キャッシュフローから分かること
個別株の企業分析をやっていると目にする『キャッシュフロー(C/F)』という用語について、私の勉強ついでに投資初心者でも分かりやすいようにまとめてみました。
■キャッシュフローとは何か
キャッシュフローはお金の流れを表します。もっと詳しく言うと、一定期間における企業の現金および現金同等物の収入と支出の差額のことです。各企業から公表されているキャッシュフロー計算書に記載されています。
キャッシュフローの数字ですが、支出より収入が大きければプラス、支出より収入が少なければマイナスになります。また、現金同等物という項目がありますが、現金同等物残高が前の期と比べてプラスになっていれば金回りが順調で、経営状態もよいと判断できます。企業分析をする際は、キャッシュフロー計算書も見ることをお勧めします！
■3つのキャッシュフロー
キャッシュフローには、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの3つが存在します。
・営業キャッシュフロー
本業による収入と支出の差額のことです。本業を行った結果、手元のお金が増えたのか減ったのかが分かります。つまり、プラスであれば本業が順調である、マイナスであれば本業で苦戦していて現金不足と判断できます。基本的に営業キャッシュフローはプラスであることが大前提になります。
・投資キャッシュフロー
企業の投資活動によるお金の流れであり、設備投資や企業買収などの将来の事業拡大のための支出と、投資の結果、どれだけお金を回収できているかの差額を表します。投資キャッシュフローがマイナスの場合は企業の将来のために投資していることが判断できますので、来期以降の業績がよくなる可能性があります。ですので、優良企業は投資キャッシュフローがマイナスになる場合が多いです。
・財務キャッシュフロー
出資の受け入れや金融機関からの借入など資金調達による財務活動のキャッシュフローを表します。資金調達額が、返済より多い場合はプラス、逆に返済が多い場合はマイナスになります。財務キャッシュフローから、足りない資金をどのような手段で入手したのかが分かります。一般的に優良企業は財務キャッシュフローはマイナスが多いですが、経営難にもかかわらず、返済を迫られてやむなくマイナスの場合や、積極的に投資活動を行う企業の場合は、借入額も大きくなるのでプラスになる場合もあるので、企業の業績や事業活動に見合ったものか注意が必要です。
■キャッシュフローを使った企業分析
上記3つのキャッシュフローの組み合わせは以下の3つのパターンが多いです。
左側の優良企業の場合、本業で稼げているので営業キャッシュフローはプラス、投資を行っているので投資キャッシュフローはマイナス、借入を返せているので財務キャッシュフローはマイナスになります。ちなみに無借金経営の企業で自社株買いや配当などの株主還元を行っている場合は財務キャッシュフローがマイナスになります。例でいうと任天堂ですね。
真ん中の積極投資企業の場合、営業キャッシュフローはプラス、投資キャッシュフローはマイナス、借入額は多いので財務キャッシュフローはマイナスになります。どの事業分野に投資を積極的に行っているのかを調べてみると、将来業績が伸びるかどうか判断できると思います。
右側の懸念企業の場合、本業で稼げていないので営業キャッシュフローはマイナス、成長のための投資も行えておらず、借入も多いと判断できます。このような企業の株を買いたいとは思いませんが、もし購入を検討している場合は、一時的なものなのか、今後も懸念が続きそうなのか調べることをお勧めします。
また、自由に使える手元資金を割り出す方法としてフリーキャッシュフローというものがあります。営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを引いたもので、プラスであれば本業の利益で、借金をしなくても投資が出来ることを表しますので、経営状態が良いと判断できます。プラスの値が大きければ、新規投資や借金の返済、自社株買いや増配などの株主還元の強化が期待できます。
逆にマイナスであると借金をしないと成り立たないので注意が必要です。大型の投資による一時的なマイナスであれば心配は不要ですが、マイナスが続くようであれば、経営状態や経営戦略に難有りの可能性があります。
キャッシュフローを使った企業分析いかがでしたでしょうか。気になる企業があれば、それぞれの数値がプラスなのかマイナスなのか確認してみてください！企業選定の助けになりましたら嬉しいです。
また、私の書いた過去記事に会社四季報の読み方をまとめたものがありますので、こちらもお時間あれば見ていただけると嬉しいです！
ではでは〜。
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(*- -)(*_ _)ペコリ
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