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愛着障害と月の幻想② マトリックスを乗り越える。

愛着障害には、大きくわけて2種類ある。1つは母親の胎内にいる時期に、胎内環境が悪かったことにおける「胎児期の愛着障害」、もう1つは育児が子どもと合わなかったことにおける、「育児期の愛着障害」である。

ここで知っておく必要があるのは、いわゆる虐待やネグレクトなどでなくても愛着障害は容易に起こりうるということだ。親が大切に真心を込めて育てたとしてもだ。

愛着障害は簡単に言うと、胎児期も含んだ物心がつく前のトラウマ体験である。物心がつく前ということは、言葉の力がはっきりと身に付く前の出来事であるということだ。これは非常に重要なポイントである。

3歳以前の記憶はない人が多い。それは言葉がまだ未成熟であることと起因すると言われている。言葉は「因果関係」の理解や本でいうところの「目次」の役割を担うことが出来る。

「私は高校生の頃に失恋をして、それが今も心の傷になっている」と、言葉が成熟していると、因果論的に、そして過去のことであっても目次的に、思い出し「理解」することが出来る。

しかし、言葉の未成熟な時期のトラウマ体験は、本人にとって、理解不能な体験のために、「雰囲気」としてしかフラッシュバック出来ない。そのため、強烈な恐怖や怒りの体験になってしまう。理解できない状況ほど怖いものはない。

一般的にカウンセリングは、言葉を用いて行うが、本質的に愛着障害の人は言葉が誕生する以前のトラウマ体験が元にあるので、言葉を用いてのカウンセリングは効果が非常に薄い。愛着障害の人にカウンセリングを行うことの難しさがここにもある。

占星術において、言葉は水星が担当する分野である。ちなみに惑星にはそれぞれ年齢が割り当てられており、水星は言葉をマスターした子どもたちが、知的好奇心旺盛に「あれ何?これ何?」と言う時期とリンクする。小学生くらいのイメージであろう。

愛着障害の人たちには、水星以前の力を用いたセラピーが効果的である。それは今回のメインテーマとなる月である。月は乳幼児期を担当する。まさに愛着障害の原因となる時期だ。

月は母子関係の象徴であり、心の象徴でもある。また心の奥深くに沈めたトラウマ体験も月の担当だ。タロットカード18月を見てみると、どこか重々しい雰囲気を覚える。

月のカードは、不気味な夜の世界に月が漂い、その下で2頭の犬が吠えあっている。さらに水面とその中にカニが描かれている。幻想的である。次の明るく描かれた19太陽とは非常に対照的である。

太陽

私たちの公の(見える)部分(太陽)の下には、私的な(見えない)部分(月)があるということだ。雰囲気としてしか掴むことの出来ない、フィーリングを見事にタロットカードは描いている。

愛着障害を持つ人が、子育てをすることによって愛着障害は癒されることがある。しかし、それは時としてとてもつらい作業になることもある。子育てをする状況自体が、その人にとっての自身の子ども時代や、親との関係をフラッシュバックさせてしまうからだ。しかし、だからこそ当時の傷つきを、子育てを通して再体験し、修復するきっかけに出来るのだ。

自分の幼児期のこと、親との関係、さらには子どもとの関係は月の影響を大きく受けるのである。まずはホロスコープを用いて月の状態を知るところから始めよう。

つづく



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