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パイサーン師タンマヤートラでの説法~都合の悪いものにフォーカスするクセ~


今年12月1日~8日まで

東北タイのチャイヤプーム県内で行われた

タンマヤートラ(法の巡礼)で

パイサーン師がお話しされた説法が

ネットにアップされましたので

少しずつ翻訳していきます。

今日も、昨日に引き続き

タンマヤートラ2日目の朝に

お話しされた説法からの抜粋です。

今日のテーマは

「都合の悪いものにフォーカスするクセ」

としました。

朝の寒さの中でのお話が続きます。

私たちの心に苦しみが生じるとき。

それはどのようなカラクリなのかを

パイサーン師の鋭い視点で解き明かしていきます。

さて、今日も共に学んでまいりましょう!

。。。。。。。。。。
(2017年12月02日 朝の読経後の説法より抜粋)

カムキエン師のテープの中で、

寺に修行に来ていた

ある女性修行者との話をされてましたね。


その女性は、修行を始めてからも

顔色が冴えず、ムッとしていました。

カムキエン師は、彼女に

「どうですかー?」とたずねると


女性「私は、イライラしています」

と答えました。


その答えを聞いて、カムキエン師はこう答えました。


「その答えかたは、正しくないね。

 修行者にふさわしい答え方をしてみなさんな」

と言いました。


すると、女性はハッと気がついてこう答えました。


女性「私は、心のイライラを観ています」

と。


その答えを聞いて

「そう。それが正しいよ」

とおっしゃいました。


「私はイライラしています」と「私は心のイライラを観ています」

は全く違います。


私はイライラしています、だと

私自身が全て、イライラそのものになっちゃってる人なんです。

(プー・ペン)

でも、

私は心のイライラを観ています、であるとき

そのものになっちゃている人ではなく、観る人(プー・ヘン)です。

感じ方が違ってきますよ。


観る人になる時、私たちの苦しみは減っていきます。


寒さそのものはまりこんで、愚痴や不満を全身に覆わせるのではなく

寒さを観る人となるのです。

どうぞ試してみてくださいね。


寒さが体に生じたとき、寒さにはまり込まずに観る。

体の不快感が生じると、心はブツブツ文句を言いたくなります。


そのときに、体に生じている症状にただ気づくと

心は平常に戻っていきます。


寒ければ、寒いでいいじゃないか。

たったこれだけで死ぬことはない、と

心が寒さを受け止めることができますよ。


暑さ、寒さは自然のこと。自然の働き。

そう受け止められて、心が動くことはありません。


苦しみが生じているとき、というのは

拒絶し、否定し、心が動き回っているときなのです。


受け止めることができれば、苦しみは去っていきます。


寒さが、心を苦しませるのではないのです。

寒さを受け入れない心が、苦しみを生じさせるのですね。


何が本当の原因であるかを、しっかりと洞察する必要があります。


私たちは、あまり自分の心を洞察しようとしないものなのです。

ですからすぐに、外側のもののせいだと決めつけます。


もう一つ、別の側面から見てみましょう。


寒さで心まで苦しんでいるとき。


私たちは体に生じた寒さだけに焦点が合っているので

体全てが寒いと思い込んでしまっているのです。


でも実際のところは、体には体温があって温かいのです。


寒さは体全体の10%かもしれず

残り90%は温かいにもかかわらず

「寒い」と思い込んでしまいます。


寒さが生じているのは手や顔だけで

厚い服をまとっているところは温かなのに

寒さばかりに意識がいってしまうのです。


私たちは心のクセとして、都合の悪いもの

苦しませるものをフォーカスして

より大きく心まで苦しませようとします。


体の温かい部分には関心を持たず

体の冷たい部分にばかり気を取られてしまうのです。

              (続く)

。。。。。。。。。

浦崎感想

寒さは体の10%かもしれないのに

その10%が全部だと思い込んでしまう。。


うー、まさにその通り。

私たちは寒さだけではなく

心のクセとして、都合の悪いものや

たった少数のものを、大きく取り上げて

みてしまいがちですね。


そしてどんどん小さなものを大きく膨らませて

苦しみの物語へと発展させてしまいます。


体の10%に起こった寒さには、

その寒さにふさわしい適切なケアをする。

それ以上でも、それ以下でもなく

ただただふさわしくケアする姿勢って大切ですね。


大げさにもせず、無視することもなく

ただただ生じたことがらに

ちょうどいい対応をすること。


自分に都合の悪いことが生じると、

これが永遠に続くのではないか、などと

より悪い方へ悪い方へと考え

悲劇を勝手に作り上げてしまうことがあります。

それはドラマチックで刺激的なことなので

酔ってしまいがち。。


その時に、いち早く酔いから覚められるかが

勝負になってきます。


気づきを高める。

この身に起こってくる全てのことから

今日も学び続けてまいりましょうね!

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