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機動強襲装甲力士マテバ

その日もマテバは飲んだくれていた。
適当な店で酒を飲む。相撲中継が始まれば変えさせる。
それがマテバの毎日だった。
その日までは。
「よぉ、探したぜ」
「エッ!?オヤカタ大佐!?」

夜の街を二人は歩く。
「まったく。元装甲化力士兵(アーマードリキシ)ともあろうもんが情けねえ」
「元装甲化力士兵だからですよ。敗戦で部隊は解散。お決まりの戦争アレルギーで戦場帰りは大相撲にも戻れねえ。安い恩給で酒を飲む以外何ができるってんです」
「違法地下相撲に犯罪組織に…元力士兵なら稼ぎ放題だろ?」
「…」
マテバは顔いっぱいの嫌悪で抗議する。
「ヘッ、相変わらずだな。声をかけて正解だった」
いつの間にか二人は無人の公園土俵に辿り着いていた。
オヤカタは土俵に上がり、月明かりの中から暗がりのマテバを見下ろす。
「敗戦からこっち力士犯罪は増加の一途。誰がこれを止められる?そう!力士だ!俺はこれから対力士犯罪特化の特殊相撲部屋を組織する!」

【続く】

#逆噴射プラクティス #逆噴射小説大賞 #相撲

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