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アニメ未視聴の音楽好きアラサーが『結束バンド』を聴いてみた

お疲れ様です。
転職して三か月、新しい職場にもそこそこ慣れ落ち着いてきたので更新頻度を少しずつ戻したい。


遅ればせながら、聴きました。『結束バンド』
ぼっち・ざ・ろっく!話題になってるのは知ってたんですよ。
アニメにもともと知ってる声優さんが出てたり、いろんな人(アニメファン以外のリスナーも)が昨年のアルバムベストにこれを入れてたりしたのは見てたので。
また、流行ってる理由としてどうやら「あの頃」のロキノン(特にアジカン)リスペクトが強いとのことで。

そんなに良いなら単曲ずつじゃなくて腰を据えて、
ということでアルバム出るのを待ちサブスクではなくちゃんとした音源でまとまった時間を取って聴こうと思ったら気付いたら2月も終わりになってました。
ということで備忘録までにアルバムを聴いた感想を。

ちなみに、アニメ自体はまだ未視聴です。
なのでそちらの文脈はほぼ存じ上げないうえでの感想なのでご承知を。

なお、内容は先日Twitterに載せたやつの再構成なので何卒。


M1:「青春コンプレックス」

(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)

調べる限りどうやらこれがOPらしい、なるほどこういう感じ。
それが売りの作品なので当然っちゃ当然ですがバンドの生感強くて良いですね。ベースのグルーヴ感、こんな高校生がいてたまるか。ストレイテナーのひなっちを聴いてて想起しました。そして露骨にギター2本がPAN振りされてるのおもろい。
詞は陰を纏いつつも初期衝動とともに前に進んでる感じで、メロとの親和性も高いですね。
とても聴きやすくてリピートしたくなるギターロック。ただいろんな意味を含んで「良質のアニソン」という感想。

クレジット見てドラムが元sfpの比田井さん、ギターがla la larksの三井さんというのもこんな記事を書いてる自分の心をくすぐる案件。

あとこれは他の方の感想を漁って気付いたのですが、サビ終わりの「大暴走獰猛な鼓動」「超奔放凶暴な本性」のライムがアジカンよろしくリライトの「クダラナッチョッゲンソー!ワスラナッソンザインカンオー!」リスペクトというのを見てめちゃくちゃ腑に落ちました。


M2:「ひとりぼっち東京」

(好き度:☆☆☆☆☆)

世界観がメジャーからインディーズに変わった。
良い意味でシンプル、ソリッド。悪く言うとちょっと荒いサウンドは確かにゼロ年代のロキノン感、あるいは2010年代のボーカロイド感もあるのかも知れないと思いました。
バンドって東京をタイトルにした曲作りがちよね〜、あとサビ前のヘッドピーンすきです。

M3:「Distortion!!」

(好き度:☆☆☆☆☆☆☆)

KANA-BOON谷口鮪さん作曲のED曲。KANA-BOONが持つポップネスや押韻センスなどはアニソンと親和性高いですね。なんならこの曲ちょいアレンジ変えたらラブライブとかにあっても違和感ないかと。

KANA-BOONって個人的には10年代中盤の四つ打ちロック、第何次とも知らぬフェスブームの真っただ中にいたバンドのイメージなのでここから参照してきたのは意外というか。アニメ楽曲としてのキャッチーさをOPEDで担保して、その他楽曲で遊ぶ方向なのかな。


M4:「ひみつ基地」

(好き度:☆☆☆☆☆☆☆)

清々しいストレートなポップロックですね。シュガーソング以前のユニゾンみを感じます。キーがEの曲はだいたい好きな当アカウントです。
「夜更かしお寝坊 だめ♡ゼッタイ」は間違いなくこのアルバムのハイライトですね。

M5:「ギターと孤独と蒼い惑星」

(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)

いいですね!
初聴時、今までの4曲についてめちゃ良いけど「良いアニソンだな~」ぐらいな感じだったのがこの曲で背筋が伸びました。調べたらアニメでもトップクラスの人気曲なんですね。

引きが強い焦燥感のあるアップチューン。タイトル含めて楽曲に纏わりつく厨二感がよいです。ロキノンバンドとか特に理由もなく星とか宇宙について死ぬほど歌ってますからね。加えてギターリフやBメロとかにワンオク的なメロコア要素もありでついでにLiSAとかもごった煮にした感じ。

あとギターの弦はエリクサー派なんですね。


M6:「ラブソングが歌えない」

(好き度:☆☆☆☆☆☆)

真っ向勝負のロックチューン。
かと思いきや2番前のキメは結構プログレっぽいアプローチで面白い。
この曲があることで、本作がアニソン集ではなくロックアルバムであることの説得力を強めていますね。

個人的に、iphone音源ヘッドホンとかじゃなくWALKMANwithイヤホンとかで聴いたときにめっちゃ評価が上がった曲です。


M7:「あのバンド」

(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)

前2曲とこちらで自分はこのアルバムが間違いなくロックであること、そして現在のような形で話題になっている意味を納得させられました。
いや、完全にアプローチが残響レコードとかのオルタナなんですよね…
例を挙げると9mm Parabellum Bulletやcinema staff。前者のリズム隊と後者の上モノが合わさったサウンドですよこれ。
あえてキャッチーに寄らない余韻を残させる感じのメロも残響のソレというか、1番で方向性を理解してからの2サビ前コーラスからのサビはテンション上がって変な笑みがこぼれてきました。荒ぶるチョーキングがもうね。
詞も絶妙に陰キャ高校生がみんな考えてそうな感じで良いです。


