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素人土木ICT#16【3D設計データ作成のコツ#2(3D設計データの種類)】

色々とデータ作成コツ記事の構成を考えたが、面倒くさいので場当たり的に書いていく事にした。

3D設計データ(3次元設計データ)と一口に言っても形態は様々であるが、大別すると

〇TS出来形管理データ
管理測点形状のみで構成された3D設計データ

〇3次元設計データ
管理断面に加えて必要箇所に仮断面を設け、よりリアルな形状に仕上げた3D設計データ

この2つになるだろう。今回は2つ目に焦点を当てる。

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さて3D設計データの活用目的は、出来形管理、数量計算、MG/MC用、日常の施工管理、説明資料図と多岐にわたる。

それぞれの3D設計データの使用目的に合わせた形状に速やかに編集できる能力は不可欠である。

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結論を言ってしまうとデータ端部を伸ばすか伸ばさないかである。

どれだけパソコン上で綺麗なデータ(3次元設計データ)を作ったとしても、所詮は地球にケンカを売りにいっている稼業なので、現場で会わない箇所は出てくる。絶対に。なので綺麗なデータと別に端部を伸ばしたデータ(3次元施工データ)もハナから作っときましょうねー、というお話なのだ。(もっとも因果が逆で端部伸ばしデータの方が先にできるが)

逆に言えば、綺麗なデータが必要なのは事務所内での仕事のみであって、現場では端部をがっつり伸ばしたデータしか要らない。

もし綺麗なデータをどや顔で現場監督や重機オペレータに渡したら、その日のうちに現場から連絡がきてデータ修正の後にデータ入れ替えの必要が出てくるだろう。「切り出しの位置がぷっつり切れていて分からない!」こうなるのだ。

データ端部の状態は3種類ある。

〇ペーロケ(ペーパーロケーション)
発注図盲信かつ脳死状態で作成した状態
施工範囲や出来形評価範囲の考察で使う。

〇現況擦り付け
TS横断観測や取得した点群データを元に作成したTINデータに端部を綺麗に合わせたモノ。綺麗なデータ
土量計算や最終最後の出来形管理に用いる。

〇端部伸び伸び
端部を伸ばし、現場で現況と設計との交点を観測できるようにして、これをもって切り出し、擦り付け位置とするに資するモノ
ぶっちゃけ現場に渡すのはこのデータがベスト

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上図の場合だと一番上がペーロケ、2番目が端部伸び伸び、3番目が現況擦り付けとなる(順不同失礼)

個人的な感覚として、綺麗なデータ、見栄えの良いデータは現場で使い物にならない場合が多い。

見栄えが良い綺麗なデータはそれはそれで価値を見出し活用すべきであるが、ICT施工の本質から外れぬよう、適時・適切・簡明なデータを現場に提供する着意も持ち合わせたい。

以上

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