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アプリ『レイトン教授と不思議な町 EXHD for スマートフォン』感想

超早口なルークと教授。


プロローグ

ある昼下がり、有名な考古学者であるエルシャール・レイトンとその助手ルークは車を走らせていた。
目的地は地図に載っていないとある町。そこに住むサロメという女性から、二ヶ月前に亡くなった資産家の夫が残した遺産の調査を依頼されたのだ。
曰く、公開された遺言状には「アレン・ラインフォードが所有する全ての財産は、一族に伝わる『黄金の果実』を探し出した者にのみ相続させる」と記されていたが、当の親族は誰一人として『黄金の果実』の存在を知らず、また何を指し示しているのかすら分からなかった。結局皆がいくら探しても見つけられなかったため、これまでに数々の不思議な事件を解決したレイトンに話が回ってきたのである。
町に着いた二人はさっそくサロメ夫人から詳細を聞くためラインフォード邸を訪れるが、突如屋敷に響いた轟音を皮切りに次々に奇妙な事件に巻き込まれてしまう。
『黄金の果実』とは何なのか。レイトン達を陰で見張る者は何者なのか。そして、この不思議な町に隠された大きな秘密とは――。

そんな『レイトン教授』シリーズ始まりの物語、『レイトン教授と不思議な町』がアプリで登場。高画質・高品質になったアニメやナゾトキを楽しもう!(追加アニメもあるよ)

◆開発:レベルファイブ
◆発売:レベルファイブ
◆ジャンル:ナゾトキ・ファンタジーアドベンチャー
◆配信日:2018年6月8日

始めに

『レイトン教授』シリーズ、まさかの新作が発表されましたね!
去年にDS・3DSのシリーズを全クリして若干ロスに陥りながらも「綺麗に終わったから……新作はいいかな!」と満足してたらまさかのです。『最後の時間旅行』の1年後とのことで、2ndシーズンに登場した過去キャラ、具体的に言えばレミさん再登場を切に願ってます。

だからという訳ではなく、前々から気になってた追加要素の新規アニメ見たさにやりました、『レイトン教授と不思議な町 EXHD for スマートフォン』。
ストーリーやナゾは把握済みのためムービー以外は作業になるかなと思ってましたが、案外楽しめました。


🏘️本感想には以下作品のネタバレが含まれます。🏘️

①システム / ナゾトキ:根っこはベタ移植🏘️

実は6月に始める予定だったのですが、念のためにと購入前にレビューを読んだら「文字入力できないバグがある」とあり、えっそこそこの金額するのに(※GWセールあると踏んでたのに無かったので定価1200円)遊べなかったら困る……と悩んでしまい。気付けば月を跨いでしまってました。

結論から言えば、普通に入力できました。
入力欄をタップしたら画面が薄暗くなる以外は変化無し、に見えた時は「ん!?」と焦りましたが、画面上部に視線をスライドさせると何やら白いバーが表示されており、反射的にそれをタップするとスマホの入力キーがしゅっと現れました。あっそんな感じ?
こんな分かりにくかったらバグだと誤解されるのも仕方ない……とクリア後再度レビューを読んでいくと「入力しようとしたら強制終了する」「フリーズする」「白いバー出るけど反応しねえぞおい」な内容がかなりある。しかし大量の苦情且つ配信が5年前にも拘らずレベルファイブ側は完璧スルーしてて……何というか非常に怖い。購入前に返金手続きの方法調べた方が良いかも。

望まぬ博打は問題ですが、処理速度はDS版より滅茶苦茶上がってます。吹き出すレベルです。
一番実感するのはナゾトキ判定中。DS版では「ターン。ターン。ターン」なゆっくりとしたリズム音と共に教授またはルークが一言喋るのですが、アプリ版は「タン、タン、タン」……何なら「タンタンタン」でもいい。とにかくテンポが速い。びっくりするくらい速い。けれどボイスは特に録り直しされておらず、なんとDS版ボイスを倍速にしてスピード調節するという荒技が使われてる。結果教授とルークが超早口になっていて、初めてのナゾトキの時は思わず笑っちゃいました。

ただスライドパズルの感度の悪さはまんまDS版準拠で何でやねんとは思いました。そこは修正しないんですか。凄く、凄く引っかかるんですが。
あとシリーズ途中から付与されたメニュー画面でも開けるメモ機能をアプリ版『不思議な町』に実装できて、しかもナゾトキ中のメモ画面で一つ前の状態に戻す機能を付けられるなら(スマホ全画面使えてメモれるのは◎)、それならナゾトキで一手戻るもついでに追加してくれても良かったのでは。そこは違うプログラム?

