地方を大事にしないプロ野球の未来とは?

 今年は4/26~28にファイターズ×バファローズ、6/27にホークス×マリーンズが東京ドーム、8/29にホークス×マリーンズが京セラドームで組まれています。毎年思うのですが、プロ野球チームがある街で他のチームが試合を組む意味がわかりません。いつでもプロ野球が見られる東京や大阪で試合数を増やす意味があるのでしょうか。それよりプロ野球チームがない地方で試合を組んだ方が、プロ野球の普及と、野球人気の向上に繋がるのでは?と毎年思うのです。

 ホークスが東京ドームで試合を組むのは親会社が東京にあるので、御前試合という意味なのでしょうが、九州のチームを自認しているなら、親会社がある東京より九州開催を増やして欲しいです。あと、敵チームの本拠地である京セラドームで試合を組むのは意味がわかりません。大阪球場はとっくにないので、南海を引きずっているわけではないでしょう。「ホークスファンは全国にいるから、ホークスを全国で見せたい」という意向なら、プロレス団体のように、本拠地を持たずに全国を転々としてはどうでしょうか。

 ファイターズが東京ドームで試合を組むのは、かつて東京をホームにしていた名残りなのでしょうが、自分から振っておいて、「お前のことが心配なんだよ」と執着するウザさしか感じません。ナショナルズはモントリオールから移転しましたが、「古いマーケットより新しいマーケットを大事にするのは当たり前」とモントリオールで試合をしたとは聞いたことがないです。

 僕はプロ野球チームがない鹿児島で生まれ育ったので、「いつでもプロ野球が見られる東京のやつには、カードを選んでいたら未来永劫試合を見られれない地方人の気持ちがわからない」という怨念があります。ホントにこれだけは許せません。

 プロ野球チームは12しかないのに、地方を軽視している現状で野球振興はできるのでしょうか。ゴールデンで毎日巨人戦を見られる時代はとっくに終わり、どれだけ生で試合を見せられるかが競技振興のキモになっているのに。

 「地方は独立リーグにまかせればいい」とお思いの方もおられると思いますが、独立リーグはお客さんが入らないのです。とりあえずBCリーグの観客動員数を調べてみましたが、1,000人以上入る日は少なく、二ケタという日もあります。調べていて「これで経営は成り立つのだろうか?」と疑問に思いました。一番盛り上がるポストシーズンでも1,000人いかないのはマズいでしょう。おそらくですが、J3の鹿児島、岐阜、熊本のように平均3,000人以上集められる独立リーグのチームはないでしょうね。

 独立リーグはNPBとは別の組織なので、全国で一斉に競技振興をやろうと思っても打ち合わせ、調整からやらないといけないのです。JリーグやBリーグは一部から三部まで一つの組織なので、全国で競技振興をやろうと思ったら、一斉に動けるイメージが湧くのですが、野球には全くイメージが湧きません。

 NPB、Jリーグ、Bリーグは鬼滅の刃とコラボして企画をやりましたが、JリーグやBリーグは三部まで揃っていますが、独立リーグは入っていません。これでNPBと独立リーグが別組織になっていることがわかるいい例ですね。

 このように地方を軽視してきたツケが回って野球の競技人口は減るでしょうし、減った分は地方を軽視しなかったサッカーやバスケットに競技人口は取られるでしょうね。それを少しでも阻止したいなら、既にチームがある都市では他チームは主催試合を行わないことと、全てのチームは最低数試合は地方試合をやることを義務付けていただきたいです。  

追記 今の子供たちはどこで野球に興味を持つのだろう?という疑問があります。毎日巨人戦をゴールデンで見られた時代は、「プロ野球を知っているのは男の子の嗜み」という部分がありましたが、今はそれがあるとは思えません。プロ野球チームがある都市で育った子供なら球場に行く機会があるので、野球に興味を持つのでしょうが、プロ野球チームがない都市で育った子供は野球に興味を持つのでしょうか?僕が今の時代に育ったなら、「生で見れないプロ野球より、鹿児島市に行ったらみられるサッカーの方がいい」とプロ野球には興味を持たないでしょうね。

 

 

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