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 古書店で復刻本を見繕い、本棚に並べては、『わたしの復刻ちゃん』と呼んで愛でております。何れも高価なものではなく、月に一、二度通う位の頻度ですが、その店の復刻本の一角に潜り込む時はウキウキと嬉しく、中身と装丁とご予算に迷いながら、獲物をゲットした時の嬉しさは、週末にケーキを買って帰る時の高揚感に似ています。自分へのご褒美です。

 これらの本が実際に売られていた時代を考えると、動画の配信やインターネットも無く、おそらくは書物というものが知識の元や娯楽として宝物のような存在だったのではと、知らぬ時代を思うのです。

 同じ内容の文庫本を購入してそちらを読むこともありますが、何故かモノによっては復刻本の方が頁を捲る手が進むのは不思議です。

 日々の暮らしに追われています。決して裕福ではありません。

 ただ、本棚の前では万人が平等であって欲しい。
 本を読んでいる時間だけは誰にも奪えないその人自身のものであって欲しい。
 例え時代が電子に移りつつあっても、この世から本が消えないで欲しい。
 本を一冊読む、或いは聴く位の自由は、全ての人に与えられて欲しい。

 そう思うのです。

 

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