永遠を抱きしめた、あの瞬間
プロローグ:風が運ぶ思い出の灯
人はいつも、誰かを愛し、そして見送る。 壊れた愛を追い続け、次の出会いが訪れないのではないかという不安に苛まれながらも、人は歩みを止められない。かき消すような出会いが、思いがけない瞬間に訪れる。
京都の紅葉が街を鮮やかに染める頃、一組の男女が偶然会いに行った――それは、人生最後の章に新しい光を見出した二人の物語である・・・
1. 孤独に揺れる日々
BOSSは、、、
広告代理店の世界で数々の成功を収め、多忙な日常の日々を過ごしてきた。SNSへの投稿が、彼の孤独を紛らわす唯一の手段だった。
彼がアップするのは、ありふれた家庭料理の写真や、心に浮かんだ断片的な思い出だった。
奈緒子は、、、
若い頃はOLとしての夢を持っていたが、料理を愛し、インスタグラムに日々の食卓を記録するのが彼女の楽しみだった。日常に満たされない心の隙間を定めるための習慣となっていた。
2.心の奥に響いた言葉
ある日、奈緒子は偶然BOSSのインスタグラムにたどり着いていた。
そこにあったのは、質素な家庭料理の写真と、「食卓には、人が忘れていたことを思い出し、忘れられないことを手放す場所」、と書かれていた短い一文。奈緒の心は、その言葉に不思議な共鳴を覚えていた。
思わず「素敵な言葉ですね」とコメントを残しました。数分後、「ありがとう」という短い返信が届きました。ほんの少しのことでしたが、奈緒の心に小さな火がともるのを感じました。
3. 見えない糸でつながる心
それ以来、二人はお互いの投稿にコメントを重ね、ダイレクトメッセージでの会話が日課となり日常が少しだけ変わった気がしていた。
「いつかお会いできたら嬉しいです。」
後日、奈緒子はそうメッセージを送りました。BOSSはしばらく考えてから、こう返信しました。
4. 紅葉の街での出会い
秋が近づいた京都の街。二人は、紅葉が揺れる静かなカフェで対面した。
BOSSは少し緊張しながらも、奈緒の姿を見つけて、自然と微笑んだ。彼女の表情は、写真で見た以上に優しく、どこか懐かしい温かさがありました。奈緒子もまた、BOSSの穏やかな眼差しに心を打たれ、初めて会ったとは思わないほどの安心感を思い出しました。
その日の午後、二人は肩を並べて京都の街を歩いた。
風に舞う紅葉の中で、自然と手を繋いだ瞬間、二人の心は確かに結ばれた。
5. 愛という形を持たないもの
二人の関係は、若い頃に求めたような情熱的な恋ではなく、静かな信頼と理解に支えられていた。 奈緒子はBOSSの前に料理を作り、その写真をSNSに投稿することが日常の喜びとなった。BOSSもまた、奈緒子とのメッセージを見て返し、彼女の存在が心の支えとなっていることに気づいた。
6.永遠を抱きしめた瞬間
「人生が終わりに近づいても、君との時間は永遠のように感じた。」
BOSSは奈緒子にそう宣言、そっと彼女の手を掴んだ。 奈緒子の瞳には静かな涙が浮かんでいたが、
「私も同じ気持ちです。」
そう答えた彼女の笑顔は、人生の最後に見つけた愛の証だった。
7. エピローグ:時を超えて残るもの
その後も二人はSNSで幼い日々の思い出を共有し続けた。奈緒のインスタグラムには、BOSSとの穏やかな日常が記録され、BOSSの投稿には彼女への感謝が静かに綴られてた
「愛とは、過去や未来ではなく、この瞬間に宿る温もりだ。」
二人は共に老いていくことを恐れず、今という瞬間を抱きしめながら一気にであった。
おわりに
『永遠を抱きしめた、あの瞬間』は、過去の痛みや喪失に囚われず、今この瞬間に新しい愛を見つけることの大切さを描いた物語です。恋は人生の終盤でも新たな希望をもたらし、私たちを前へと導いてくれる――そんなメッセージが、二人の物語には込められています。
紅葉が短い間だけライトに消えて落ちていくように、人生もまた一瞬の連続です。
「恋をするから、人生は楽しい。」
その真理は、失くした恋も大きいけれど、
今の恋は新たなもっと大きな希望だから
振り返ることに意味は無し(笑)
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