そして上述のスライドパズルや線を引くナゾが出始める中盤から発生した問題……指、邪魔! 凄い、凄く邪魔! タッチペン超欲しい!

ABCの中から正解のボタンを押せ系は無問題。
正解を丸で囲めは稀に認識ミスるけどそこまで手間じゃない。
隠されている図形を探し出し、正確に線を引け。むっっっず。

ただでさえ指タップは自分が押してるつもりの所と僅かにズレるので、よし描こうと起点を決めてタップ→違うそこじゃないもっと右、ズレてる!が多発。しかも左→右に描こうとすると線引きたい箇所が指で隠れる隠れる(けど右利きで右→左って描きにくくないですか)。正確を期すために一画ごとに手離したいと思っても離したらやり直しになるので緊張感が半端無いです。残り2作大丈夫かな……。
一応指で隠れる点に関しては1問だけ、星を描くナゾは線を引き始めるとその箇所が別途拡大表示されて見やすくなってます。が、矢印を描くナゾは拡大表示無しで統一されておらず。あの手のやつはたとえ描くのが矢印でも難易度は同等だと思う。

ちなみにアプリ版では《週間ナゾ通信》が復活してます。やったね!
ナゾ通信のナゾは「後で解く」を選んでもオートセーブされるの知らずビビったのは秘密です。ピカラット設定されてなくてよかった。にしてもこれ、後半からイラスト無くなったのは手抜きなのか。

②システム / 全体:善し悪しが際立つ

DSの『不思議な町』をNEW3DSLLでプレイ、は、さすがに等倍表示でも細かな部分は潰れ気味でしたが、アプリ版として調整された本作はそれはもう高画質で綺麗。『レイトン教授』シリーズの売りの一つであるクオリティー高いアニメムービーが高品質できちんと観られたのは素直に感動しました。それに縦長イラストが分割されないのが結構良い。ドン・ポールの胴体がちゃんと繋がってるよ!
綺麗すぎ&彩度が心なしか上がった?影響でレトロ感やノスタルジックな雰囲気が薄らいでいる気がしますがそこはDSで味わいます。

大きく変わっていたのがセーブ機能。なんとDS・3DSにはなかったオートセーブが実装されてるんですよ! 最初セーブ画面見た時何かと思いました。
これでナゾトキに失敗してピカラット減ってもすぐやり直せる……かもしれません。逆にセーブポイントから始めたいのに間違ってオートセーブ地点から始めてしまった~もやりがちですが、前者が勝手に上書きされたりはしないので安心です。

他にもDSにはなかったタイトルに戻るボタンが付与(前回までのあらすじが確認しやすい。グッド)、メニュー画面から『遊び方』『規約(アプリの)』『サウンドボリューム(音楽/効果音/声)』も追加されてます。
あと『ふかまるナゾ』解明時、上画面に都度イラストが出る演出もDS版にはなかったはず?

少し残念なのは①でも上げた爆速処理がアニメ未満のスチルシーン(時計台の大門開通時とか)にも適用されてるせいで、間の取り方等の元々の演出の良さが失われているところ。DS版をやり込んでいるので違和感が凄かったです。あと目的達成時のBGMがこれまた高速処理によって途中で途切れたり。
DS版の、人によっては少々もっさり気味に感じる移動や画面切り替えがスムーズになったのは良ポイントなんですけどね。……ちなみにヒントメダルがあるはずのポイントをいくら連打してもなかなか出てこないところは健在です。感度の悪さ、お前もか。

あ、感度の問題で一番焦ったのが『2つのへや』。
DS版同様最下部真ん中にあるメニュー画面に戻るボタン、押すと高確率でアプリが最小化されるんですよ……。まだオートセーブ実装されてるのを知らない時、どんどん進めて初めて家具入手→ミニゲーム画面確認したし戻ろと押してアプリ消えた瞬間の動揺はヤバかった。
強制終了ではなくホームボタンの位置的なやつに引っかかったのかと胸を撫で下ろしたものの、だからといってボタンが移動する訳ではないので、その後もずっとヒントメダル並の超シビアなタップ動作を強いられる羽目になりました。まあ結局ほとんど最小化してしまうので、途中から家具手に入れても見なくなってしまいましたけど。こんな最悪の組み合わせが爆誕するとは……。

『めいが』のピースはDS版よりも動かしやすくなってて良かったんですけどね。良い面と悪い面が際立ってました。

③追加要素:これはカトリーの……売り込み!

