雨露うつぼ
人間未満が綴る人間の言葉
音楽と文章
寄る辺ない自己否定の海原で 僕は醜く藻掻く事しか出来ない 向こう岸には辿り着けないだろう 泳いだ分いずれ引き戻される いつだってその繰り返し やり直す事に失敗して 寄り掛かる事に失敗して 再起する事に失敗して 前を向く事に失敗して なんとなく色々下方修正しながら まだ醜くて退屈な風体で生きている 幾度となく超えた壁も 穴の開いた自尊心には 対したものにならなくて たまに全てがダメになって 空っぽなそれをひっくり返す そうかと思えば次の日には 全て忘れて歩いている
シティポップな気になるあの子んち 切れない安定が坩堝みたい わだかまって連れ添う空元気 かなり雨 まだ雨 スピーカー湿る今を歌う 微睡がハンモックの代わり 重なる空気 部屋に凪いで 窓の向こう 波及する鈍色
無邪気な僕の不整脈 あなたは僕の生の実感
私の不安が誰の同意も得ないことが、 私が不出来な人間であるという予感を捲し立てる。 私の侘しさがどこへとも行かず、 ただ心の内をぐるぐると巡って出来た深い轍が、 私の存在をこの世界から切り離す。 どうせ同じ時間、同じ距離を費やすなら、と この空虚を世界に放つ。
時が止まったら 涙も枯れたが ついでに花も枯れていた 心地よい 敵がいない だが長くは続かない ユートピアの中で起こる 自家中毒の始まり じわじわ来る敵 安寧巣食う虫 振り払ったり毎日嫌気がさし 立ち上がったり出来ない体に ドアの外に 恐れを隠したふりをしても 部屋の隅 舞う埃に混じりやってくる 窓を開けるか 眠る街ただひとり 空気を吸って吐き出す 無垢な闇 居座るために誇示する傷跡 かたやそれでも戦う誰か "あんな風になれるなら" これが特別だって 何でも誇れ