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茶道具

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2022年2月の記事一覧

手造り

多芸多才な友人から、手造り

茶道具を恵贈されました。

「前の茶碗の時はコテンパン

にやられたけれど、今回は

絶対大丈夫だと思うけれど」

と差し出したのは、何と長板

でした。陶器の手造りは頻繁に

目にします。木地の品は初めてで

とても驚きました。

{良く寸法が判ったね!面も角も

綺麗に磨けている・・所で木は何}

「それが女房の実家に在った杉の

古材。どこかの神社でもらったとか

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かざり もの

小習事の「かざりもの」を

する度に、恩師への感謝の念が

改めて湧き上がります。

かざりもの稽古の折{これは

恩師より頂戴の品}と言う度に

「先生随分沢山、三田先生から

頂かれたんですね!」と驚く社中。

常々「この子は将来教える様に

成る筈。だから道具を上げよう」

と仰せでした。

確かに恩師の教え通り、何とか教えて

来ました。次の代に託そうと考え

ますが・・・社中には人材が!

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陶芸作家

陶芸作家

「先生この茶碗良い柄

ですね、京焼ですか?」

{いいえ、アホヤキです}

「えっあほって・・」

「私達お茶を飲む時に、何の

為に茶碗を回してる。正面を

汚さない様、避けているで筈。

この茶碗では内側の紅梅部分

で、お茶を飲むからね~}

{どうせなら白梅の内側裏に

描いてくれれば、飲む時

向う側に紅梅が見えたのに}

「成程それで、あほやきと」

「商業的には道具屋で、紅白

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茶道具ヤフオクで買う

茶道具ヤフオクで買う

もう10年以上前ヤフオクで

品の良い薄茶器を落札。何気

なく、折々に使いました。

ある時専門家に見てもらうと

「大川さんこれ梅ノ木ですよ。

オマケに底に宗哲造と彫銘が」

言われてびっくり!底までは

良く見ていませんでした。

箱は良い桐ですが、当て箱。

友人にこれを話すと大騒ぎ。

「凄いじゃない中村宗哲!?」

私は作者より作品に重きを

置くので、田中・佐藤さんの

作でも構い

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稽古の茶道具 茶碗

稽古の茶道具 茶碗

この茶碗一つで、今週の

稽古の取り合わせが理解

出来るでしょう。

個人的には出し過ぎでは

ないかと?簾・梅・文机・

短冊・で、菅原道真公の

イメージが湧いて来ますね。

さてさてこれに油壷花入れ・

夜学蓋置・で完成です。

名古屋の名窯「夜寒焼」です。

前の持ち主が金繕いをして、

大切に使っていました。

一つの道具から

一つの道具から

今迄「巻子形」の香合を持って

いました。それでも「冊子形」

を欲しいと願っていました。

がしかし冊子形には色絵など、

派手な物が多く手が出ません。

この織部釉の冊子を見つけた

時は、うれしくて直ぐ飛びつき

ました。

「表題」が付いて無いので、どの

本にも見たてられます。源氏・枕・

伊勢・平家・他にも歌集色々・・・

うれしくてこの香合を主題にして、

取り合わせをしたくなります

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女将

女将

「まあ先生、これは南蛮縄のれん

の水指ですね!」なわのれん、と

言ったので可笑しくなりました。

{あ~た、いつからその居酒屋の

女将になったの?暖簾じゃなく、

アノ字はす・だ・れ・でしょうに}

社中からも笑いが起こりました。

その人たちに向かい{これはどこの

国で、作られた物ですか?}問うと

「南蛮ですから、ヨーロッパのどこか。

スペイン・ポルトガル辺りですか?」

{これは南

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軸先

軸先

掛け軸の軸先、代表的な物は

象牙・真塗・竹・製です。

更に流儀のお好みで、軸先に

蒔絵・漆絵などが有る品も。

意外と多いのが、銘木・陶器・

でしょう。また仏画などでは、

金属製も。

今回ヤフオクで購入した「短冊

掛け」には、驚きました。水牛の

角らしき物に、何と象牙を嵌めて

有ります。表具の裂自体も良く、

一文字・風帯・の竹屋町は見事!

そんな品ですから、好事家か

数寄者

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形状

形状

黄瀬戸の茶碗は、もともと「向付け」の

器からの見立てでした。その証拠に底は

ペッタンコの「べた底」、高台が有っても

低い物が殆どです。

有名な黄瀬戸茶碗「難波」を写した、あの

切立形ばかりを見て来ました。ですからこの

茶碗と出会った時は、驚きました。

緑の釉薬も良く出て、形状も高麗茶碗の様で

面白いと感じました。おまけに口造がとても

薄く上手く挽けていて、口当たりの良い事!

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飴楽

飴楽

お馴染みの楽焼には、いくつかの色が

あります。黒楽・赤楽は定番ですね。

次がおそらく、この飴楽でしょうか?

京都在住時、有名な茶道具商に可愛がって

頂きました。あちこちの茶事・茶会へお供

して、勉強させて頂きました。

或る席で主茶碗に、大樋焼きの黒楽が出され

ました。席を出てから小声で「大樋は飴じゃ

なければね」とささやかれました。

続けて「かの仙叟が加賀前田家に仕官の折に、

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二つ・三つ

二つ・三つ

神事の取り合わせに、この太鼓型の香合を

良く使います。その昔師走に茶友を訪ねました。

どうやら赤穂浪士の取り合わせの様でした。

本人は上手く取り合わせたとばかり「どうかしら?」

やや高飛車な言い方です。

画像と同じ形・柄の香合でした。{一つ多いね}

と言うと驚いて「何が多いって?」

{三つ巴は神社の社紋。大石の家は、家紋が二つ

巴ですよ。し・ろ・う・と・はよく間違えますね~

三つ

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初午

初午

我が家は商家で屋敷の中央奥、竹林の中に

お稲荷さんの社殿が在りました。ある朝祖父が

お参りに行くと、前に有る筈の稲荷像が一つ

無くなっていました。

どうした事だろうと、家じゅう大騒ぎです。

それが午後保育園から帰った、私の鞄から発見。

日頃から祖父に従いお参りしていました。自分では

記憶にないのですが、いたずら心が起きたのかも

知れません。

祖父は稲荷像が見つかった事より、私がそ

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梅に寄せ

梅に寄せ

母は八月の生まれなのに、名前が「梅子」

です。祖父が好きな花の名前を、付けたと

聞きました。その「梅子」の子息に生まれた

故か、私も梅が大好きです。

薄茶器・茶碗・干菓子盆・などは基より、

様々な梅文様の道具を持ちます。

一月から二月に掛けて、毎週の稽古に必ず

梅を一つは出します。そうそう梅地紋の釜や

御菓子にも梅が出せます。

毎年梅尽くしの道具で稽古します。お蔭で

社中全員、

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