③-1. ナゾトキチャーム

アプリ版『不思議な町』には新規アニメ以外にも追加要素があります。それが《ナゾトキチャーム》。
チャームは全51個。ヒントメダルと一緒に町中の至る所に隠されており、特定の場所をタップするとメダルと同じくちゃりーんとゲット。メニュー画面の《チャーム》で確認できます。
推測ですが、たぶんコイン見つけるロボット犬はチャームには反応しません。あとやっぱり連打必至。感度!

加えてチャームにはナゾトキポイントというものが設定されていて、入手したチャームポイントに応じて『トップシークレット』内の項目が順次解放されていくシステムになってます。項目は『レイトンイメージキャラ』『キャラクター開発中デザイン設定』『説明書イラスト(※DSの取説に描かれてる絵)』『設定画(※背景多め)』。
『レイトンイメージキャラ』はDS版『不思議な町』から飛べる『ひみつのモード』→『かくしとびら』から見られるもの。後は全部新規? といってもサントラCDのジャケットにおまけとして掲載されてる物が多い印象なので、目新しいかは人によるかも。ともあれこの新しい収集要素のおかげでDS版を遊び尽くしているプレイヤーも新鮮な気持ちで探索できます。

ここからは完全に個人の感想ですが、これめっちゃカトリー売り込んでますね!
「『レイトン』のというか教授が主人公の世界ではファンシーガーリーの女児向けで浮いてるなあ」とチャーム見てたら、本当に小さくワンポイントで付いてる帽子がシルクハットじゃなくカトリーの帽子だと気付いて「あっ」となり、『カトリールーペ』ともろにカトリーの名前出てるチャーム見つけた時は「やっぱり売り込みじゃねえか!」と笑いました。
3DS版カトリーのゲームが出た翌年なんですね本作の配信日。そしてアニメ放映が配信2ヶ月前。うーん販促。それなら残り2作のスマホ版にチャーム収集が無さげなのも納得。1作目が目立てばいいのよ(バグ報告めっちゃあるけど)。
まあチャームがタカラトミーでおもちゃとして売ってるよ!の時点でおおよその大人の事情は想像できます。チャームのデザインはどれも可愛くて好きです。

③-2. 新規アニメ🏘️

一番の目的だった追加アニメは2つ。1つはロンドンを発つ直前のルーク&教授のプロローグ。もう1つは不思議な町を出たアロマがロンドンに到着した後のエピローグです。
プロローグはルークの荷物の多さに困惑して、エピローグはアロマ幸せになってくれ……としみじみ願う話でした。もういない大切な人に「今私は幸せです」と告げるモノローグは王道。

で、しんみりした後に『最後の時間旅行』で何で……何でああも典型的なあかんヒロインになっちまったんだよぉ!!と頭抱えずにはいられなかったんですけどね!
この頃のアロマは可愛かったのに! 少し押しが強い感なくはなかったけどそれでも純真や健気の言葉が似合う正統派ヒロインだったのに! 何で! 何であんな結果に!!(※個人の感想です)
新作でアロマ出るならどうか、どうかお荷物にならない立ち回りをしてほしい……。

終わりに

まずきちんと遊べるか不安だったアプリ版を無事終えられてほっとしています。
個人的には新規アニメをどうしても観たい、DS版では既にプレイ不可の週間ナゾ通信を遊びたい、『レイトン教授』シリーズに初めて触れるといった人達以外……アプリ版残り2作を含め、DS版を既に遊んでいる人はDS版だけで充分かなあという感想です。あとはDS引っ張り出すの面倒な人とか。

といっても『最後の時間旅行』のアプリをフライングで買っちゃってるので、『悪魔の箱』もさくっと買って両方さくっとプレイしようと思います。追加要素等々は無さげなので、DSの『逆転裁判』シリーズ(Best Price!!版)と同じくTwitterで簡易感想だけ書いてnoteは無しになると思います。

以上、アプリ『レイトン教授と不思議な町 EXHD for スマートフォン』の感想でした。

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