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3DS『逆転裁判5』感想

今度はオドロキ君が闇堕ちしたのかと焦ったよね。

プロローグ

証拠品捏造事件が解決して1年後。
正式な所員として所属する弁護士の王泥喜法介とマジシャンである娘のみぬき、新米弁護士・希月心音が加わり、成歩堂法律事務所改め成歩堂なんでも事務所の所長として、そして弁護士として成歩堂龍一は無事法曹界に復帰した。
しかし成歩堂ととある人物が引き金と言われる、冤罪・捏造が蔓延り法曹界の信用が地に落ちた法の暗黒時代と称される現在、法廷での戦いは一筋縄ではいかない状態だった。
しかもある裁判中に法廷爆破事件が起こり、依頼者を守って大怪我を負ってしまった王泥喜はとある事情から事務所を去ってしまう。

◆開発:カプコン
◆発売:カプコン
◆ジャンル:法廷バトル
◆発売日:2013年7月25日

始めに

色々な意味で身悶えた前作を乗り越え、やってきました『逆転裁判5』! 本作からDSではなく3DSになり、またあらすじからしてなるほど君が弁護士以外に主人公としても復帰してるし新しく別のメインキャラも主人公として出るらしくて「あれオドロキ君は?」となりましたが彼めっちゃ主人公してた(でも3DSアイコンはなるほど君)(なお牙琉検事は)。

DS→3DSへの変遷はもう慣れたもので普通に受け入れられましたが、初っ端からアニメ流れた瞬間はさすがに「!?」となりましたね。


👓本感想には以下作品のネタバレが含まれます。👓

①システム / 探偵パート:調べられない、だと……?

DSから3DSへ移行ともあり、探偵・法廷・アニメも全部立体視が適用され、またキャラクター全員3Dになりました(背景・アニメは普通のイラスト)。他作で既に経験してるのでこの変化は普通に受け入れて……というか要所要所に挟まれるアニメのキャラが男女問わず皆ごつくて(顔の陰影強すぎないか?)、多少「ん?」と思う作りはあれどクオリティーの高さで言えばぶっちゃけ3Dの方が皆可愛くて格好いいなという印象が強いです。アニメで良いなと思えたのはオドロキ君と森澄さんくらいかな……あとアニメは全体的に演出でちょっと笑っちゃうんだ。

3DになったことでUIも結構がらっと変わりました。具体的にいうと初心者にめっちゃ優しくなりました。

まず作成セーブデータが2つに増加、バックログ機能とオートセーブ機能の追加。
今までの仕様から見るとどれもびっくり&有難いんですが、バックログに関しては上下送りの矢印のみ・スクロールバー無しなので、かなり前のを遡ろうとするのはかなり面倒臭いです。電源切ってもログが消去されないのは良いんですけどね。
ちなみに私は逆裁・逆検でバックログ無し常態化が染みついてたので大体存在忘れてました。でもブレイクモーションとか荒ぶった証人のハイスピード台詞を読み返出来るようになったのは本当に有難いです。

次に、逆裁4では法廷パート限定だった《みぬく》が探偵パートでも使う機会ができ、なるほど君が勾玉を使う《サイコ・ロック》が必要時にのみ下画面上部に現れるようになりました。
ていうかそう、証拠品! DS『蘇る逆転』から始まり4、逆検シリーズを経て最早お馴染み状態になっていた証拠品の拡縮回転が出来なくなってるんですよ! 弁護士バッジ調べられねえ!(嘆) GBA版の逆裁に戻ったといえばそれまでなんですけど、証拠品へのコメントとコントが聞けなくなったのはとても残念でした。本当に必要な時しか出来なくなったの寂しい。あ、ちなみに勾玉は証拠品アイテムからは消えてます。やらなきゃいけない時だけ出るし、ついでに今まで突きつけられたのは証拠品or人物ファイルのみでしたが、動機とかそういうのは普通の選択肢で出てくるようになった&探偵パート全般にペナルティが課されなくなったので難易度超下がりました。こんな簡単でいいの? と逆に戸惑いました。

