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根室本線を巡る旅 Ⅲ

❍この旅の宿へ

『とうろの宿』というところに宿泊する。この宿を選んだのは見た目が可愛かったから。

※お写真はFacebookより

宿につくと、女性が暖かく迎えてくれた。
「明日の予定は?」
「決まってないです」

まだこの時は何かをするか決めてなくてもどうにかなるかなと思っていた。
もともと博物館でも温泉でもずーっといられるタイプなので、何かあるだろうと思っていたのだ。宿の方は丁寧に地図を指さしていろいろ書き込みながら展望台の位置や資料館なんかを教えてくださった。

屋根がドーム型で吹き抜けになっていた。
窓から湿原が見えて綺麗だった。
結構好みの雑誌が多くて読みながら過ごした気がする。特にやることも無かったので、本を読んで寝る感じだった。とても贅沢な時間だ。

❍釧路湿原のまち、塘路を徘徊

翌日。予定は何もなかった。
作家のように閉じこもるような宿泊がしたかったのだが、日中は宿に居られないことがこの時わかったので仕方なく外に出る事にした。

宿の方に教えてもらったサルルン展望台に行きたいなと思った。
塘路駅前で自転車をレンタルする。
頼んでないけど200円安くなった。

線路脇を走ってサルルン展望台に向う。
途中で砂利道になり、とても自転車で通るような道では無かったがそのまま突き進む。グーグルマップで確認したけど全然場所がわからなかった。ピンが刺さってるのがすぐ手前の丘の上のようだったのでなんとなくそこを上がってみようかなと思ったのだが、二本足で上がれるような道では無かったので、諦める。

もう一回地図を見る。
分岐となる砂利道の前まで戻ったがやっぱり左に曲がるしかなかったのでもう一回同じ道を進んで、目の前の崖に挑戦しようとする。
這いつくばって上がってみる。
だがどう考えても、展望台を案内する道とは思えなかった。二足歩行の動物が通るような場所ではない。誰かに見られたら恥ずかしい。素直に砂利道へ戻る。

※今地図を見てみたらなんか水場を乗り越えてる?!

ここでもうひとつ、近くにあるサルボ展望台に行くことに方針を転換することにした。

サルボ展望台への入口は国道沿いにあるようだった。これはわかりやすそうである。


グーグルマップの案内通り目の前に来た。 

『ヒグマでます 迂回ルートこっち→』

すぐ脇の林道に案内される。
この程度の迂回がヒグマに効果在るのかはかなり疑問だったが、先程に比べれば展望台へのルートである確信があったのでとりあえず進んでみる事にした。宿の人に勧められていたのも大きい。

林道は普通の登山路という感じだったがとにかく人の気配がないように思えた。とりあえず音楽を流しながら歩く事にした。
(今だったら絶対ひとりでは行きたくない…)
とにかく急いで登った。
しばらく上がると木造の展望台があり、塘路湖とその横の湿原がたしかに見渡す事ができた。サクッと写真を撮ると慌てて下山した。

この後、標茶町資料館を訪れてすこし時間をつぶす。まだこの頃はリニューアルされる前で施設はかなり年季が入っているように思えた。

いい時間になったので駅で自転車を返し、一旦宿に戻ろうとする。

駅からの道のりは人影がなく、歩きながらこの町には自分ひとりしかいないのではないかという気持ちになる。

ちょっとうっかりしたらパラレルワールドに入ってしまいそうな感じだった。
民家から微かにテレビの音声が聞こえてホッとした。

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続く

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