Nのために

『Nのために』を観ている。

再放送だった上に勝手に録画されていたので消そうかと思ったけれどタイトルを見てその手は止まった。
タイトルに魅せられたのは随分久々のことだったから。

何だか内容や描き方、俳優さんの演技、そして音楽の使い方全て含めて「美しい」という言葉があまりにも似合っている気がした。
究極の愛とは何か。
くだらないと一笑されてしまえばそれで終わりなのかもしれない、そんなとてつもなく深く、でもとてつもなく軽いそんな話題をここまで美しく描くことが可能なのかと数話目にして感動と驚きとが抑えられなくなりこうして今、noteに書き連ねている。(2023/09/25/21:02)

『リリィシュシュのすべて』と、世界観というか、上手くまとまらないけれどどことなく近い印象を抱く。
気の所為なのかもしれない。私の単なる思い違い、解釈違いな気もするけれど、それでも確かに1話目を見た時『リリィシュシュのすべて』がわたしの頭にくっきりと浮かんだ。

誰も間違ってはいない。ただその歯車がそれでもほんの少しだけずれている。
それを、その微かなずれをこそ美しく感じてしまうわたしは、おかしいのかも知れない。

クリスマス。愛の日。愛の日に起こってしまったことと、血塗れの部屋の中場違い感を漂わせたまま鳴り続ける、子供たちが唄うクリスマスソング。
毎話流れるこのシーンに対して異様に美しさを感じてしまって、息苦しささえ覚える。
何なのだろうか、この言い得ない感情は。

ここまで心が揺さぶられるドラマは正直片手で数えられる程しか知らないので動揺を隠せないまま書いている。
俳優さんたちの演技もまたわたしの心を大きく揺らす。
早く次が観たくてたまらないのに、でも観たくない気持ちもある。

原作の湊かなえ先生はもちろんの事、その湊先生の世界をここまで美しくドラマにしてくださった『Nのために』制作陣の方々へ、感謝の想いを込めて。

本当に本当に、一生忘れられないものとなりそうです。
こんなに素敵なものを創って下さりありがとうございます。

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