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私のルーツの旅【母方の祖母編】その1

それでは、いよいよルーツの旅に出発しましょう。
とその前に、なぜ私がルーツの旅をするに至ったのかについてはコチラの記事をご覧ください。

まずは、相続手続きで使用した戸籍を書庫から引っ張り出さなくてはいけませんね。だいぶ前に取得した戸籍ですが、もちろんルーツの旅に使用できます。これを機にデータ化しておくことにしましょう。


ルーツの旅の出発点は戸籍収集から


ルーツの旅の出発点となるのは、戸籍の収集になります。

それはなぜか、

戸籍に記載されている最も古い本籍地を知る為でしたね。昔は本籍地がほとんど居住地であったため、最古の本籍地を辿りその土地の当時の様子を知る事で、先祖の生き様を知ることができます。

ただ、本籍地と聞くと、あれ、自分の本籍地ってどこだっけな?などと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。一昔前までは、運転免許証などに記載されていましたが、今では個人情報の観点から記載されなくなりましたね。どうしてもわからないという方は住民票を本籍地の記載を含めて取得してみるといいでしょう。

戸籍の取得は、本籍地のある市町村役場に直接出向くか、郵送で取り寄せます。遠方だと出向くのも大変ですから基本的に郵送になるでしょうか。ただ、郵送だと一週間から十日前後かかります。

市町村役場が近場にあるという方は、直接出向いてもいいでしょう。ただ、相続手続きの際の戸籍取得でもよくあるのですが、古い戸籍まで辿ることがあるのでどうしても時間がかかってしまいます。

オンラインでも戸籍が取得可能になる予定

時間にして1時間近く待たされることもありますので、その点は考慮しておくといいですね。戸籍法の改正(戸籍法の一部を改正する法律(令和元年法律第17号)は、令和元年5月24日に成立、運用は令和5年度中を予定しています)によって戸籍謄本等の取得はオンラインでもできるようになるようです。これは、嬉しいですね。

通常の戸籍取得とは異なり、ルーツを辿る場合の戸籍取得に対しては、果たしてどこまでオンラインでできるかはまだ分からないところが多いので、実際に運用が開始してからまたご案内できるかと思います。

また、戸籍を取得すると言っても、誰のモノでも自由に取れるわけではありません。原則として、あなたの戸籍、配偶者の戸籍、直系尊属、直系卑属の戸籍になります。それ以外の方の戸籍を取る場合は、委任状を取得する必要があります。

ちょっと難しい用語が出てきましたね。こちらをご覧ください。こちらは親族の範囲を図にしたものですが、このなかで赤い縦の枠内にいる方が「直系」にあたります。「あなた」より上が直系尊属、「あなた」より下が直系卑属です。

直系尊属の戸籍を辿りましょう

戸籍取得の基本や種類を確認しよう


取得の方法としては、まずはあなたの現在の戸籍を取る事から始めます。そして、父母、祖父母、曾祖父母と遡りたい先祖を辿っていくコトになります。

さて、戸籍と聞くとイメージするのは現在の戸籍であるこんな戸籍かもしれません。現在では全部事項証明書といいます。戸籍謄本のことですね。

子供が生まれときに取得した現戸籍

私の戸籍ですが個人情報の塊で、殆どお見せできません💦
こちらは電子化された書式になっていて、A4縦使いの横書きです。年代によって様式も異なります。

明治5年式(現在は取得できません)、明治19年式、明治31年式、大正4年式、戦後の新しい民法に基づく戸籍(昭和・平成の改製のものを含む)です。さらに、戸籍には3つの種類に分けられ、現在戸籍の他に改製原戸籍(かいせいげんこせき)、除籍(じょせき)というものがあります。

もっと言えば、相続手続きの際に必要となる戸籍と、ルーツの旅で取得する戸籍は少し違います。相続で戸籍が必要になるのは「相続人を確定」するためですから、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を取り寄せます。ここで、亡くなった方の戸籍を途切れることなく全て集めることが必要となるわけです。

一方、ルーツの旅をする場合の戸籍は、取得可能な最古の戸籍まで辿って本籍地を知る事にあるのですが、それだけではなく戸籍から様々な情報を読み解くことによって先祖の暮らしや生き様の物語を知る事にあります。

