うアニヴァーサリー・コンピ『Music City Lovers〜Soundtracks For Comfortable Life』に収録する候補曲として考えていた作品のひとつで、ボストン出身のアーティスト、The Tumbled Seaによるシネマティックでポスト・クラシカルな美しいピアノのインストゥルメンタル・ナンバー「We're Turning Into Regular People」、傑作アルバム『Want』期のゴージャスなサウンドを彷彿とさせ、ニュー・アルバムへの期待を否が応でも高まらせるルーファス・ウェインライトの最新シングル「Sword Of Damocles」、アメリカはコロラド州中南部に位置するコロラドスプリングス出身のアーティストWinston Yellenのプロジェクト、ナイト・ベッズの2013年にリリースされたデビュー・アルバム『Country Sleep』に収録されていたゴスペルの要素を感じる美しくも力強い「22」、そしてケイト・ウォルシュの2007年リリースのセカンド・アルバム『Tim's House』収録の「Tonight」は、プロモーション盤オンリーでリリースされたタイトなバンド演奏が加わったドラマティックなヴァージョンでセレクト。さらにスフィアン・スティーヴンスやルーファス・ウェインライトの作品同様昨年のベスト・セレクションに選んだファースト・エイド・キットの甘くて切ない「Fireworks」、アメリカのインディー・ポップ・デュオ、パイパスのメンバーであるルペ・ヌネス・フェルナンデスとクリアンテルというバンドで活動するアラスデア・マクリーンによる別働ユニット、アモール・ド・ディアズの2011年リリースのデビュー・アルバム『Street Of The Love Of Days』収録のミステリアスな子守歌のような「Dream (Dead Hands)」、そしてこの特集の大トリとして、また、過ぎゆくひとつの時代と新たにやってくる時代に贈る作品として、コナン・グレイの作った高校生活に別れと感謝を表した青春賛歌「Idle Town」をセレクトし、最後にアウトロとしてHiatusの「Nobody」がエンドロールのように流れて今回のミッドナイト・スペシャルは幕を閉じます。今回のセレクションは、何度も言いますが、平成という時代を振り返った選曲になりました。5月から元号が令和に代わり、平成という時代も31年の幕を閉じます。未来のことはわかりませんが、新たな時代が災害や無闇な争いがなるべく起こらない、誰しもが平穏に過ごせる世界になるよう願いたいと思います。

Hiatus『Defeat』
SOAK.『Grim Town』
Rosemother feat. Reese Junker「Daffodils」
Crumb『Crumb』
Swaine Delgado「Fading」
Unknown Mortal Orchestra『Sex & Food』
Emmett Kai『Baby Hits!』
Swimming Tapes『Pyrenees』
Shook『Bicycle Ride』 
Ardency『The Ones That Miss Me』
Rubblebucket『Sun Machine』
Still Woozy「Habit」
Many Voices Speak『‎Tank Town』
0171「1000 Words」
Ellis「Something Blue」
Mint『Cardboard Rocketships』
Landon Pigg「Coffee Shop」
Tom Odell「Real Love」
Scott Matthews「Obsession Never Sleeps」
Feist「La Même Histoire (We're All In The Dance)」
Beth Orton『Sugaring Season』
Album Leaf『Into The Blue Again』
Bruno Merz『Highways』
Sebastian Blanck『Alibi Coast』
The Tumbled Sea『Songs By The Tumbled Sea』
Night Beds「22」
Kate Walsh「Tonight」
Conan Gray『Sunset Season』