M8:「カラカラ」

(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

前曲までが一つの流れで駆け抜けてきて、ここからカラーが変わって後半戦という感じ。
ボーカル変わるんかい!ってびっくりしました。ウィスパー気味だけど芯が強い声質で全然こっちがメインでも張れるじゃんと。

このアルバムで一、二を争うくらい好きですねこの曲。
ボーカルや曲調もそうですがサウンドのアプローチ全体が前曲までから変わってるというか、空間系ぽい音作りになりましたね。
レビューを見たらtricot感が強いとのことでしたが、イッキュウさん作なんですね。自分はそこまでtricotに詳しくないんですが(有名なやつ何曲か知ってる程度)、A~Bメロの抜け感がどちらかというとねごととかに近いかなと。変拍子やサビのビート刻む感じがtricotみなのかな。


M9:「小さな海」

(好き度:☆☆☆☆☆☆)

これは…確かにおっしゃる通りアジカンですね…。

アップチューンが続くなかでやっと落ち着いたの来た。と思ったらまたアップになった。でも熱量上がりすぎない感じで程よい。

強烈なアジカンリスペクトをかましているらしいこの作品ですが、アルバムを通してはこの曲が一番アジカンみを感じました。構成、詞とメロの接続がソラニンとかあの辺りの感じ。最近でいうと出町柳パラレルユニバースとかも。


M10:「なにが悪い」

(好き度:☆☆☆☆☆☆)

いきなりラブコメアニメになった!そしてまたボーカル変わった。
ボーカルが強く引き立つタイプのミディアムポップです。

SCANDAL(MAMIボーカル)とサイサイとペギーズを足して割った感するなとおもったら北澤ゆうほさん作だ。

強いて言うならだけどこの曲だけ高音域が食い合ってジャリジャリしてる感じのMIXが気になる。自分の視聴環境が悪いのか。


M11:「忘れてやらない」

(好き度:☆☆☆☆☆☆☆)

M1の姉妹曲のようなポップロックなのだけど、それよりはアプローチが無骨なド直球ガールズロック。SHISHAMOとかに近い。
ベースが良い意味で基本に忠実というか、ギターを輝かせるための下支えをやってる。そしてそのリードギター難易度が激ムズ。


M12:「星座になれたら」

(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)

まとめて音源聴いた今まであえて結束バンド関連の話題は追わずにいたのだけど、この楽曲についてはネットで話題が散見された気がする。

スラップベースとファンキーなカッティングが織りなすダンスロック。the band apartの日本語詞曲に音作りが近いですね。そこにポップなメロが乗って万人受けしやすい曲になってますね。

そして詞がアジカン要素やらバンプ要素やらでロキノンさんたちだいしゅうごうだわいわい、って感じですね。タイトルはミスチル感ですが。
これ、「星座=星=スター」、「スターになったら」ってことなんですかね。


M13:「フラッシュバッカー」

(好き度:☆☆☆☆☆☆☆)

前曲でEDっぽい大団円を迎えたと思いきや、歪みまくりのギターとそれに負けないハードなリズム隊。この締めはびっくりしました。冒頭の流れからはとても想像つかない。
既存バンドだとリーガルリリーとかが得意としてそうなロックバラード。


M14:「転がる岩、君に朝が降る」

(好き度:☆☆☆☆☆)

よっぴーやんけ!(WUG亡霊)
アジカンでこの曲セレクトなのがよいですね~、ロックがロールしてます。 いやまあアニメ内容知らんのでアジカンの曲だ、という感想しかないんですが。アニメ勢からしてこの曲の配置は本編ラストなのかボーナストラックなのかが気になります。


総合

(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)

外れなし、良質のポップロックアルバムでした。
そして、「今これが受けるんだ…」とびっくりしている点も。
めちゃくちゃ斬新な楽曲というわけでも、バズるような突出したキャッチーでもない、アラサーの当アカウントからするとただただ懐かしみのあるサウンド。

全体を通して、EDMをはじめとする今の流行りから離れたゼロ年代ロキノンリスペクトが強い作品だなと思いました。言ってしまえば今ではダサいとされちゃうギターロックがここまで受け入れられてるのは素直に嬉しい。

あとこれはいろんな方の感想を見て気付かされたのですが、
M1でも書いた各楽器の音がよく聴こえるPAN振り、このインディ感も当時のバンド界隈リスペクトではないかとの評を見て目から鱗でした。そこまで意図したクリエイトなのだとしたらお見事。


もし第二弾があるとしたら、M7「あのバンド」みたいな残響系のソリッドなロックをもっと聴きたい。今の路線のままもっとコアなとこ潜ってほしい。
そして、M8「カラカラ」を歌った水野朔さんの出番が少ないのは本当にもったいない。勿論今回メインを張った長谷川さんのボーカルは癖がなく綺麗で素晴らしかったのですが、もっと水野さんのコーラスや二人のユニゾンが聴けたら嬉しいなと。



『結束バンド』、噂に違わぬ名盤でした。

アニメの方も楽曲を聴いて興味持ったのでどこかのタイミングでぜひ見たいですね、そしたらこのアルバムもまた印象変わるかな。

それでは、また次の記事で。

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