ほんのひきだしCP・リザルトの本とF・フィッツジェラルドの本

その心はオレこそが本のグレート・ギャツビーでしょう!!!!!!!!!!!!!!!!!
 リザルトの話に入る前にスコットの話をしようと思います。
 とはいえF・スコット・フィッツジェラルドについて知っていることは本当に少なく、その中でも知っているのは誕生日や没日、そして代表作の『グレート・ギャツビー』程度のもの。ご本人自体がイケイケのイケメンで生き様の盛衰がまさにジェイ・ギャツビーと重なって血肉たらしめる作品になったということや、直近で映画化された主人公の俳優はレオナルド・ディカプリオ。
 彼の筆名はそのまま本名だと思っていたら、本名は「フランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド」であることは最近ようやく知りました。今日がフィッツジェラルドの命日であることも。
 彼の代表作『グレート・ギャツビー』を読んだのはもう十年以上前で、今よりもっと現実に興味が薄く、モダニズムが興味の対極にあった頃なので、記憶はほとんどない。ただ虚しかったなあという感覚が、真っ暗な夜空に相反した電飾の目障りな煌びやかさという心象的な色彩として残っているだけ。こんな現実生きてるのになんで本の世界でまで現実読まないといけないんだ……と虚無る気持ちは今もありますが、昔と今では許容値と比率が少し変わったので今の方が楽しく読めるのではないか? と、ほとんど初読状態で再読を始めました。前より楽しめるものが増えたとはいえ、海外文学といえばルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』の甘口カレーを美味い! 美味い! し続けているところにCoCo壱の10辛食べるようなものだなあ ふぃつを


リザルトの話です。

ほしい本はたくさんあるけど今回はあんまり買えないかもしれないな〜と思っていたら手元にしおりが22枚ありました。



 今回買えた本たちのリザルトと選んだ理由等を備忘録します。
 事前に厳選したり本屋を回遊して記憶を失った結果の精鋭揃いなので全部おすすめしたい。

追い本棚しないと入らん

 今回のリザルトはこれ!!!!!
 左上から順不同にいきます
 

『月』ブリジット・ビュラール=コルドー

ちいさなてのひら事典シリーズ
グラフィック社

 とにかくこの天金加工!! あと文庫サイズながらハードカバーで溝つき丸背の装丁!!!!!天、小口、地、この世全ての箔押しを愛しています。触るとほんのちょっとだけ指先がきらきらになるけどページが固いので落ちる心配しなくていい。ありがとう。かわいい。全ページフルカラーで片ページにクロモカード、片ページに文章の構えを取っているので絵本みたいに楽しめる。お前その顔嘘やろ? みたいな顔をした月がいるのでぜひ読んで嘘やろ? になってほしい。 内容も、装丁の可愛さ等見た目のジャンル的にスピリチュアルやファンタジー系に依るかなと思っていたらしっかり科学系の情報等ちょっとした歴史の系譜も載っていて幅広さに感動しました。監修がJAXAの月探査に何度も参加した地質鉱物系学者の方だったので納得〜! 当たり前だけど文庫本カバーは表紙がムキムキの恵体で無理だったけどガチガチのバキバキでハードカバーなので文庫ポーチとかに入れてそのまま持ち歩きたいですね。 ちいさなてのひら事典シリーズは他にも占星術、おとぎ話、魔女、天使、きのこ、マリーアントワネット、猫……等なんで? となるふしぎだけどわかる……にもなるラインナップなので今後揃えたくなってしまっている。

