9月14日の日記

夏と秋の境目だった。

起床から18時まで、何気ない生活。

18時、学校を出て自転車を走らせる。
川沿いのあの道は工事中で通り抜けられなかったため、少し遠回りをした。
突然大きな音が鳴る。
花火だった。
少しだけ町に光を差す。
自転車を漕いでいる時の花火ほど危険なものがあるものか。
携帯なんか見なくていいが、花火なんか見ないわけにはいかない。
右手側で咲く花火と、自転車が向く正面とを交互に見て慣れない道を進む。
普段のあの道ならもっと余裕を持って見れたとか、あの道ならこんなに空が開けて見えなかったとか思った。
タイヤと側溝の凹みがなす規則的なリズムに合わせ、脳を巡っていたのはWhiteberryだった。
フジファブリックではなかった。

駅に着いてから22時半まで、何気ない生活。

22時半。入浴。
ふと窓の外を見た。
月だった。
少しだけ浴室に光を差す。
裸眼の私が見ると月は9つあった。
一度部屋に戻って眼鏡を取り、浴室に戻る。
月は1つだった。
先ほどよりも1回り小さくなっていた。
裸眼のままなら小さくてガッカリすることはなかったとか、眼鏡が無ければクレーターなんか見えなかったとか思った。
Whiteberryは帰路でぼんやり消え去り、今脳を巡るのはドビュッシーだった。
月は浴槽に浸かると見えない位置にあり、浴槽から上がれど少し首を曲げないと見えなかった。
大して人生は綺麗にできてないと思った。

明日どれだけ暑かろうが、紅葉が見られるのがどれだけ遅かろうが、私にとっては今日のおよそ19時までが夏で、そのあとは秋だった。

夏と秋の境目だった。

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