だからこそ、当時の時代背景や事件、当時の様子などを複合的に見ていく必要があります。ルーツの旅における戸籍の取得は、あくまでも第一歩ということですね。

実際にどういったことが読み取れるのか、実際の戸籍を使って見ていきましょう。

戸籍を読み解いてみよう

あぁ、この様式なんか見たことあるなという方も

一部にはなりますが、解説していきますね。

個人情報保護法は生存する個人の情報について規定していますが、ここでは個人情報に配慮して名字や本籍が特定される事のないようにしています。表記がわかりにくい点もありますがご了承ください。

①「かいせいげんこせき」といいます。法律の改正等によって書式が変更される元になった戸籍であることがわかります。「現戸籍(げんこせき)」(現在の戸籍)と混同されやすいので「はらこせき」と呼んだりします。

②戸籍を新しい様式に書き換える事を「改製」といいます。平成6年の法務省令に基づく改製で書き換えには役所ごとに一定の期間を要します。こちらでは平成18年4月29日に削除(閉鎖)されたことがわかります。

③筆頭者の氏名が記載されています。本籍と筆頭者がインデックスの役割を果たし、検索できる様になっています。亡くなった〇〇光さんは、改製後の戸籍(電子化された戸籍)でも筆頭者となります。

④本籍欄の表記になります。直系尊属の戸籍を辿り、最古の戸籍に記載されている本籍地を辿ります。従前戸籍(この戸籍の前に在籍していた戸籍)の記載も見逃さずにチェックしましょう。

⑤この戸籍の編成(新たに作成されたこと)の理由が書かれています。婚姻の届け出によって昭和24年3月14日にできたことがわかります。また、元の戸籍は紙に書かれていますのでボロボロになる等、滅失の恐れがあるので昭和45年5月1日に再製されたこともわかりますね。

⑥婚姻前の戸籍の本籍と筆頭者が書かれています。〇〇文次郎さんが筆頭者となっている戸籍を辿ることになります。

⑦光さんは養子縁組をしていたことがわかります。実親と養親との続柄が記載されています。養親(名字)を辿ることもできますし、実親(血筋)を辿ることもできます。

⑧平成9年2月23日にこの戸籍で亡くなったことがわかります。相続ではこの戸籍から光さんの出生まで遡った戸籍を全て取得することで法定相続人を特定していきます。死亡日の届け出は7日以内に行います。

⑨「未」ではなく、「夫」に縦線が入った状態です。光さんが亡くなったので筆頭者との続柄である「夫」を消した形になります。

⑩光さんの長女が婚姻によってこの戸籍から抜け(除籍)、夫となる山田さんの姓を名乗る(夫が筆頭者)戸籍を新たに編成しました。私の母ですね。

まだまだ、読み取れることはあるのですが、ルーツの旅という観点からすると、光さんの従前戸籍である文次郎さんの戸籍を辿るということになります。光さんは婚姻によってこの戸籍を作り、この戸籍で亡くなります。

二枚目もあるのですが割愛しています。ここで簡単な系図を作成してもいいでしょう。また、系図は単に線でつながれたモノにすぎませんが、ルーツの旅では、光さんがどんな人生を辿ったのか、事績を書き込んでおくのもいいですね。複数の関係者からお話を聞くとただの記憶が検証されてより正確なものとなります。

ルーツの旅は家族の絆を深めるきっかけにも

その過程が、家族とのコミュニケーションになる場合もありますし、先人に思いを馳せることにもなるでしょう。この戸籍からはより深く聞いてみたいこともありますが、内容的にかなり故人のプライベートにつっこむ話になるのでこれ以上は差し控えたいと思います。

もし、私が祖母に言葉をかけるとしたら、きっと「ごめんなさい」という言葉にすると思います。祖母との別れはあまりに突然のことで、何もしてあげられませんでした。中高生の頃は反抗期からひどい言葉をかけてしまっていましたし、なぜもっと思いやりをもって接してあげられなかったのだろうと後悔ばかりが募ります。

ただ、だからこそ仕事でも何でも一期一会だと思って取り組むようになりましたし、相続や終活といった仕事をするようになったのも何か縁を感じます。過去の出来事自体は変えられませんが、今の感情を書き換える事で過去の意味付けが変わるのかなと感じます。

さてさて、ルーツの旅はまだ始まったばかり。次回は、その次の戸籍を辿っていきます。


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