介護の日常

毎日、朝8時に母に朝食を取らせ、薬を飲ませる。母の場合は末期癌なので、何かを治すための薬を飲んでいるわけではなく、痛み止めと、抗生剤、胃腸の薬。1日の薬の量を合わせると、20錠近くある。

痛み止め薬は、腸の働きを弱くしてしまうので、便秘になりがち。だから、胃腸を働かせる薬も必要になるという。薬のための薬。

そもそもどんな薬も、どこか悪いところを治すわけではなく、症状を抑えるという表現が合っていると、以前誰かが言っていた。

母は、昨年の夏から、腎ろうを入れているため、尿はベッドの脇に下げた蓄尿バッグに溜まるようになっていて、訪問看護師さんが用意してくれた、頭の部分をカットした1.5Lペットボトルへうつし、トイレへ破棄。その際、尿の量を記録し、訪問看護師に報告。

訪問看護師は週に5日、午前9時〜11時の時間帯で来て、バイタルチェックとオムツ交換、腎ろうの部分のテープ交換、床ずれの処置、身体拭き、そして、1週間〜10日に一度、洗髪をしてくれる。

訪問医が来る日は、同じ会社の訪問看護師は来られない仕組みになっているそうで、その日は週1回介護士が来る。

昼、食事を取らせ、薬を飲ませる。

夜、食事を取らせ、薬を飲ませる。

こうして書くと、なんだラクそうじゃん、と思われそうだけど、母の場合、ほぼ数時間おき、ひどい時で1時間おきに痛みが襲ってくるため、その都度、痛み止めを飲ませなくてはいけない。

母が処方されている薬は、麻薬に分類する強い痛み止めだが、それを飲んでも痛みがある、しかも、相当の。

母がいちばん辛いだろうけど、痛い痛いと言うのを聞いているのもしんどい。

訪問看護師が来ない日や、訪問看護師が帰った後にお通じがあって、ひとりでオムツ交換する時は、母の身体を動かすとさらに痛がるため、至難の技…。

母との会話が少なくなってしまったことをさみしく思う反面、今は眠ってくれるとホッとする。

自宅で両親や祖父母の介護をしている人、障害のある子どもを育てている人、みんな同じような日常を過ごしているだろうけど、どうか、今日も心が穏やかにいられますように。

そんな私が、つい母に向かって、キツイことを言ってしまうのだけど…。そういう時もある。母もわかってくれているはず。

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