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【詩】回顧録 - ニート

時が止まったら 涙も枯れたが
ついでに花も枯れていた

心地よい 敵がいない
だが長くは続かない
ユートピアの中で起こる
自家中毒の始まり

じわじわ来る敵 安寧巣食う虫
振り払ったり毎日嫌気がさし

立ち上がったり出来ない体に

ドアの外に 恐れを隠したふりをしても
部屋の隅 舞う埃に混じりやってくる

窓を開けるか 眠る街ただひとり
空気を吸って吐き出す 無垢な闇

居座るために誇示する傷跡
かたやそれでも戦う誰か
"あんな風になれるなら"

これが特別だって 何でも誇れそうだって
言えたならって そうだ誰が言わなくても僕は

ドアの外 負けなかった自分に会えたなら
部屋の隅 自分だけの痛みを抱えたまま
折れても立ち上がった事になるんだ

なんて大きな意味もないまま
覚悟もないままとりあえず

空気を吸うために歩く


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