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雨漏り茶碗

天候の雨は、大の苦手です。
しかし茶碗の雨漏りは、好きでいくつか所持しています。

釉薬に出来た気泡・小さい入(キズ)などを通して、滲みた水分が原因です。
それがまるで雨漏りの様な、景色と
なります。

雨漏り茶碗と言って
まず思い浮かべるのは、根津美術館蔵の「優曇花ウドンゲ」でしょう。仏教上「三千年に一度、咲くと言う花」と伝えられる
表現に相応しい、不思議で怪しい風情です。また根津さんは、もう一つ「みの虫」銘の、雨漏り茶碗をお持ちです。こちらはやや浅目ですが、同じく
魅力的です。

茶人独特の(不完全の美)を、愛でる最たるものでしょう。一般の方から見れば、只の滲みに過ぎないのかも?

当家の分にも、焼き物好きの友人が「大川、これ綺麗にしてやろうか?」と、声を掛けられ驚きました。
観賞派の人は、どんな焼き物でも
ピカピカに洗います。

なまじ雨漏りがあると、稽古で茶碗銘が難しい様です。さてどんな、御銘が
出てくるでしょうか?