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40代女子のリモートワークの苦悩

3月末からリモートワークになり、だいぶ慣れてきてはいる。

私は以前は音楽業界に勤務していたが、今はIT企業勤務なのでリモートへの移行も比較的スムーズだとは思う。ちなみに前職の会社はいまだに出勤することが美徳、出社することが成果。と考えているold schoolな人が多いので、せっせと三密で打ち合わせをしているらしい。馬鹿馬鹿しい。本当に辞めてよかったな、と思っている。

今会社の人とはzoomでそれぞれの部署の部屋で朝から挨拶を交わし、会議をし、slackでマメにコミニュケーションをとっているので何ら不自由はない。zoomではsnapカメラで背景を変えて遊び、let's viewのミラーリング機能や画面共有で資料を共有し、外部の人とも打ち合わせもスムーズになってきた。移動時間もなくなり、さっと米を研いでおいたり、子供の勉強も少し見てやったり、夜は早めに家族で食卓を囲む。いいことづくめな気もしている。便利だ。とても便利でコロナ明けもリモートでいいんじゃないかとも思っている。

しかし、一方で私のような40代後半の人間にとってはやりにくい部分もある。

例えばこうだ。

仕事で行かなければならないライブを観にライブハウスにいく。そこでばったりレコード会社の知人に会う、「あれ!元気?なんで来てるの??このバンドいいよねえ。うん、私も気になってた。あ、久々にこの後ちょっと飲みに行かない?」

そうやってそのまま飲みに行くと、そのBARにはそのレコード会社の人の知り合いがいたりする。その人のことは、知らない。でも「こんにちはー」なんて言いながら自己紹介をすると、共通の知人が多いことに気づき盛り上がってしまう。「実は、今度うちからこんなシンガーソングライターがデビューするんだけどね、、、よかったら今度ライブあるから来てくださいよ」翌日音源をチェックするとなんてカッコいいんだ!一緒に仕事しようよ!と、なる。

同じように、大手のレコード会社に誰かにアポをとって行く。そのアポが終わると、別のフロアをフラフラ挨拶しながら情報を集める。そこで、また新しいアーティストや楽曲と出会ったりする。そこから、また仕事が生まれる。「一緒に仕事しようよ!」

そんなひょんな出会いから、仕事なのか仕事じゃないのかわからないような場所や本来の目的じゃない人から、偶然から、次から次へと仕事に繋がって行き、そんな些細なことが、実は自分の仕事にとってターニングポイントになったり、大ヒット作品の源に居合わせたりして来たのだ。それは、我々世代だからなのかもしれないけれど。

zoomでのミーティングは、それで終わる。そのあとにちょっと別のフロアに遊びに行くこともなければ、観る予定だった対バンライブのその前に歌っていた原石を見つけることもない。

今後、誰かが飲んでるzoom BAR(飲み会ではない。BARがいい)にひょっこり現れることができたとしても、隣の席に偶然座っていて、マスターを介してちょっと挨拶してからなんとなく話して、そこから仲良くなって、、、みたいなことはないだろうなーとも思う。

今は日々自己研鑽するしかないのかもしれないな。

またどこかのライブハウスやBARで、オンラインではなく、オフラインで偶然の出会いがある日まで。