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セビーリャ

アルベニス 《スペイン組曲》
第3番〈セビーリャ〉Op.47-3


リモートワークの時に聴くBGMで
お気に入りの曲を探していて
RakutenMusicクラシック・ピアノ-ベスト100
というアルバムの中に収められていた
この曲にどハマり中。

序盤の爽やかで陽気で軽やかなメロディーは、
よく晴れたアンダルシアの空を連想させる。
(行ったことないけど)
主旋律に時折含まれる三連符は
踊り子のカスタネットの様にも聴こえる。
リズムは4分の3拍子だけど、
左手はポロネーズの様な堂々としたベース、
右手は主旋律の間に8分の6拍子とも取れる
調子の良い合いの手が入っていて、
まるでフラメンコの伴奏者がノリノリで
ギターを掻き鳴らしているみたいだ。
スペイン音楽らしい独特の転調で
ほんの少し哀愁を帯びたかと思えば
軽やかに歌い上げてまた陽気に戻る
情緒豊かなグルーヴ感が癖になる。

もともとフラメンコやタンゴなどの
ラテン音楽のリズムやエキゾチックな旋律は
嫌いではなかったけど、
こんなにもスペイン情緒溢れる傑作が
ギターでもオーケストラでもなく
ピアノ曲に存在していたというのが驚いた。

この曲にはもともと〈セビリャーナス〉という
タイトルが付いていたらしい。

セビリャーナスは、セビリアの春祭りなどの
祝賀行事で踊られる伝統舞踊で、
ジプシーの郷愁や悲哀を表すフラメンコとは
また違って
、喜びに満ちた明るい曲調なのが
特徴らしい。
けれど、YouTubeでセビリャーナスを見ても
どれも何だか違うテンポで不思議な感じ。

譜面が気になり過ぎて、
思わず楽天ブックス楽譜を買ってしまった。
(勢いだけで楽譜を買うPart2)
届いた楽譜を見てビックリ。
会社の昼休みにいつも視聴させて頂いている
YouTubeのピアニスト上原由記音さん
この楽譜を編纂されているご本人だったのだ。

セビーリャについての上原さんの解説によると、

ただし、実際に踊りとは小節数もテンポも異なり、この曲に合わせて踊ることはできません。アルベニスはこの作品に限らず、オリジナルの民族音楽を用いることはほとんどなく、そこから得た霊感をもとにして独創の作品を書く作曲家でした。

どうりで、フラメンコでもなく
セビリャーナスでもなく不思議な曲な訳だ。
けれど、凡人が聴いてもどことなく
スペインを感じさせる何とも魅力的な曲だ。

早速実際に弾いてみたけれど、
序盤でいきなり右手でも左手でも届かない
謎の音符が多数登場してきて早くも挫折。
でもこの曲を弾ける様になったら
絶対に気持ち良いと思うんだよなぁ。
ココナラでこの曲だけ教えてくれる
先生を探そうかなぁ。

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