見出し画像

パイサーン師タンマヤートラでの説法~森が時代遅れにならない理由~


今年12月1日~8日まで

東北タイのチャイヤプーム県内で行われた

タンマヤートラ(法の巡礼)で

パイサーン師がお話しされた説法が

ネットにアップされましたので

少しずつ翻訳していきます。

今日も昨日に続き2日目の夕べの説法から

抜粋してお届けします。

昨日は、パイサーン師が

決して時代遅れにならないものは「森」である、

とおっしゃられました。

今日は、その続きである理由を

お伝えしてくださっています。

。。。。。。。。。。
(2017年12月02日 夕べの読経後の説法より抜粋)

決して時代遅れにならないもの。

私は「森」だと思っています。


森は、私たちが生きるどの時代にあっても

必要不可欠です。


そして時代の変化が早くなればなるほど

その重要さが際立ってくるものでありましょう。


なぜなら地球に生きるものとして

森がなければ生きてはいけないからです。


大地・空気・大空。。


それら自然の循環を適切に

巡らせてくれる存在だからです。


これはもうはっきりとしていることです。


自然がいかに重要かに

私たち人間は深く気づいていく必要があるのです。


今はまだ知識としてしか

気づいていないかもしれません。


私は今年、フィンランドでの環境に関する会議で

コロンビアの研究者の発表を聞きました。


彼は、森と雨がどのように関係しているのかを

30年以上も研究している方でした。

コロンビアにもアマゾンの熱帯雨林のような

森林地域があります。


コロンビアの森に住む村人たちは、自分たちの経験から

「森あるところに雨がある」ということを知っているのですが

そのことをこの研究者はデータによって実証されていました。


過去30年の森林減少と、雨の関係。

一時期、その説を否定する人もいたのだそうですが

やはり森は雨を呼び込み、適切な湿度を保つ

重要な役割を果たしていると話されていました。


生きていくのに、人と自然を切り離すことはできません。


またこうした調査もあります。

周囲1キロメートル以内に、森などの緑がある地域に

住む人は、森などがまったくない地域に住む人に比べると

いわゆる現代病と言われる15の病気にかかる率が

少ないのだそうです。

ポーランドの研究者が発表されていました。

心臓病、糖尿病、うつ、、などの病気です。


私たちは森から単に

体の健康や栄養をいただくだけではありません。


心の栄養もいただいているのです。

そしてその影響は体にまで及んでくるのです。


大きな手術をした人が、

回復室で回復を待っている時

窓から緑が見える部屋と、まったく緑が見えない部屋とでは

その回復する力も変わってくるといいます。


また心の問題を抱えている人、

例えばPTSD(心的外傷ストレス障害)を負った人の

心の回復に森や緑などと接することが有効であるとの研究も

伝えられています。


PTSDというのは、何か大きな事件、殺人事件や

レイプであったり、交通事故や災害などの事故

あるいはまた戦争や紛争などに遭って強いショックを受けてしまい、

そのショックを長らく引きずって大きなストレスを

抱えてしまう障害のことです。


これらはとても治癒するのが難しいと言われています。

しかしそうした心に強いストレスを抱える人たちが

森の中や緑の多い場所でのアクティビティ

例えば絵を描いたり、ヨガをしたり、などを試みると

少しずつその傷が和らいでいくことが

韓国の実践で報告されています。


森林療法と名付けられています。

森の中での瞑想は、言わずもがなでありましょう。


私たちの体も心も、

自然の森と本当に深く関連しているのですね。


森からの癒し。

それらは誰しも必要としているものなのです。

           (続く)

。。。。。。。。。。。

浦崎感想


私自身、あのときのことを思い出しながら書いています。

まさにこの日は

森の中で気づきの瞑想をじっくり2時間

させてもらっていた日でしたので

パイサーン師のこのお話がぐっと

全身に染み渡るようでありました。


癒しというと

リラックスや心地よさだけを思いうかべがちですけれど

私がその時さらに感じたのは

強さ、でした。


「しなやかな強さ」

これは私がパイサーン師を始め、尊敬する師匠に

共通して感じることですけれども

森で感じたその強さは

彼らからも感じるしなやかな強さそのものでした。


自然の一部である自分の中にも

このしなやかな強さがある。

そのことを森は気づかせてくれるようです。


さて、明日はこの説法の最後の部分を訳します。

お楽しみにどうぞ!

 

ここから先は

0字

¥ 100

応援やサポートをいただくたびに、これからも翻訳や執筆を続けていこう!と励まされています。