それと証拠品確認の画面ですが、DSではサムネ化して1ページにつき8個表示されてましたが本作から5つに減、代わりに上部に選択中の品の詳細説明がデフォルトで表示されるようになってます。逐一タッチしなくても読まなくて済む配慮? でも元々説明文表示せずサムネ常態でもXボタンワンタッチで突きつけられたし、何より表示数が減ったのが地味に痛い。思ったより3個減きついぞ。

加えて衝撃が大きかったのが《調べる》が無くなった点。いえ項目自体はあるんですけど、今まではそこにキャラがいなくてもいつ何時でもパネルが出ていた《調べる》が、事件現場を訪れた~とか必要な時でない限り、証拠品同様調べられなくなったんですよね……まずパネルすら出ねえなんて……立体視仕様になってどんな風に調査出来るかなーってわくわくしてたのに……。
ちなみに調べられる時の《調べる》はライフルスコープから指アイコンに変化し、調査可能な箇所はアイコンが赤くなり、調べたらチェックマークが付くようになりましたね。親切~。

あと《移動する》か。今まではC地点に行きたい場合、必ずA→B→Cと中間地点のBを通らなきゃいけなかったんですが、今作では何と《移動する》パネルを押せば今まで訪れた場所がずらっとリスト化され、中継無しのタッチ一つで目的地に行けるようになりました。親切~~しかもイベント起きて「あの人に話聞くために○○へ行こう」となったら自動的にその場所行ってくれてスピーディ~~な具合に。親切~~でもこれまで自分の足で情報得て思わぬ場所で思わぬ人と鉢合わせして事件解決のフラグ立てまくるの滅茶苦茶楽しんでたのを本作で自覚しちゃったので親切だけど寂しい~~寄り道出来ない~出来たとしても背景調べられないんだけどさ~。

他にもエピソードクリアor1回読まないと出来なかった台詞送りが最初から可能だったり(法廷パートでも同様)、次の目的地や誰々にこの証拠品を見せるといったTodoリスト《探偵メモ》が増えたりと、何というか、うん、やっぱり初プレイヤーにとっても優しくなりました。でもその優しさからか他に容量割いたからかで今まで出来てたシステムが半分消えたり簡素化してて、GBA版からプレイしてる身からすると親切でさくさく進められるのは良いけど何か物足りないな~とプレイ中ちょっとしたジレンマに陥ってました。不便にしろって訳じゃないんですが……。

②システム / 法廷パート:ペナルティがペナルティしてない。何だったらペナルティも無い

②-1. 既存部分

まずびっくりしたのは食らうペナルティーがめちゃくちゃでかい。逆裁4でもでかいな!? と焦りましたがもうこれくらいがデフォルトなんですかね。6回くらいしかチャンスないぞ。
でも今作では《探偵パート》に続き《法廷パート》も初心者に優しく、なんと間違いまくってゲームオーバーになったとしても、直後に《再開する》を選べば自動的に直前の選択肢に戻れるでは無いですか。しかも心証ゲージ全回復状態で! 親切すぎてちょっと怖いんですけど……。
いやめっちゃ良い事だし有難い以外ないんですけどね。GBA版・DS版逆検含めてこれまで9作、セーブできる台詞パートと証拠品提出の境界線を見極めながら中断セーブのチキンレースを繰り広げてたので「こんな……こんな至れり尽くせりで良いの……? 本当? 本当にこんな凄い懇切丁寧な仕様になってるの? 信じないぞ!?」と電子取説読んでも疑ってかかってたので。実際始めてみたらセーブしてなくても本当に直前のやり直しになってほんまや……と得も言われぬ感動を覚えました。でも癖でちょくちょく手動セーブしてしまう。

