実は現実を見なくてよかったという話、ソシオニクスから見る幸せの形②、IEI(INFp)
はじめに
まず、以下は全てソシオニクスによる表現になるので、MBTIの心理機能の定義は一度忘れていただきたい。
また、ソシオニクスの各情報要素の定義は専門家によって異なることがあるが、今回も私の独断で性格説明に問題が生じないように適時混ぜて使用している。
⒈IEI(INFp)とは
IEI(INFp)は、ソシオニクスにおいて「詩人」とも呼ばれるが、彼らの特徴は以下のようになる。
Ni(内向的直観):時間感覚を表すとともに、内面世界の一貫性も意味する。IEI(INFp)はこの機能に自信を持っていて、広大かつ精細な心象世界を想像できる。
Ne(外向的直観):抽象情報の処理と外部環境の認識に関わる。IEI(INFp)はこの機能を無視する。つまり、抽象理解が限定的であり、外の世界が厳正に見えていないことがある。
Fe(外向的倫理):感情の表現や把握など、感情倫理の外的利用に関わる。IEI(INFp)はこの機能を創造的に使用する。
Fi(内向的倫理):感情倫理の内的な関係性に関わる。つまり、人間関係の把握、構築に使用されるがIEI(INFp)にとっては規範的、標準的な機能である。これはつまり、倫理的に保守的であり、社会の標準を大きく逸脱することがないということである。
Ti(内向的論理):論理的整合性、理解に関わる。IEI(INFp)にとっては苦手な機能である。その使用は単純化され、応用的には使用されない。
Te(外向的論理):外的な論理性、客観的データやアルゴリズム、判断基準を指す。IEI(INFp)は外部から知識を網羅的に吸収することで自らの弱点に対応する。
Se(外向的感覚):外的状況の把握、影響に関係する。IEI(INFp)は無意識にこの領域に暗示を受ける。つまり、巻き込まれ体質となる。また、外部に影響を与えたいという無意識の欲求がある。
Si(内向的感覚):身体的な感覚、イメージや印象と関わる。IEI(INFp)はこの領域に問題があり、痛みや不快感に耐える傾向がある。また、病気になりやすく、治りにくい。
以上をまとめると、
IEI(INFp)は時間感覚に優れ、自己の内面世界を明確に自覚している一方で、外部世界の認識がやや曖昧となっている。
多彩な感情表現を得意とし、一方で一般的な倫理観に従い人間関係を構築する。
論理的思考の解像度が高いとは言えず、応用も苦手だが、それを埋め合わせるように知識を収集する。
外部状況の変化に受動的で抵抗力が低いが、何かを成し遂げようとする願望がある。
そして、病みやすい。
と、MBTIで言うところのINFPとの一致率が高い。
⒉武器
IEI(INFp)の特徴から考えて、一般のサラリーマン社会における適応力には色々と見解があるかもしれないと言える。
外の世界を必ずしも真っ直ぐ見ておらず、論理と感覚に難があり、器用に立ち回る手段が限られる。
というのは、一般的な物の見方であり、IEI(INFp)の真価を考える意味では正しくない。
あらゆる人間において、生命の進化の観点から不要な人格というのは存在しない。
マイナスに見える部分は全てプラスだと考えるべきである。
まず、Ni(内向的直観)はIEI(INFp)にとって主要兵装、メインウェポンである。
あわせてFe(外向的倫理)を創造的に使いこなすということは、IEI(INFp)は他のどのタイプよりも想像力が豊かであり、かつ、自分自身を知っていて、自己表現に優れる素質があるということである。
また、時間軸の理解と表現にも適性があり、豊富な知識はそれらの表現力を支える要素となり得る。
おそらくは、これこそがIEI(INFp)の使命となる。
⒊適性
つまり、誰よりも繊細で多彩、かつ豊富な感情表現により、自らの内面世界を外部世界に押し付けて侵食する。
IEI(INFp)の本質は柔軟適応ではなく、攻撃的で汚染的な影響力の発揮にある。
感情把握に優れるため空気が読める感じが出ているが、その実、彼らは他人への興味は薄い。
他人に忖度することは、彼らの個性を殺す行為である。
外界を上手に認識できないのであれば、いっそ外野の声は無視した方が早い。
個性の発揮の観点から見れば、IEI(INFp)は自己主張により自分の好むように外の世界を塗り替えるのが正解と言える。
その方法、手段、性質を考えれば、その適性は「クリエイター」にあり、次いで、「ヒーラー」であることが分かる。
一般社会において潤滑油としても機能するが、その特徴を考えれば、ソシオニクスにおいて彼らを「詩人」と呼ぶのは実に的確な表現と言える。
⒋幸福
IEI(INFp)の役割は、進化の観点から見て、人々を癒し、その精神性をアップデートすることにあるのだろう。
彼らの優しい本質にもかかわらず、宇宙の根本原理には競争が含まれている。
IEI(INFp)が世の中のどこに身を置こうとも、その魂は競争によって削られることは覚悟せざるを得ない。
そんな彼らの幸福はどこにあるかと問うのであれば、それは彼らの内面世界の充実にある。
本質的に、彼らIEI(INFp)にとって現実認識はあまり重要ではない。
彼らの心は傷つきやすく、そして、タフである。
全てを乗り越えることで、精神は成熟を迎え、その時幸福の在処が分かる、彼らはそのようにできている。
大器晩成とは彼らIEI(INFp)を指す言葉である。
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