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【無料記事】パイサーン師のモーニング説法~自分自身の価値に気づけば善きことがしたくなる(1)授業に参加しない子供たちから校長先生が学んだこと


★今日は9月スタートで、ちょうど新しい説法がはじまる切りのいい日なのでこの記事は、無料公開にします。

タイ仏教、特に
東北タイにある森の寺
スカトー寺に縁あるお坊さまたちの説法を
翻訳して毎日お届けしています。

ご登場いただくのは
再びスカトー寺住職、パイサーン・ウィサーロ師です。

今年も3か月の安居の期間が始まり
日々新しい説法を届けてくださっています。

朝食前のミニ説法。

今日からのテーマは

「自分自身の価値に気づけば
 善きことがしたくなる」

今日の部分のタイトルを

「授業に参加しない子供たちから
 校長先生が学んだこと」

 としました。

 ある田舎の学校でのお話。

 この校長先生、ナイスです!

と、しました。

 
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(0:01~4:33)
<2021年8月30日 朝食前の説法@スカトー寺>

数年前、
田舎のある学校でのことです。

その学校の校長先生が
学校内を巡回していました。

何か変わったことはないかな
どこか壊れているものはないかな

そうやって巡回しているときに
ある建物の下で

4-5人の児童が隠れて
たむろしていました。

校長先生はその児童たちを呼んで
出てくるように言いました。

自動たちは最初なかなか
出てきませんでしたが

校長先生が
「どうして教室に行かないの?」
と聞いてみると

子供たちは
「算数の授業を受けたくないからです」
と口々に言いました。

「算数の授業は聞いてもわからないし
 宿題もやってこなかったので
 行きたくないのです。

 また先生に叩かれたくないので
 行きたくないんです」
と、言いました。

その話を聞いて、校長先生は
さらに彼らに聞きました。

「算数が好きではなかったら
 他のどの科目が好きなんだい?」

するとその子たちは

「どの科目も好きではないです」

と答えました。

国語も、社会も、理科も好きな科目は
ないといいました。

校長先生は、次に
こう聞きました。

「それでは、君たちは
 どんなことが好きなの?」

するとその子たちは答えました。

ある子は、バイクを修理するのが好き
ある子は、髪の毛を切ってあげることが好き
またある子は、農業が好き
と言いました。

これらを教えてくれる授業は、
この学校にはありませんでした。

彼らのその答えを聞いて
校長先生は考えさせられました。

そしてその児童たちを連れて
算数の授業をしている教室に連れていき

算数の先生に、この子たちを
叩かないでと約束して、教室に彼らを
戻しました。

その後、この校長先生は
あることを始めました。

それは、あの子たちが好きだといっていたことが
学べる授業ができないか、と考えて
先生となってくれる人を探し始めました。

しかし、学校では通常の授業も
あるわけですから制限もあります。

そうしたことを考えて
校長先生は、先生となってくれる村人の
ところへ行って授業を受けられるように
工夫しました。

バイクの修理が好きな子には
村の中にある車やバイクの修理をやっているお店に
教えてもらいに行くのです。

村だけではなく、
もう少し広い区の範囲まで広げて
協力してくれる人を探しました。

髪を切る、理容をやってみたい子には
村にある理髪店にお願いして
子供たちに教えてもらいました。

こうして学校外で
村人が先生になっての授業を
1週間に2回行うことになりました。

そしてアドバイス役として
学校の先生も一緒についてきました。

何をアドバイスするかというと
子供たちが自分自身で
何を学びたいか、何をいつまでに学びたいか
という予定づくりと実践のための
アドバイスです。

そのようにして、学外での授業を
取り入れたその学校では

子供たちが通常の授業も
熱心に取り組むようになっていきました。

特に、自分が学外で研修している授業に
関連する科目は、とりわけ熱心になりました。

その校長先生はまた
子供たちに賞を与えることにしました。

学外の授業で何かを達成したら
それをほめたたえる賞を作ったのです。

たとえば、バイクのタイヤの修理が
一人でできるようになったら
その子に賞状と5バーツ(約18円)の賞金を
あげました。

               (続く)

。。。。。。。。。。。
浦崎感想

算数の授業がつまらなくて
全然わからないので、さぼっちゃおう。。

この子たちの気持ち
わかる~!!

と思いました。

もちろん熱心に、丁寧に説明してくれる
先生もいますが
わからない子がいても、そのままにしてしまい
威圧的な指導をしてしまう先生もいますからね。

一度算数が苦手だと思って
自分から追いつくように努力する
ということは、結構難しいですよね。

そして、この校長先生。

このシチュエーションだと
校長先生も授業をさぼった子供たちを
叱りつけてしまう、
そんな展開され予想されます。

しかし、先日のパイサーン師の説法にも
あったように

なぜ?どうして?と
その行動の理由を直接聞いてみる。

この事例でもまさに
活かされているところですね。

子供たちが授業をさぼる。
それはもしかしたら、子供たちだけの
責任ではないと、校長先生も
感じておられたのかもしれません。

そして、子供たちのやりたいこと
好きなことを聞き出した校長先生。

日本でいう、職業体験学習
というようなことを実現していくわけですね。

子供たちの好きと
大人の協力者をつなげていく。

私もタイの田舎に住んでいるので
なんとなくこの校長先生の行動の雰囲気が
感じ取れます。

村の人たちは農業だったり
理髪店や修理屋さんなど自営業をしている人も
たくさんいるので

そこに子供たちが学びに来たい、という
申し込みがあれば、おそらく
多くの人が歓迎してくれることでしょう。

子供の気持ちに寄り添う
校長先生。

その姿勢、アイデアと行動力。

私の7歳の息子は
トラクターやトラックが大好きで
いつも絵を描いているので

トラクターで畑を耕す授業があれば
喜んで飛びついていきそうです(笑)

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