よみがえれ!あの頃読んだ絵本たちよ

すずバーバは、絵本が大好きです。バーバの子供達も大好きでした。
 
就寝時、バーバはよく絵本を読んでやりました。
好きな絵本は、何回も何回も繰り返し読むので、読んでいるバーバも聞いている子供達も、文章を覚えてしまうほどでした。
 
「チロヌップのきつね」(たかはしひろゆき作・金の星社)のようにかわいそうで悲しい絵本に出会うと、バーバは字をたどっているうちに胸が詰まり、涙がこみ上げてきて、声を出して読めなくなってしまいます。
 
さあ、今か今かと、お布団の中でじっと耳をすまして待っていた子供達は、まだ何にも始まっていないのに涙でグチャグチャになっているバーバを不思議そうな顔で見つめます。
そんなときは、バーバもなんだかてれくさく、気を取り直し、よけい大きな声で読んだものです。
 
さて、そんな大好きな絵本達、そう簡単に捨てるわけにはいきません。読まなくなった絵本は、箱に詰め、今度生まれてくる孫たちのためにと、大切に片付けておいたはずでした。

しかし25年ぶりに箱からでてきた絵本は、埃にまみれ、シミやカビで汚れていたのです。これらの絵本は、ロングランもので、今でも本屋にしっかりと並んでいます。
でも、すずバーバとしては、子供達が大好きだったこの本を、孫達にも読んであげたいと思っていたのです。
 
そこで、古くなった絵本を復活させる良い方法がないか、図書館に問い合わせたり、母に相談したりしました。
 「よく晴れた日、日光に当て一冊一冊を丁寧に手入れする。それが、一番いい方法だと思う。」それが答えでした。
 
それにしても、古い絵本は、見るからに汚れていました。
バーバには、「このような本を小さな孫達に与え、病気にでもなったらどうしよう」という心配もありました。
しかし、なんとかして次の世代に届けてやりたい。


 
さあ!すずバーバの出番です。
 
新しい文明が発展を続ける昨今です。この力を借りない手はありません。
 
バーバは、まず、表紙もボロボロで汚れも一番ひどい「しょうぼうじどうしゃ じぷた」(渡辺茂雄作・福音館書店)をB4サイズで表紙から最後までカラーコピーをとることにしました。この本は、息子が大好きだった本、そして孫達にもぜひ読んでほしいと思っていた本だったのです。
 それをB4サイズの厚手の画用紙にていねいに貼り裏に1.5センチの縦線をひいて本の中身を写すことにしたのです。
 
そうです。古い絵本は、紙芝居としてよみがえったのです。
紙芝居ですから、本の中身を写す時は全体を順序よく並べ表の絵柄を確かめながら写さないといけません。
 
こうしてでき上った紙芝居には読み手と聞き手という新たな関係が生まれ、また情景をうまく伝えるために、大きな声で感情豊かに読む必要があり、人数も制限されることなく、大勢で一緒に楽しめます。
 
絵本とは、また違った世界観を持つことができるようになったのです。
 
まずは、孫達を座らせ、おおきな声でしっかりと読んであげましょう。
感情を込めて! 感情を込めて!大きな声でゆっくりと読んであげましょう。
 
 
 
 

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