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カンヌライオンズ2020/2021 勝手にComedy Film Lions

2021年6月21日~25日に渡り開催されたカンヌライオンズ2020/2021。すべての部門の受賞作が発表され、様々な広告関連のメディアでも受賞作に関する議論が交わされています。

今回は、「Comedy Film Lions」と題し、カンヌライオンズ2020/2021のFilm部門でグランプリ、ゴールド、シルバー、ブロンズを受賞した作品を「笑えるかどうか」のみを基準にランキング付けしてみました。(完全に私見に基づいた結果となっている点、ご了承くださいませ!)

7月16日のお昼12時~13時00分には、Clubhouseにてカンヌライオンズ受賞作について数人でディスカッションを実施していますので是非聴きに来てみてください。


1位:CANAL+「THE SHOOT」

フランスの有料チャンネル「CANAL+」のCMです。「CANAL+」のサービスを一言で例えるなら「Netflixみたいなサービス」。CM内でも役者がその事実を何度も述べようとしますが、規制がかかりピー音がかかってしまうという内容です。「他社のサービス名を出せない」という広告の制約を逆手に取った秀逸なクリエーティブです。

2位:SETAPP「SNAKE」

ある男性が自分を蛇だと思い込む催眠術をかけられるが、その途中で催眠術師が電話のため退出してしまい、残りの人生を蛇として過ごすというストーリー。催眠術師が電話対応によって仕事を途中で投げ出してしまうという場面を通して「気が散ると、やるべき仕事が進まない。だからビジネスを管理するアプリSETAPPを使おう。」と訴求しています。肝心なメッセージが伝わりにくいのが難点ですが、「催眠術がかかったままの人生」という発想が面白いです。

3位:DENTISTE「TELL THEM」

口内のバクテリアを殺菌する口臭ケアスプレーのCM。ある男性が女性に告白し、女性からOKをもらうが、女性の口が臭いことに気付き、伝えるかどうか葛藤し続けるというストーリー。口臭の原因が内蔵の病気の可能性もあるため、「口臭を伝えることは、愛だ。」と伝えています。動画ラストの口臭を伝えた人と伝えられた人が喜び合う表現が、現実とはかけ離れすぎていて、思わず笑ってしまいます。

4位:MATCH.COM「MATCH MADE IN HELL」

世界最大級のマッチングサイトMATCH.COMのCM。2020年に世界がコロナ禍となったのは、「地獄の悪魔」と「2020年」がマッチングアプリで出会ってしまったからだというテーマで、二人がコロナ禍で閑散とした街でデートする様子が描かれます。擬人化を用いた作品は多数ありますが、「2020年」という西暦の擬人化というのが斬新です。

5位:AMAZON「IRONING」

AmazonのスマートスピーカーAlexaのCM。中世ヨーロッパ風の戦場を舞台に今にも死んでしまいそうな男性と女性の悲しい別れが描かれるのですが、突然アイロンをかけている現代人の男性が会話に乱入し、「彼死んじゃうの?」「さっきのシーン、もう一回やってくれない?」と世界観を無視した発言を連発します。実は現代人の男性は自宅でAlexaに動画の巻き戻しを指示しており、その様子を比喩的に描いていたというオチです。深刻な状況と楽観的な登場人物のギャップ、というのは笑いの王道表現ですね。


その他Film部門でおもしろ要素のある作品

BURGER KING「CONFUSING TIMES」


THAI HEALTH PROMOTION FOUNDATION「BOK CHOY」


BURGER KING「LATE NIGHT STORES」


MARS「SWIRLERS: BEST ENJOYED VERTICALLY」


GEICO「CLOGGING PROBLEM」


COORS BREWING「CANTENNA」


EQUAL PAY DAY「ETERNAL PREGNANCY」


MARS「FOR WHEN IT'S TIME」


SPOTIFY「LET THE SONG PLAY」


RC COLA「FAMILY」


PLENTY「XMESS」


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