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茶道具

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2023年6月の記事一覧

茶道具百話 涼感

茶道具百話 涼感

涼感と言うと、直ぐに茶席へガラス製品を持ち込む方が多い様です。
そのやり方は、余りにイージー過ぎると思われます。ガラス以外でも、涼を感じさせる道具は沢山有ります。

例えばこの画像の、高麗白磁の切子花入れは如何でしょう。外には、透かしの有る器物もオススメです。

茶碗・水指を平らにしただけでは、
涼しくなりません。掛軸に、雪や氷の語句。お菓子に、葛類。考えはじめると、次々とアイディアが浮かびます。

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竹花入

竹花入

従来の説では、利休居士が小田原参陣の折竹で花入を作られた。となっています。

本日永青文庫へ見学に行くと、居士作竹花入の説明文に「小田原が1590年、
翌年にはお腹を召されている。
わずか一年にしては、残された竹花入が多い。なので、小田原以前から作られていたのでは?が近年の考えと有りました。

少なからず驚き、ショックを受けました。皆様にもご披露します。

何代!?

濃茶碗を取り込み、主客が総礼をしました。客から「お茶碗のお作は?」と聞くので、私から(どうやら7代の、楽さんでしょう)突っ込みを入れました。

「えーと、7代は・・」(もうあんさん逹は、困ったもんだ。当代吉左衛門と弘入以降さんばかり、お得意でね~)

結局分からず(7代は長入さん)答えを
言いました。(さあ皆さん一緒に、唱えましょう!長・常・道・一・宗・左・長・得・了・旦・慶・弘・惺・覚・直)(長

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国宝茶碗

現在日本には、国宝の茶碗が八つあります。天目が5・志野・楽・井戸が1碗づつです。
この中の高名な「喜左衛門井戸」を、
実際に触れた経験が有ります。

恩師三田富子先生は、大徳寺孤蓬庵の小堀卓厳老師に弟子入りされて居ました。そのご縁で「忘筌」「孤蓬庵」を、拝借して御茶事を催した事も!

ある日先生から電話が有りました。
「大川君今京都に来ている。孤蓬庵であの井戸茶碗が、公開されている。
時間が有れば

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カフェ・オレ茶碗

カフェ・オレ茶碗

16歳の時同門の先輩に連れられ、茶碗造りに参加しました。そこは轆轤ではなく、完全手びねりでした。

陶土を良く練り空気を抜き、縄状にします。それを積み重ねて、形を作って行きました。
確か6月だったので、浅目にと心がけました。掛ける釉薬は、先生にお任せでした。
形はひどく・手取りは重く・口当たりは悪く・色はカフェ・オレみたい・
良い所無し!

以来56年も、ほったらかし~
先日片付け中に、発見。寂し

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雨漏り茶碗

雨漏り茶碗

天候の雨は、大の苦手です。
しかし茶碗の雨漏りは、好きでいくつか所持しています。

釉薬に出来た気泡・小さい入(キズ)などを通して、滲みた水分が原因です。
それがまるで雨漏りの様な、景色と
なります。

雨漏り茶碗と言って
まず思い浮かべるのは、根津美術館蔵の「優曇花ウドンゲ」でしょう。仏教上「三千年に一度、咲くと言う花」と伝えられる
表現に相応しい、不思議で怪しい風情です。また根津さんは、もう一

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