見出し画像

星をガチで撮りたくなったら

天体撮影はハードルが高い。しかもハードルが何個もある。

今回、キヤノンマーケティングジャパンさんから天体撮影モデルをお借りして試すと、なんだか撮影が簡単になった印象があった。
そこで改めて、天体撮影のハードルを洗い出してみました。

1:星に対する知識

煌めく星たちだけを撮りたいならば気にしなくて良い星の知識。
ただ「星座」「星雲・星団」「彗星」のような天体を撮りたい場合は、いつ・どの方向にという知識は知る必要がある。ネットで調べた知識だけでは足りない。
星を探すアプリがあったとしても、星を見慣れていなければ「この星が・・・シリウス?」みたいになる。とくに星雲や彗星は肉眼では探しにくい天体でもあるので、難易度はさらに上がってしまう。

あと、月はかなり明るく空を照らすので、星撮影の天敵です。

2:天候

機材をお借りで来た期間は2週間。月明りの影響が少ない時期ではあるものの、天候がすぐれない日も多く難儀しました。
光を操るカメラにおいて天候・日差しはとっても重要な要素だけれど、それは天体撮影もおなじ。撮りたい天体の周辺に雲があるかないか・・・それを常にチェックする必要があります。

ざっくりは気象予報サイトで確認するけれど、空がクリアになった瞬間(しかも寒い夜中)というのは、けっこうしんどい。

3:撮影時間と環境

月は毎日出てくる時間も形も変わる。
星は地球の自転に合わせて動いているし、公転によって見える星が変わる。
季節の星座と言うけれど、撮りたい星がいつ・どこに見えるのか・・・常に変化している。

そして、イチバン気になるのは「空の明るさ」かもしれない。
都会は星が見えないというのは、街の明かりが空を照らしてしまうから。街明かりが空を照らしてしまっては、星の光を撮る前に露出オーバーになってしまう。星空撮影にとって大きな痛手。
災害で電気が止まってしまった時、空の本当の暗さと星の光に気づくといったSNS投稿もよく見かけるようになった。

ガチで天体撮影する人は、街明かりの影響がない場所に行く。でも危なかったりするので、私自身はなかなか行けない。(ちなみに我が家はオリオン大星雲がベランダから肉眼で見えるレベル)

4:他の機材

三脚はもちろんなのだけど、月のクレーターや星雲をアップで撮りたかったら望遠レンズでは足りない。天体望遠鏡と一眼レフを組み合わせることも必要になってくる。

そして望遠にすればするほど、短時間で星は線になる。
地球が動いている証拠で、長くシャッターを開けていればそれだけ星は動くき軌跡となって写る。
それを防ぐのが「赤道儀」という機材。
赤道儀を天体望遠鏡やカメラに装備すると、地球の動きに合わせて動いてくれるため星が点で描写される。

明るい月を撮る時は赤道儀は不要。でも、淡い星たちを切り取る時は必要になる。そして赤道儀の使い方もまたコツがいる。

5:ピント合わせ

とにかく空に輝く星を撮ってみようと思ったとする。そのうえで一番ハードルが高いのがピント合わせかもしれない。
そもそも星は暗すぎてオートではピントを合すことができない。星を拡大してマニュアル操作する必要がある。しかも星がうまく背面液晶に映るなら良いけど、暗すぎて見えない場合もある。(そんな時は遠くの鉄塔の明かりなどでピントをあわせたりする)

フルーオートから急なマニュアルは少し慣れが必要。

ーーーーー

そんなこんなで、ハードルを書き出してみたけど星空撮影って特殊だなあと改めて思う。スナップも風景写真も太陽か人工で作られた光が地球の中で拡散されたものをカメラで集めている。けれど、星空撮影は地球どころか太陽系の外にある光を集めている時点で違う。

そんなことを思いながら、お借りした天体撮影モデルはそれらのハードルを少しずつ下げる機材だったので、次回語りますね。
(語る前に現状のハードルを確認したかった)

いつもありがとうございます。頂いたサポートは書籍費・機材費などに使わせていただき、ブログなどで情報を還元いたします。