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    ポエマーのポエム。

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旅行者

  旅行者 船で海を渡ってきたのだろう #0000ffの晴れ渡った空にドット絵の雲が流れ チタンの翼をもったカモメが カラーバーの海の上をあやうげに滑空していた 何も知らない懐かしい 来たことのない生まれ育った異国の町で私は 気づけばhighwayを走っている 出口のない 無限に同じ景色がつづく高速をずっと走ろう このいんちきな一瞬は永久に完結しているから 廃墟になったマンションで壊れているブラウン管TVの画面にとぎれとぎれ映るのは DVDにしてもらえない古いア

    • 泣いた小説

       とある業界の片隅に、ひとつの小説が生まれました。小説はブンダンという秘密結社に入りたいと切望していました。ブンダンに入るためには、ブンダン婆(バア)という遣り手婆に紹介してもらわなければなりません。  そこで「政治的に正しい小説です。どなたか紹介してください。すてきなSF的趣向や前衛的手法をとりそろえ、必要とあらば政権批判も致します」と書いた看板をサンドイッチマンのように体にとりつけ、ブンダン婆が現れるらしいと噂の街頭に夜な夜な立っておりました。  しかし、彼を見たセン

      • 人類は如何に神々として滅びるか

         神話、とよばれるものは、文明の黎明期に誕生する。神話が語る主なものの一つは、世界の始まりについてである。どうして、どうやって、海は生まれ、山が隆起し、大地は豊かに実り、われわれはここに在ることとなったのか。神話は、万物の誕生を、始原を語る。  始まりがあれば、いつかは終わりがやってくる。世界各地に神話が生み出されていた時期(年代のばらつきはあろうが)を人類の幼年期とするならば、現代を生きるわれわれは、その老年期を生きているのではないか。ともかく、いつかは終わりがやってくる

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