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株式投資の基本 PERとは

 株式投資の基本である企業の株価が割安、割高であるかを測る指標の『PER(Price Earnings Ratio):株価収益率』について、記事を書こうと思います。株式投資だけでなく、ビジネスをする上でも一般教養に当たる内容なので、最後まで読んでくれると嬉しいです☺️


■株価の割安、割高ってどうやって決まるの?

 クイズです。ここに携帯電話を販売するA社とB社、二つの会社があります。
・A社の株価:10000円
・B社の株価:6000円
 どちらが割安、割高でしょうか?

 正解は分からないになります。中身も違う二つの会社なので株価だけでは判断できません🤔

 次に、会社の中身に触れていきます。
・A社は時価総額:10兆円
・B社は時価総額:3兆円
 どちらが高い、大きいと言えるでしょうか?答えはA社になります。なぜなら、会社を丸ごと買収しようとした時の値段を表す時価総額は以下の式から求められるからです。
 時価総額=株価x発行済み株式数

引用:https://baibull.net/wp/about-market_capitalization/

 2つの会社を時価総額で比較することはできますが、株価は発行済株式数によって上下するため比較することはできません。

 次に株価はどのようにして決まるのか。以下の計算式から求められます。
 株価=EPS:1株あたりの純利益xPER:株価収益率
 EPSとは発行している1株に対して企業がどれだけ利益を稼いでいるのかを表す指標になります。計算式はEPS=1年間の純利益÷発行済み株式数になります。

 では、表題にもありますPERとは何でしょうか?これまでの計算式より、PERは下のような計算式に置き換えれます。
 PER=株価÷EPS=(時価総額÷発行済株式数)÷(1年間の純利益÷発行済株式数)=時価総額÷1年間の純利益となります。つまり、会社の値段に対して、利益の何年分買われているかを表します。
 不動産投資を例に挙げると分かりやすいです。800万のアパートを購入し、1年間に80万円の利益が出るとします。すると、10年で投資回収できる計算になります。もちろん、10年未満で災害等でアパートが全損してしまえば、回収はできませんが、そんな事件が起きない限り、10年経てばそれ以降はすべて利益になるとも言えます。
 株も同じ考えで、今と同じ利益が出続けると仮定した場合、何年で回収できるかを表したものをPERと言います。つまり、PERが高い(回収できるまでの期間が長い)と割高、PERが低い(回収できるまでの期間が短い)と割安と判断できます。

 上記含めて、A社とB社を比較してみます。
A社
・株価:10000円
・時価総額:10兆円
・EPS:1000円
・1年間の純利益:1兆円
→PER=時価総額÷1年間の純利益=10兆÷1兆=10倍
PER=株価÷EPS=10000÷1000=10倍

B社
・株価:6000円
・時価総額:3兆円
・EPS:200円
・1年間の純利益:1000億円
→PER=時価総額÷1年間の純利益=3兆÷1000億=30倍
PER=株価÷EPS=6000÷200=30倍

 上記より、A社を買収した場合、投資回収に10年かかるのに対し、B社は30年かかるため、A社のほうが割安と判断できます。
 まとめですが、株価だけでは割安か割高かは判断できません。時価総額と利益の関係で株価を考えることで割安か割高かが分かります。

■株価の中身を深く掘り下げてみる

 株価=EPS:1株当たりの純利益xPER:株価収益率で求められます。
 当たり前ですが、純利益が上がれば、株価は上がりますし、純利益が下がれば、株価は下がります。
 例えば、利益が上がる要因としては新商品が発売される、新サービスが開始される、あるいは輸出企業の場合は円安が進むなどが挙げられます。
 また、純利益が一定でもPERが上がれば株価は上がります。これは、金利が下がればPERは上がる状況を指します。逆も然りで、金利が上がればPERは下がります
 なぜそうなるかというと、株は将来まで無限に続くこと(定期預金と違って、株は満期がない)を前提としているので、長期金利の影響を大きく受けてしまうのです。特にPERは全業種、全会社が影響を受ける部分ですので、投資家は日銀やFRBの動向を気にしているのです。
 金利の影響でPERだけでなく、業績が左右されるような業種の場合は、株価への影響も大きいです。例えば不動産業の場合、金利が上がれば、PERが下がることはもちろん、借金をして商売を行う場合もあるので利益を押し下げる要因になるかもしれません。その場合は利益も下がり、PERも下がるので株価はダブルパンチを受けます😭逆に銀行業は長期金利が上がると利益が増えるので、株価は追い風を受けます😊

■PERを使う上での注意点

 PERを使う上での注意点をいくつか書きます。
①業種ごとに投資家が許容するPERは違うので、違う業種の銘柄をPERで比較して割安か割高か判断しない。
→下図のように各業種によってPERの中央値は違います。これは金利や景気によって業種が受ける影響度合いが違うからです。例えば、いわゆるディフェンシブ銘柄の食料品や情報通信などの業種は金利や景気の影響を受けにくいです。なのでPERは高い傾向にあります。逆に海運、鉄鋼、輸送用機器などの業種は金利や景気の影響を受けやすい景気敏感株なので、PERは低い傾向にあります。

引用:https://www.kabutore.biz/zaimubunseki/gyosyuall.html?url=per

 ②赤字や微小な黒字の会社に対して、PERで割安か割高か判断するのは難しい。
→赤字の場合はEPSが出せない(利益がないから)、また微小な黒字の場合、PERが無限大に見えるため。

■最後に

 PERは黒字会社の中で株価が割安か割高かを判断する一つの指標になります。PERは株式投資をする上で基本の知識になりますので、理解していない方はチャートだけでお遊びして買ってる人と思われてしまうので、しっかり理解したうえで株式投資をされることをお勧めします😊

 以上、長文になりましたが、最後までご覧いただきありがとうございます。参考になりましたら、いいねをいただけると助かります。
 ではでは〜。
 追伸:お気持ちをいただけたら、次回更新の励みになります。
(*- -)(*_ _)ペコリ

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