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「太陽電池のメカニズム未解明な世界へ挑みます」研究室紹介 Vol.1

名古屋大学大学院1年生の道下君に研究についてインタビューをしました。


「ヘテロ構造はメカニズムが未解明な世界」

<研究テーマ>
「原子層堆積法で作製したTiOx/結晶Siヘテロ構造の界面状態に関する研究」
 ※TiOx(酸化チタン)、結晶Si(単結晶シリコン)

研究対象としている酸化チタンを使った太陽電池は、安価で高効率な性能が期待されており、普及することで社会貢献ができると考えられています。

TiOx/結晶Siヘテロ構造の界面状態

TiOx/結晶Siを用いた構造は、フォーミングガスアニールと言われる熱処理や水素プラズマ処理を行うことで性能が大きく向上することが知られています。
しかし、そのメカニズムが未解明であるという課題があります。この課題に対して、実験データを集めてパラメータによる性能向上を解析しメカニズム解明に取り組んでいます。

「分子動力学シミュレーションで未知の界面状態を解明したい」

今後の方向性として、分子挙動を視覚的に把握できる「分子動力学シミュレーション」を導入しようと考えています。
なぜなら、TiOxは超薄膜で実験での界面観察がほぼ不可能で、結合状態や電荷状態が確認できずにいます。

このシミュレーション手法を導入することで、熱処理や水素プラズマ処理前後で界面にどのような変化が起きているか観察することができ、結合状態や電荷影響の解析により性能向上のメカニズムが解明できると考えています。

「研究室は学会や仲間の交流を通して多々刺激を受ける環境」

研究室では周りから多くの刺激を受けています。
研究の取り組み方や知識量の多さには驚くことが多く、研究室での交流を通して学べる事が多い環境だと感じています。
また私の研究室では国際学会へ参加する学生が多く、研究成果が出せそうになれば積極的に学会へ参加するようにしています。
学会での学びは、先輩や同級生と相談しながら研究方針や新しい実験アプローチの参考にし、日々研究に取り組んでいます。


<学会実績>
2023年6月 第20回次世代の太陽光発電シンポジウム(京都)
2023年11月 PVSEC-34(中国)

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