『山頭火句集』種田山頭火
『放哉全句集』尾崎放哉

ちくま文庫

 アップの画像しかないけどこれは編者が同じ事がデカいので正しい。
 先んじて山頭火句集の編集を担当した村上護さんがその仕事をした結果の縁で放哉句集も編する事になったのだろうとご本人も書いておられる。一読者からしても自由律俳句の野道を分け入った放浪俳人の二人を同人が編集すること、オタクになるような人間はそういうの大好きなので大盛り上がりです……。レイアウトというか全体の構成に似た部分はありつつ違う部分もいくつもあって……。
 見比べが楽しい!!!!!
 同じ編者の醍醐味やこんなん。山頭火の方は小崎侃の版画が見開きカラーで収録されているので豪華。私は版画の視覚情報に句の静かさを感じたい欲求を邪魔されることもなく絵本みたいなのが好きで楽しめました。山頭火に対して明るい日陰のイメージがあるからと、対して陰の中の陰である放哉(個人のイメージ)の方の本が静を担っているのでなんか分業みたいな……。
 村上護さんの解説も50ページ超え等気合いが入っているので大満足になれます。

『銀河の片隅で科学夜話』全卓樹

物理学者が語る、すばらしく不思議で美しい この世界の小さな驚異
朝日出版社

 表紙から、題名から、目次から、中身まで。
 全部刺さりました。引力がブラックホールみたい。求めてた本でした。隣に続編もあって嬉しかったな。
 詩であり科学であることは結晶すると信じていた心が救われて救われて、あの あの〜〜〜! 気を抜くと感情になるか泣き声しか出なくなってしまう。装丁も本当に素敵ですね。ロマンチックな設計。
 第一章『海辺の永遠』という章題を見た瞬間にもう信じました。内容も、著者自体が物理畑の学者という確かな知識の上に銀河への叙情を湛えて詩の宇宙を創り出した本がこれです。
 宇宙が好きで量子力学の端っこを一生懸命齧っている人間にとってこの本の価値は大きい。ただただ勉強するだけでも勿論自分の中に詩情は生えて編まれていくけども、「未知の豊かな詩に浸るような夢遊を伴って学べるなら」という想いを叶えてくれる本に今まで出会った事がなかった。私の中の理想を満たす本とかそんなん自分で出した方が早いやろ笑 なのは自覚しているので、その理想の完璧な一側面を満たしたこの本の表紙から、題名から、目次から、中身まで。全てが具象の本として手に取れたことに、本を開くたび夢心地になる。たぶん夢を見てる。
 何を述べればいいかわからんくなってきたのですが、最近は毎晩月の形のナイトライトを枕辺で灯して読みながら眠りに入っています。

『じっくり観察 特徴がわかるコケ図鑑』大石善隆

ナツメ社

 何を置いてもまず著者が「コケの魅力を広めるだけではコケの乱獲に寄与してしまうのでは無いかという不安があったが、こうしてコケについて広める事で乱獲を防ぐ事もできるのではないか」と述べている事も購入に至った理由の大きな一つです。
 オレぁよお! ずっとしっかり勉強できるコケの図鑑が欲しかってよお!! と探して辿り着いたこの図鑑は当然コケ図鑑界隈でもベストセラーというか一番売れているのではないかな。名前、植生条件、分布地のみならずサイズ感のスケールや名前の由来、各部位のアップと説明、文化や環境との関係など植物学の中の各分野にそれぞれ触れながら網羅しつつ進んでいきます。すごい。
 この一冊があれば! という本としてこんなに頼もしいことはないんじゃないか? という感じなのに持ち歩けないほど分厚くも重くもない。ヒルガードの心理学の10分の1もないのでは? ヒルガードの心理学持ったことないけどな!(どっ)
 索引もあります。すごい。


 さくさく書いていくつもりが、ぜんぜん、終わんなくない? WOW WOW
 あとスマホで書いていると2000文字超えたあたりからほんっまに重くなってきてあかん(もうマークダウン使わずにメモで全部書いてぶちこむだけにした方がよい)なのでPC以外で書くの向いてない説があります。
 はじめに貼った通り折り返しですらないので一旦持ち帰って加筆するか後編書くか検討を加速します。

でも今日は『グレート・ギャツビー』を読みながら寝ようかな。ニックの寝物語重いなあとか思いながら。

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