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化粧品の選び方~取り入れるべき成分を考える~(vol.1)


「ヒアルロン酸」「セラミド」「コラーゲン」、最近では「ヒト幹細胞培養エキス」など・・・

化粧品の広告や口コミには、魅力的な成分の名前がたくさん並んでいます。ですが、その全てが、これをお読みの「貴方」のお肌に必要かというと、そうとも限りません。
せっかくお金を払って化粧品を買うなら、それぞれの成分がどのような効能を持っているか、また、本当に自分に必要な成分は何なのかをきちんと理解したいですよね。

”ヒアルロン酸・セラミド・コラーゲン・・・・”
それ、「肌のどこで・どうやって」力を発揮するか、ご存じですか?

お肌の構造を知り、成分の特性を知ると、おのずと「どの成分をスキンケアに取り入れるべきか」というのが見えてきます。私たち消費者には、無限に化粧品の選択肢があるからこそ、正しい知識を得て、自分で化粧品を判断していくことが大切だと思っています。

というわけで今回は、(少し長くなりそうですので2本の記事に分けて)、「お肌の構造」や、「スキンケアに取り入れるべき成分」についてのお話をしていきたいと思っています。どうぞお付き合いください。


序章. 肌表面の構造について


化粧品のお話をする前に、まず私たちのお肌の構造について話をします。

人間の肌で、外界に晒されているのはたった0.2mmの表皮で、更にその最も外側の0.02mmとものすごく薄い層を角層と呼びます。そして更に角層は、皮脂膜に覆われています。

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・皮脂膜=皮脂・汗
・角層=表皮細胞・水分・細胞間脂質・天然保湿因子(NMF)

この二つが、肌を外界から守り、外敵の侵入を防いでくれています。つまり、どんなに優秀な化粧品でも、角層と言う天然のバリアを突破してその奥に到達することはできません。(また化粧品である以上、「角層までしか浸透してはいけない」と言うことも、法律で決まっています。)

肌の本来の機能は「外敵を侵入させないこと」
=化粧品もそう簡単には肌に入り込めない!

つまり、理論上、化粧品として肌に塗るべきなのは、
「①皮脂膜や角層にもともとある成分」
「②皮脂膜や角層に塗ることで何らかのパワーを発揮する成分」
であるということが言えます。

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ではここからは、お肌の構造をもとに、私達がよく見る化粧品の"美容成分"が、果たしてお肌にどんな効果をもたらすのかについて、見ていきたいと思います。


1. 水


お肌の潤いに欠かせない、水。ですから、スキンケアでは水を補給することが非常に大切です。
「・・・いきなりつまらない話!」と思ったかもしれませんが、水の重要性を理解せずにスキンケアは語れません。というのも、角層の中には20~30%の水分がたっぷりとある状態が望ましいと言われているからです。

ここでちょっと現実的&衝撃的な話をしますが、多くの化粧品は、水が主成分です。化粧水であれば、水とそれに近い成分だけで、90%程になることもあります。ですから、私達が化粧品でお肌を潤している行為は、乱暴に言えば「角層に水をつけている行為」ともいえるわけです。

しかも、0.02mmしかない薄~い角層の、そのうち30%が潤えばいいわけです。なので、「大量に水分を入れまくることに、本当に意味があるのか?」も考えなければいけませんよね。スキンケアをしなくてもお肌トラブルがない人だっているわけで、極論を言えば、洗顔で水道水を使っている時点で、角層に水をつけることが出来ているわけです。

もちろん、「しっかりと保湿すること」はスキンケアの中で一番と言っていいほど重要な事ではありますが、バリア機能の弱った肌には、保湿のし過ぎも負担になる事もあります。たっぷりと化粧水をつけ、毎日のようにシートパックを使い続ける事が、万人にとってベストな方法とは限りません。ですから、自分に合った、「適切な量の水分」を取り入れることが大切だと思っています。

「あなたに必要な水分量=0.02mmの角層をしっかり潤す水分量」

 

2. あぶら(油、脂)


またまた当たり前のことを言いますが、あぶらも非常に大切な成分です。
先ほど、「肌を保護する皮脂膜は、皮脂と汗でできている」と言いました。ですから、皮脂と同じような働きをしてくれる"あぶら"は、自前の皮脂膜を補強する成分として、非常に大切なんです。
ですから、クリームや乳液には、さまざまな「あぶら」が入っていることが多いです。ミネラルオイル・ワセリン・植物油脂・エステルなどがそれにあたります。

あぶらはどうしても「取り去るべきもの」と思われがちですが、肌のバリアを補強するために非常に重要なものなので、それぞれのお肌に合わせた適量のあぶらを補給することが大切です。

自分の"あぶら"は超大事。取り去らず、必要に応じて補おう。


3. 天然保湿因子(NMF)


角質には、天然保湿因子(NMF)と呼ばれる、私達の体の中で作られる保湿成分があります。
NMFは、40%がアミノ酸で出来ており、その他にも、乳酸Naや尿素などで出来ています。つまり、アミノ酸などを肌に補給する事は、天然保湿因子を補給していることになりますよね。ですから、アミノ酸入りの化粧水やクリームは、すごく理に適っていると言えるわけです。

アミノ酸がたくさん入っているスキンケアアイテムについても、今後noteで紹介したいと思っていますので、気長にお待ちいただければと思います。

"疑似NMF(=アミノ酸)”をスキンケアで取り入れよう!


4. セラミド


保湿成分として有名なセラミド。セラミドとは、角層内にある細胞間脂質の40%程度を占めている、私達がもともと持っている保水成分です。しかし、セラミドは年齢とともに減少していき、少なくなると角層の乱れや水分保持力の低下につながります。ですから、セラミドをスキンケアで補給することも、理に適っていると言えるわけです。

世の中にはセラミド配合を謳った化粧品はたくさんありますが、だからと言って、その全てに大きな効果が期待できるかはわかりません。というのも、セラミドにはいろんな種類があるし、化粧品ごとにその種類や配合量もバラバラだからです。

「どうせ取るなら、良質なセラミドをたくさん取りたい。」そこを見抜くのは、私達消費者のお仕事です。”私的・おすすめセラミド化粧品”についても、今後noteでたくさんご紹介していきたいと思っています。

「セラミド配合コスメです!」・・・それ、本当に効果ある?
どうせ取るなら、意味あるものを。


5. ビタミンC


ビタミンCも人気の成分ですね。シミの予防や毛穴の改善など、万能な成分だと言われており、たくさんの化粧品に配合されています。
ビタミンCは、アミノ酸やセラミドのように我々の肌に存在する物質ではありませんが、強力な「還元作用」があり、色素沈着の改善が期待できます。もちろん、角層に届けば、角層の色素沈着を改善できるので、ビタミンCをスキンケアに取り入れることも、理にかなっているということが言えると思います。

ただし、一概に「ビタミンC」と言ってもその種類は様々で、純粋なビタミンCや、ビタミンC誘導体など、たくさんの種類があり、その全てにメリットとデメリットがあります。
ですので、私たちがビタミンC化粧品を使うときは、「どんな効果を期待して、どのビタミンCを使うのか」、というのを正しく認識する必要があります。ビタミンCは本当に奥が深いので、このnoteでも別の記事で詳しくご紹介していきたいと思っています。

ビタミンCは確かに凄い!だけど、いろ~んな種類があるから、しっかり理解して選ぼう


6. 最後に


今回は、お肌の構造や、スキンケアによく使われる代表的な成分をいくつかご紹介してきました。次回のvol.2でも、その他の成分についてご紹介していきますので、是非引き続きお読みください。


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