日本の美意識~高階秀爾『日本人にとって美しさとは何か』より~

以下「日本人にとって美しさとは何か」(高階秀爾著、2015年、精興社)より引用

クロード・モネ
"作品の源泉をどうしても知りたいというのなら、その一つとして、昔の日本人たちと結びつけてほしい。彼らの稀に見る洗練された趣味は、いつも私を魅了してきた。影によって存在を、部分によって全体を暗示するその美学は、私の意にかなった。”(p68)

フランスの評論家エルネスト・シェスノー
"日本美術は三つの基本的性質、すなわち、非対称性、様式性、多色性を備えている”(1869年)
”芸術家や愛好家の日本美術に対する熱狂が「構図の思いがけなさ、形態の巧妙さ、色彩の豊かさ、絵画的効果の独創性、そしてさらに、そのような成果を得るために用いられている絵画的手段の単純さの嘆賞」であった"(1878年)(p69)

"日本の芸術家たちには、副次的あるいは不必要と思われる要素を排除し、主要なモティーフのみに注目する傾向がありました。芸術に対するこのような態度は、「切り捨ての美学」と定義することができるでしょう。”(p78)

"このような日本と西欧の表現上の差は、両者の芸術に対する哲学の違いによって説明することも可能でしょう。西欧芸術は「主体」―この場合は画家ーを絶対のものとして、すべてを主体の視点の下に従属させようとする。日本の伝統においては、それとは逆に、客体ー描かれたものーが尊重され、それぞれの対象にふさわしい視点が採用されます。"(p90)

"つい現代、つまり戦後の世界まで、日本では歌と文字が美意識としてつながっていた"(p66)

"散らし書き、返し書き"「継色紙」(p45)

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