あと今までって一部を除いて証拠品にしろ普通の選択肢にしろ間違ったら容赦なくゲージ減らされまくりましたが、本作プレイしてみたら、何か、ゲージ減らない選択肢が前よりめっちゃ増えてません? その辺りも初心者(と台詞差分好き者)に優しく、そしてルールが緩くなっててほへーとなりました。
しかもあまりに証拠品突きつけとか間違いまくると、隣にパートナーがいる場合《相談する》コマンドが出てきて「証拠品を突きつけるのはどの台詞ウィンドウか」を教えてくれます。ここだけなら攻略サイトいらず! でもパートナー不在で相談する人いなかったらどうなるんだろう、コマンド出ないのかな。

にしてもゲームオーバー後に扉バタン→即扉開くの流れが心なしかシュールで、実際数は少ないですがゲームオーバーになる度ちょっと笑っちゃいました。

あ、法廷パートの難易度は全体的に凄く下がってました。詰まる時は詰まりましたが、今までの中で一番難易度低いんじゃないかな。推理はね。

②-2. ココロスコープ

なるほど君の《サイコ・ロック》、オドロキ君の《みぬく》に続き、新キャラ弁護士・希月さんが持っているのは、心理学から得た《ココロスコープ》です。

《ココロスコープ》は裁判中に、情緒不安定になったりどうしても言えない隠し事を秘めてる証人に対して使用します。
この《ココロスコープ》中は普通の証言に加えて、証人の心象風景(当時の現場の記憶とか)が台詞に合わせて表示されます。この風景が出ている間は四隅に「喜び」「怒り」「哀しみ」「驚き」のアイコンが出ており、プレイヤーは感情の矛盾……例えば証人が「頭上に瓦礫が落ちてきた」と普通なら驚きしか浮かばないシーンで、何故か「喜び」のアイコンが反応してる→喜びのアイコンをタッチ→「貴女は瓦礫が落ちてきて今にも死にそうな危機的状況だったのに、何か喜べることがその時一緒にあったのか?」と指摘。すると証人は何故喜んだかを説明する→話しているうちに証人の気持ちが落ち着いていく、あるいは矛盾した感情を暴かれ動揺し更にボロを出していく→感情の矛盾(ココロのノイズ)を除去していくことで証人が無意識意識的に秘めていた記憶や秘密を明かされる、という流れ。

他が色々至れり尽くせりになった代わりにここに高難度集約されたのかなってくらい、ムズいところは本当にムズいです。簡単なところは簡単なんですけど、話が進むにつれて上記パターン以外に「本来ココロが動くであろうシーンで動いてない感情を当てろ」「全証言と比較して一つだけ動きが小さい/大きい感情を突き止めろ」とか豊かになってくバリエーションに結構手こずるんですよね。
いくらミスっても心証ゲージ減少ペナルティーは食らいませんが、如何せん感情4つ×証言5つとかととにかく数が多いし。失敗後のキャラ達の台詞パートタイムも含めると総当たりするにもなかなか手間&《ココロスコープ》では《相談する》コマンドも出ないので、結果的に一番ムズい。

キャラ達の記憶の風景を見られるのは新鮮で、キャラによってはなかなかそれが愉快で情報のアップデート前後の違いを見比べるのも面白かったので個人的には難しいとは思ってもダレたりはしませんでした。でもココロスコープの最中はずっとぴこんぴこんアイコンが鳴ってて地味にうるさ……騒がしいのでボリューム下げるのを推奨します。

③ストーリー:全作に言えるけどネタバレ踏んじゃ駄目👓

本作は全5話。なるほど君・オドロキ君・希月さんが(途中交代したりしつつも)各話で主人公を務めながら物語が展開していきます。

ていうか本編始まる前から「今度はオドロキ君闇堕ちした? 闇堕ちしてないよね?」と滅茶苦茶心配してました。だってパッケージ裏面ずたぼろ&謎の主将スタイルジャケット羽織ですよ? それだけで「何事?」ってなるのに、アニメが始まりなるほど君が喋ってる事に対して感情動く前に、爆発されてる法廷に包帯靡かせながらオドロキ君が立ってる光景見せられるんですもん。オドロキ君闇堕ちしてないよね!!??と不安になりません? この時点では時系列も経緯も何一つ分かってないし……。なので4話まで進めていってようやく1話の展開に繋がった時は「はーなるほどなー」と普通に感心したのと同時に「良かったオドロキ君闇堕ちしてない! いや半分くらいはしてるか?」ととりあえず安堵しました。それにしても今回のオドロキ君、逆裁4より主人公してましたね。葵君、生きてた時に会話したかったなあ。