Dinner-time 日曜日22:00~24:00
Cafe Apres-minuit 月曜日0:00~2:00



山本勇樹 Yuuki Yamamoto

すっかり春めいてきましたね。ちょうどこの原稿を書いているときは、東京でも桜が満開で見ごろを迎えています。気候も温かくなれば、お出かけしたり、旅行に出かけたりする機会も多くなることでしょう。そんな足を運んだ先で、ふと素敵な音楽が流れていたら、という気持ちで選曲させていただきました。いつもよりもブラジル音楽を多めにセレクトして、ヴァカンスというか、5月の大型連休を意識した流れにしてみましたが、そんな心地よい曲とも、抜群の相性を感じさせてくれたのはエミリー・キング。約4年ぶりに届けられた新作は、期待以上の出来映えで、ソウル、R&B、ジャズを、程よい温度感で織り交ぜた内容です。中でも素晴らしかったのが「Teach You」で、思わずスキップを踏みたくなるような、アコースティック・ソウルです。ぜひチェックしてみてください。

Emily King『Scenery』

Lunch-time~Tea-time 月曜日12:00~16:00



武田誠 Makoto Takeda

東京湾に面した海沿いの公園を渡る風に、柔らかな潮の香りを含んだ温かさを感じる季節になりました。この時期、新入社員研修で全国からいっせいに東京に招集をかけられるのか、ラッシュ時の電車が同じスーツに身を包んだ若者たちでさらにあふれかえります。そんな彼らを見ているとなんだか過去の自分を思いだしたりして少し胸が詰まるような気分になったりしてしまうのですが(未来ある若者たちにどうか幸あれ!)、こんなときにこそ、やっぱり音楽って自由だなあ、としみじみ感じたりもします。という訳で、今回も選曲のポイントとなった作品を掲載したジャケ8枚の並びにそって紹介していきましょう。
アンビエント〜エレクトロニカを通過したブリティッシュ・フォーク待望の絶品新曲、カフェ・アプレミディでプレイする若手DJがかける音に目を見開かされてしまったか今ではひどく新鮮味を帯びて響くゲート・リヴァーブ系ドラムス全開のナタリー・プラス級80s風チューン、映像作家としても活躍するウルグアイ出身NY在住のミュージシャンによる地元へ回帰しての眩い光のようなコラボ作、孤独なモノローグの中にドリーミーな甘いまどろみが宿るオールド・タイミーなポップ・ナンバーを紡ぐオランダの女性SSW率いるバンドのセカンド、ヌーヴェル・ポップ・フランセーズ華やかりしデビューからほぼ20年を経た今も現在進行形かと思わせる新作、淡い感傷を綴る歌とそれを導く独特の多彩なアレンジメントに心癒されるニュージーランドの女性SSW、そしてこちらも適度な温度感のソフト・サイケデリアな色彩が広がる音作りに惹かれるLAの女性SSW、ネットで話題になっていたジミヘンからの影響色濃い若き女性ギタリスト/シンガーが何とマック・デマルコをフィーチャーした初のオフィシャル・リリース曲。といったところで、2019 Spring Selectionをお楽しみいただけらと思います!

Bibio「Curls」
Aurora Sheilds「Swimming Away」
Juan Wauters『La Onda de Juan Pablo』
Eerie Wanda『Pet Town』
Jérôme Minière『Dans la forêt numérique』
Tiny Ruins『Olympic Girls』
Hand Habits『placeholder』
Melanie Faye feat. Mac DeMarco「Eternally 12」

