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📝 わたしたちはインスタフレンズ

途方に暮れるほどの長い道のりも、気心の知れた仲間と一緒の旅路ではあっという間、といわれます。わたしにとっては語学の旅で、SNSで出会ったたくさんの仲間たちが、疲れたときは一緒に立ち止まって、景色を眺める時間を共有してくれました。

フィンランド語で簡単な作文ができるようになった頃、わたしは、Instagramに毎日日記を投稿するようになりました。

✉ 4月15日木曜日、東京からおはようございます。こちらの天気は晴れで、最低気温は8度、最高気温は20度です。昨日の夜は雨が降りました。みなさんよい1日を!

通勤途中の電車から、毎日、朝の挨拶を届けることがルーティンワークになり始めた頃、ぽつりぽつりとコメントが入るようになりました。

✉ フィンランドの北部サンタクロースの町からこんばんは。こちらは夜の23時で気温はー8度。サウナから上がってこれからベッドに向かいます。よい1日をお過ごしください、お休みなさい。

✉ ヘルシンキからこんばんは!東京はもうそんなに暖かいのですね、こちらはきょうもまた雪が降って、まだまだ氷点下です。楽しい1日になりますように!

職場までは電車を乗り継いで往復4時間以上かかるのですが、届いたコメントを読んで返事を書いていると、時間が過ぎるのがあっという間でした。

大きな転機になったのは、コウヴォラの新聞社に勤務していた友人のマルヨさんがわたしのことを記事にしてくださったことです。日曜日の紙面にオールカラーで見開き4ページの特集を組んでくれたのです。

取材を受けていたので記事が出ることは知っていましたが、それほどのボリュームとはつゆ知らず、ある日いきなりInstagramに数十件を超える着信が届いたので驚きました。そしてわたしを最も驚かせたのが、その全てが、日本でフィンランド語を学習しているわたしの語学学習を応援するメッセージだったことです。

新聞に取りあげていただいたことがきっかけで、東京を一緒に旅行したり、フィンランドのご自宅に遊びに行ったり、プレゼントを贈りあったり、いまでも交流が続いています。

あるとき、SNSのコメント欄で、フォロワーさん同士が「あなたも知り合いなの?彼女はわたしのインスタフレンドなの!」とやりとりをされていました。お互いへの好奇心を少しずつ大切に育てたら友情が芽生えました。彼女たちはわたしの語学学習を伴走してくれる心強い仲間、インスタフレンズです。

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