広告に興味がない人も思わず笑ってしまう広告事例の紹介⑨
スマホを使えばすぐに面白いコンテンツに出会えるこの時代、わざわざ広告をじっくり見ようという人はなかなかいません。しかし、世の中には広告に興味がない人でも思わず目を止めて笑ってしまう秀逸なクリエーティブがたくさんあります。この記事シリーズでは、そんなおもしろい広告事例を少しずつご紹介していきます。
10/7(木)のお昼12時~13時にはClubhouseで、本記事で紹介した事例をはじめ、世の中の気になるクリエーティブについてディスカッションを実施していますので是非聴きにきてくれると嬉しいです!
1.青山商事|洋服の青山「AIチャットボット スナックママ『よしこ』」
洋服の青山がホームページ上で展開する「スナックママ型AIチャットボット」。ターゲットはコロナ禍で誰にも悩みを相談できずストレスが溜まっている20~30代のビジネスパーソンです。
宮崎県にある日本一のスナック街のママたちに50時間以上のインタビューを実施し、「聞き上手技術」を分析し、そこから得られたデータを活用しているという面白くも本格的なチャットボットです。
「スナックママ よしこ」の特設ページでは悩み相談に答えてくれるチャットボットのほかにも、「よしこ」の自己紹介動画や、会社にいる聞き下手な人のあるある動画などのおもしろコンテンツも公開されています。
生活者とのコミュニケーションとしてチャットボットを活用すること自体は目新しいものではありませんが、「スナックのママ」という昔ながらの存在と「AI」という最先端技術の掛け合わせが笑いを誘う企画となっています。
洋服の青山のように爽やかでまじめなイメージのある企業ほど、こういったおふざけ企画を実施したときの話題性は大きなものになります。しかし、一方で乱発しすぎるとブランドイメージの棄損にもつながりかねないので、そのバランスも難しいところだなと感じます。
2.Pepsi「BURGERS ARE #BETTERWITHPEPSI 」
アメリカの大手ハンガーチェーンのマクドナルド、バーガーキング、ウェンディーズがドリンクメニューとしてペプシではなくコカ・コーラを採用しているという状況に対して、「ハンバーガーにはコカ・コーラよりもペプシのほうが合いますよ」というメッセージを訴えるOOHシリーズです。
大手ハンバーガーチェーン3社それぞれの包装紙の「赤、白、青」の部分をペプシのロゴの形に見立てることで「better with pepsi(大手3社のハンバーガーはペプシのほうが合う)」というコピーを表現しています。
また、別パターンのグラフィックでは、明らかに3社の企業キャラクターであると分かるコスプレの人々がペプシで乾杯する様子も描かれています。もちろんペプシはハンバーガーチェーン3社と契約を結んでいないため、企業ロゴやキャラクターの顔は直接的には描かれていません。
他社の包装紙で自社ブランドのロゴを作ってしまうというコアアイデアが非常に新しい企画です。
「コーラvsペプシ」の争いはもはや伝統芸とも言えますが、ついにコーラに加担する他社までイジり出すとは思いませんでした。
また、包装紙でロゴが作れてしまうくらい、ペプシはマクドナルドやバーガーキングと相性が良いんだ、という主張のこじつけ感が笑いを誘います。世の中のすべてがデータ化できてしまい、なんでもかんでもファクトが求められる現代を皮肉った広告でもあると感じます。
来年の広告賞プリント部門での活躍に期待できる作品です!
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