Lunch-time~Tea-time 火曜日12:00~16:00



waltzanova

平成最後のセレクションは、僕があえて今まで封印していたAOR的な選曲を柱の一つに据えてみました。ここのところ雑誌で特集されたり、『ヨット・ロック』日本語版が刊行されたりと、それなりにタイムリーな時期だと思ったからです(実を言うと、AORとヨット・ロックというのは似て非なる部分や重ならない部分も多い、と改めて感じましたが、それはさておき)。特集を組むにあたり、改めてこのあたりの定番ものを聴き直し、新たな発見があったものをいくつかご紹介します。まずはソフト&メロウの先駆にして定番中の定番、ジョージ・ベンソンの『Breezin’』。洋楽に本格的に関心を持った10代後半に名盤の中の一枚として聴きましたが、当時の僕にとっては、イージー・リスニング~フュージョン要素が強すぎるように感じ、それ以来聴き返す機会もあまりありませんでした(まだ僕には本当の意味での“大人の音楽”がわかっていなかったのかもしれませんね)。しかし、トム・ミッシュを通過した2019年的な耳で聴くと、タイトル曲のギターは絶妙の心地よさ。また、僕にとってはマーク・ジョーダンもそんなひとりでした。昔聴いたときの記憶がほとんどないのですが(買った記憶はあります・笑)、ライト・タッチのシティ・ソウル感がこれまたバッチリです。中でもLAのハイウェイを飛ばしているような「Generalities」、スティールドラム入りのトロピカルな「Marina Del Rey」はニュー・スタンダード入りと言っていいでしょう。もう一枚オススメ定番を挙げるならロビー・デュプリーでしょうか。「What A Fool Believes」(ドゥービー・ブラザーズ)の影響力の大きさを示す「Steal Away」はAORファンの間では名曲として名高いですが、全体を通じてクオリティーの高いブルー・アイド・ソウル・アルバムなので、安レコと思わずに(笑)、第二の『Hard Candy』(ネッド・ドヒニー)としてオススメしておきます。そこにルーカス・アルーダの新譜からの曲や、ヨット・ロック・レジェンドであるマイケル・マクドナルドとケニー・ロギンスを迎えたサンダーキャットの名曲などを配し、2019年にこそ気持ちのよい“街の音楽”としてプレゼンしてみたつもりです。

新譜関係では、“待望の”と言っていいJ. ラモッタ・スズメが、しなやかで瑞々しいニュー・アルバムを届けてくれました(アナログ盤ももちろん買いました)。彼女に勝るとも劣らない素晴らしい新作『When I Get Home』をリリースしたソランジュ、やはりもうすぐ新譜『Legacy! Legacy!』の出るジャミラ・ウッズ(こちらも楽しみです!)、久々となるタヒラ・メモリーの新曲も好みでした。このあたりのフィメイル・ヴォーカルものは小特集的に取り上げています。これまたニュー・アルバムが待ち遠しいキーファーやKan Sano、ロニー・リストン・スミスやジョージ・デュークなど、キーボーディストのまろやかメロウな名曲も小特集的に並べています。中でもロニー・フォスターの「Like A Child」は、僕がこの時期についつい取り上げてしまうことの多いスティーヴィー・ワンダー・マナーの名曲です。

恒例のオープニング・クラシックは、この企画のスタート時からアイディアを温めていたバッハの『ブランデンブルク・コンチェルト』。村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で、図書館の女の子(村上春樹の登場人物の中では、一二を争う好みのタイプです・笑)が「いちばん良い」と評していたカール・リヒター版です。そこにジャケットもこの季節にぴったりのエル・ブオ「Picaflor」を並べたのですが、これが予想以上にハマりました。シームレスな繋がり具合に、思わず自画自賛してしまったほどです。それ以外にも、ここ数年の僕のSpring Selection定番であるフレディ・ハバード「Up Jumped Spring」、エスペランサ・スポルディングが歌うローラ・ニーロ「Upstairs By Chinese Lamp」カヴァーなどなど、この季節ならではの名曲を多数ちりばめています。

この文章を書いている今、窓から見える桜はもうほぼ満開です。今年もまた心弾むこの季節の選曲ができることを嬉しく思いながら、街へ出かけてこようと思います。お気に入りのギンガムチェックのシャツを着て──。

Karl Richter & Münchener Bach-Orchester『Bach: 6 Brandenburg Concertos - 4 Ouvertures - Triple Concerto, BWV 1044』
El Búho『Camino de Flores』

J. Lamotta Suzume『Suzume』
Lucas Arruda『Onda Nova』
George Benson『Breezin’』
Marc Jordan『Blue Desert』
Brian Elliot『Brian Elliot』
Kokoroko『Uman』

Lunch-time~Tea-time 水曜日12:00~16:00

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