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【無料公開】パイサーン師のモーニング説法~カムキエン師の精進に学ぶ~


タイの森の寺、スカトー寺の住職

パイサーン師の説法エッセンスをお届けしています。

今日はパイサーン師の師匠

カムキエン師のご命日にちなんで、無料公開にいたします。

スカトー寺では

昨日の晩から夜通しで瞑想修行が行われています。

説法自体は一昨日のものを訳します。

テーマは「カムキエン師の精進に学ぶ」

としました。

今ここでできる最大限のことを

コツコツと続けていく。

その姿を改めて学んでいきたいと思います。

「月刊:浦崎雅代のタイの空(Faa)に見守られて」の
継続マガジンは、月額500円でお届けしています。

 毎朝説法をアップしていますので、
もしよかったらご購読よろしくお願いします!

。。。。。。。。。。

(2017年8月21日 朝食前の説法より抜粋)

みなさん、もう安居も半分過ぎましたよ。

(訳注:安居とは雨季の約3か月間、僧侶が移動せずに

    寺にこもって修行をする期間のこと)


時が過ぎるのは、早いですね。

この1か月半で、何を得ましたか?


得るといっても、お金や物のことではありません。

心がどのように高まっていったでしょうか。

どれだけ良きことをなすことができたしょうか。


目に見える財産も大切で、必要なことですけれども

それだけに依存して生きることはできません。


残された日々の中で、どれだけ良きことを

良き徳を積んでいけるのか。

心に法(タンマ)をたずさえていくことができるのか。


それは、目には見えませんが

崇高な財産となっていくのです。


私たちは安居に入り、その半分の期間が過ぎましたね。

その分だけこの、心の財産を育んできたのです。

木にたとえるとしたら

根っこが土の中に広がってきたようなものです。


安居の初日から今日までの1か月半で、根づいてきているわけですね。

根は深くなり、幹が太くなってきました。


3か月もすれば、しっかりと根付いていきますよ。

1日1日、しっかりと積み重ねていくことによって

少しずつ少しずつ賢くなっていきます。


心についての学び、人生についての学びが深まっていくのです。

苦しみが生じても、苦しみからの解決があることを

知ることができるようになります。


それを己自身で知ることができるのです。

体に起こる苦しみだけではありません。心もそうです。

心が力強くなっていきます。


安居の初めの頃は、難しいと思っていたことも

少しずつ楽になっていきます。


例えば、「布施」ということ。

自分の持っているものを

必要としている他者に捧げていくことですね。


ものだけではなく、何かに協力して参加することもそうです。

自分の損になることばかりを考えるのではなく

相手の手助けとなることに、関わっていくこと。


これも布施の一つです。


私たちは、心の強さが増していくにつれて

それまでは難しいと思っていたことにも

挑戦していけるようになります。


これは手放せない、、と執着していたものも

手放すことができるようになっていくのです。

少しずつ難易度の高い良きことに

挑戦できるようになっていきます。


良きことにも、始めるのに簡単なものもありますし

取り組むのに難しいものもありますよ。


ブッダが王子の位を捨てて出家されたこと

これはとても難易度の高い、良きことであるといえましょう。


私たちは、はじめは難しいなと思う良きことも

毎日少しずつ少しずつ取り組んでいくことで


だんだん楽になっていくものです。

戒を守るということもそうでしょう。

最初は五戒(不殺生・不偸盗・不邪婬・不妄語・不飲酒)を守ることも

大変だな、という人も、

日々守り続けることで、

だんだんと身について楽になっていくものです。


少しずつ、少しずつ、努力を続けていくことが大切です。


だんだんと容易くなっていきますよ。


22日の夜8時から、翌朝まで

カムキエン師の遺徳を偲んで夜通しの修行を行います。


こう聞いただけで「私は無理だ、できない」と

思ってしまう人がいるかもしれませんが

ぜひできるだけ取り組んでみましょう。


自分自身に挑戦してみる。

一人では厳しくても、仲間とともに修行に励むことで

仲間の力を感じながら実践することができますよ。


挑戦してみて、もちろん無理ならば、

それはそれでOK。大丈夫ですよ。


できるところまで挑戦することが大切です。


師であるカムキエン師のことを思い起こし

精進の姿勢を私自身も身につけようと努力する。


師への尊敬の思いは、私たち自身に

努力することの大切さを呼び覚ましてくれるものです。


ぜひ、ともに取り組んでいきましょう。

。。。。。。。。。。。。。。。

浦崎感想

カムキエン師は、3年前の2014年8月23日

朝5時ごろ息を引き取られました。


パイサーン師の説法でもあったように

昨日から今朝までスカトー寺では

夜眠らずに手動瞑想、歩行瞑想に取り組まれました。


これはもちろん強制ではなく

あくまで自らが決意して行なうことです。


努力・精進の大切さ。

最初は難しいと思うことでも

少しずつやってみる。

修行に限らず私たちは

やり続けていくと、だんだんと楽になっていくことを

体験することが多いものですね。


自分を痛めつけるのではなく

自分を鍛えていく。

体にいろんな症状が起きても、

そこにはまり込まずに、気づきを保っていけるか。

心と体をはっきりと観ていくことができるかに

挑戦していくわけですね。


カムキエン師が亡くなられる時の様子を

私は以前ブログに書いたことがあります。

【カムキエン師】ルアンポー最期の瞬間-自ら死に水を取る。

最期の瞬間まで

気づきを高めていかれたカムキエン師。


人は病み、死がこれだけ間近になっていても

心穏やかに逝けるのだということを

その身で伝えてくださったように思います。


ありし日のカムキエン師を偲びつつ

精進の姿勢を私たちも身につけていきたいものです。

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