『真夜中の五分前』 読了
本多孝好先生の『真夜中の五分前』読了。
途中,この話がどうなっていくのか全く想像がつかず,ドキドキしながら読み進めました。
side-Bのあらすじの最後に,「必ずside-Aから読んでください」との表記。
読み終えた後,確かにそうだな,と腑に落ちました。
「僕」の使っている目覚まし時計は世界から五分遅れている。
世界が次の日の0時の時,「僕」はまだ,昨日の世界にいる。
その取り残された五分間,「僕」は水穂さん,かすみさん,そしてゆかりさんのことを考える。
何とも深く考えてしまう小説だと思います。
side-A,Bともにそこまで分厚くはないけれど,その内容の深み,温かみに触れ,久々に泣きそうになりました。
一日の最後の五分間以外は「今の僕が愛する人」に使っている,という終わり方で救われたように感じました。
素敵な小説を執筆してくださった本多孝好先生,並びに出版してくださった新潮文庫の方々に多大なる感謝。
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