新キャラの希月さんは声ぴったりだなっていうのが第一印象。真宵ちゃん美雲ちゃんみぬきちゃんとは違う溌剌女子良いなー好きだなーが第二印象。ダメージ食らった時に変顔した瞬間「希月さんも変顔したぞ! ほら牙琉検事貴方もやれ!」が第三印象です(希月さん関係無い)。
希月さんはその性格とモニ太の可愛さとは裏腹に、結構序盤から流血的な意味で過去がなかなかヤベぇと示唆されてましたが、実際は違ってたとはいえ手術台の母親と側に佇む子供希月さんのイラストはかなり胸に来た&最悪の可能性を提示された時は凄くダメージ食らいました。文字だけとはいえ逆裁の中で一、二を争うグロさだ……霧緒さん以来の容赦なさすぎ御剣さん、マジで容赦ないしそこだけ切り取ると悪役感ぱねえ。なので絶対違うとは信じてても最悪の展開にはなってないと判明した時は心底ほっとしました。主人公補正ありがとう。希月さんの英語の口癖結構好きです。

そして新キャラの夕神さん。囚人だけど検事として法廷に立つという今まで出てきた検事の中でも負けず劣らず濃い設定してる上、弁護士証人裁判長に誰に対しても罵倒レベルと煽りスキルが高く、極めつけに手錠引き千切ると容赦なく真剣を弁護士全員に向けて斬りかかる・手錠しててもペットの鷹が攻撃しかけてくる(証人にもけしかける)とそうそう逆裁の検事ってこんなだよね!を見事に表してくれた良キャラでした。やっぱり検事は弁護士に攻撃してなんぼだよ(※御剣さんは暴力振るいません)(なのにキャラ立ち度は上)(相対してますます印象薄くなる真っ当な善人の牙琉検事)。

なるほど君はあれです、もう弁護士復帰してくれたのがただただ嬉しい。逆裁4の余波はまだ若干引きずってましたが、七転八倒を乗り越えた甲斐がありました。ただ芸術学部から弁護士転向に加えて復帰するかー&弁護士復帰するかーから1年後に本当に法曹界戻ってきたの見てたら「弁護士って簡単になれるんだな」と頭がバグりますね。フィクションだとは分かってる。分かってるけどなるほど君の頭どうなってんのと尋ねずにはいられない。

で、法の暗黒時代やら何やらを経て辿り着いた最終話、そしてラスボス。
このnote読まれてる時点で難しいかもしれませんが、逆裁シリーズは本当ネタバレ踏んじゃ駄目です。昔知らずにネタバレ画像見てた事を第2話終了後に思い出して本当に後悔したので。
マジで思い出した瞬間「あーーーーっ!!!!」て頭抱えましたもん……実際ストーリーやキャラ等踏まえると、知らなかったら本当にびっくりしたし衝撃的だっただろうなあとしみじみ思いました。ショック具合ならたぶん逆検2張りじゃないかな。
あ、逆検と言えば、かぐやさんの法に対する考え方やラスボスの一面等所々逆検2を連想させる部分がありました。その辺が逆検2のネタバレになるのかな。

終わりに

時間が足りなくてスペシャルコンテンツに全く触れてませんが、購入はしたのでそこは追々プレイして追記できればと思います。

シナリオがタクシューさんではなくなったので独特の言い回しや表現が無くなったのでその辺薄味でちょっと残念でしたが、宇宙規模まで広がった物語は楽しかったです。システムはめっちゃ親切。

以上、3DS『逆転裁判5』の感想でした。

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