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🇫🇮 等身大のフィンランドvol.6


フィンランドも猛暑


夏真っ盛りのフィンランドでは、つい先日まで、例年になく暑い日が続いていたそうです。少し大袈裟なのではないかと疑いながら天気予報を調べてみたところ、えらいこっちゃ!連日の真夏日でした。フィンランド最北端にあるラップランドのウツヨキでは今月5日に 33.5度 まで気温が上昇して、1914年以来最も暑い1日を記録したそうです。

幸いなことに、友人たちの多くが自宅に扇風機やクーラーを持っていることを、やはり数年前にヨーロッパを熱波が襲ったときに確認済みではありましたが、暑さに対する耐久性はわたしたちのそれとは比較できないように思うので、体調を崩さないかが心配です。既に肌寒さを感じる場面もあるそうだから、きっと暑さの峠は超えたのでしょうけれど。今年の夏は暑中見舞いを出そうと決めました。誰かに気にかけてもらえるのは、きっと嬉しいことだから。



夏の日差しを前に心を弾ませているのは植物だって。こんなに暑いのは想定外かもしれないけれど、花開き、実をつけ、同じ時代を生きています。

タチアオイやスイカズラが彩る夏の庭


夏の庭

わたしが Instagram をフォローしているソイラさんの庭には、彩り豊かな草花が溢れています。下から順に花開き、てっぺんまで咲いたら夏の到来を告げるタチアオイ(立葵)はそのまっすぐに伸びる姿から名づけられました。フィンランド語では、salkoruusuというそうです。salkoは棒や杖という意味なので、直訳すると棒薔薇、英名のhollyhockよりもニュアンスは日本語に近いように思います。ソイラさんが育てるタチアオイは、日本で見かけるそれよりも花びらが大きい印象です。

同じく、見頃を迎えているのがスイカズラ(忍冬 / Köynnöskuusama)です。長く伸びた蔓が特徴的で、2019年にはじめて花をつけたそう。今年も豊かな芳香を放っています。

コブシの秘密


ソイラさんの庭に佇むそれがコブシ(辛夷・拳 / Japaninmagnolia)だとすぐにわかったのは、朝の散歩に通っている公園で見つけて気になりひと足先に調べていたからでした。ヒトの拳のようなかたちをした実を見ると、季節柄、枝豆を連想してしまいます。一つのさやにぎゅうぎゅうに豆を詰め込んだらきっとこんな形だと思うんです。ソイラさんが育てているコブシにも、一つの房に12個の実がなりました。彼女の投稿には、一見ぎょっとするコブシの形状をモンスターに喩えるコメントもついています。フィンランドの人たちには見慣れないのかもしれませんね。赤く色づいてますます妖艶さを増したコブシの実から弾け出る種は、とても可愛いハートの形をしています。それはまるで秋のギフト。そのことを今はまだ秘密にしておきます。

メレンゲの雲が浮かぶブリタカック

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フィンランドでは、スクエア型のアイスクリームやケーキをよく見かけます。そういえば、ムーミンママのパンケーキも四角くて平べったいですよね。ロシアの国境近く、フィンランド最大の湖・サイマー湖がある、ラッペーンランタに暮らすミーアさんがカハヴィタウコ(アイスコーヒーver.)に添えるのは、夏のご馳走・Britakakku、直訳すると英国ケーキです。薄く焼いたスポンジの上には、夏の空に浮かぶ雲に見立てた甘くてサクサクのメレンゲをのせて、ふわふわのクリームをサンド。トップには新鮮なイチゴを飾ります。フィンランドの大手スーパーマーケット、K-ruokaが提供するレシピによれば、レモンペーストを組み合わせると最強の組み合わせになるのだとか。フィンランドのニュースでは、このところの暑さが例年よりも苺の成長を早めていると聞きます。 

恵みの雨

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滝のような雨をバックに動画を撮ったマルヤさん。その声はほとんど雨音で掻き消えてしまうほど、いわゆるゲリラ豪雨でした。あとになって話を聞くと、マルヤさんが暮らすコウヴォラでは、最後にきちんと雨が降ったのは6月下旬のユハンヌス(ミッドサマー)の前。彼女は、自然が暑さと干ばつで苦しんでいることを心配していたのでした。雨が降って本当に良かったと話します。少しリラックスした表情で雨に打たれていたのは、そういうことだったんですね。北欧のような北極圏に近い国に暮らしていると、日本以上に地球温暖化の影響を実感しやすいのかもしれません。

日本は今日も暑い!

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