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#36 交渉は、「何を得るか?」よりも「何を譲れるか?」

営業職に限らず、交渉によって人を動かしたい時、あると思います。

交渉が必要な場面に出くわすと、「衝突するかも…」と、気が引けてしまいがちですが、

別部署への依頼を急かしたかったり、自分の要望をここはどうしても叶えたい!という時に備え、自分や仲間のためにも、上手な交渉術というのは身につけておいて損はありません。

やや教科書的な「ドア・イン・ザ・フェイス技法」

よく言われる交渉術として、ドア・イン・ザ・フェイス技法(譲歩的要請法)というものがあります。

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは、本命の要求を通すために、まず過大な要求を提示し、相手に断られたら小さな(本命の)要求を出す方法。人間心理を利用した交渉テクニックの1つ。

要するに、叶えたい要望があるなら、少し無理めな要望を伝えて、相手の反応を見ながら譲歩していくという考え方です。

心理学的にいう、
返報性の心理(何かを与えられると期待に応えたいと思うこと)や、
対比効果(先に重い要求をされているので、錯覚的に軽く感じる。)
という効果を上手に使っています。

何を譲れて何を譲れないか?を整理する

ただこの手法はやや教科書的で、そのまま使うには欠点があり、
「あくまでも自分がもらう側」という前提に立ちすぎています。

一方的に強気な条件を突きつけて、無理だったら「じゃあこれくらいで許そう」だと、なんだかワガママですし、ちょっと短絡的です。

交渉事は対等なので、自分は相手に何を与えられるか?をしっかり整理し
「あなたより私はたくさんGIVEをしてますよ!」
というのをわかりやすく伝える必要があります。

そのためにも、
①自分がどうしても叶えたいこの要望は何か
②そのために相手に与えられる利益は何か
③そしてそれは自分達にとって負担にならないか(見合っている譲歩か)
を整理するという準備が非常に大切です。

ポイントは自分の持ち出しは少ないけれど、相手は利益を得られそう(喜んでくれそう)というアンバランスな点を見つけ、交渉の材料にすることです。

交渉とは少しずれますが、僕が多用する地味な行動の一つとして、
「大体〇時くらいに電話しますね!」と伝えておいて、1分も狂わない時間に電話をかける。というのがあります。
負担がほぼゼロの割に相手の信頼を積み上がるので、こういった細かいアンバランスポイントを探し続けるのは、トータルで見た時に自分の得になります。

自分の持ち出しは仮想的なものでOK

アンバランスな点を見つけるテクニックとして、少しでも多く譲ったように見せることがあります。

例えば、自分が見積もりを出す側であれば、
「大体100万円くらいだと思います。」とジャブを打っておいて、「80万円までなんとか下がりました!」
と伝えると、実際はすんなり80万で可能だったとしてとても、仮想の譲歩を演出できるため、「そこまで頑張ってくれたなら」という気持ちになってもらいやすいです。

ただ前述の通り、無理なお願いを突きつけすぎて関係が悪くなるのが一番怖いので、
相手が抵抗を感じそうだなと予想できる際は、「うまく理由をつけて上手に対立を避ける」というのもおすすめです。

特に外的要因を持ち出して、「無理なお願いだとは思うのですが…」と、申し訳なさそうに伝えると、「この人も大変なんだな」と思ってもらえ、無理な要求自体による関係悪化を避けることができます。

あくまでもちょっとしたテクニックにすぎないので頼りすぎには要注意なのですが、
上記のような原則を頭に入れておくだけで避けられる「不必要な交渉難航」が多くあるはずなので、お役に立てればと思っています。

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