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横浜、山下公園の夜

週末、友人と横浜で会うことになった。午前中の待ち合わせ。自宅からの距離を考えると、朝の混雑する時間帯に電車で向かうことになる。それもしんどいな、、と前日は横浜のホテルに泊まっちゃおうか、と考えたりする。

以前横浜に泊まったのはコロナ禍の時期。ホテルがとても安かった。マッカーサーも利用したというニューグランドを予約。高層階で窓が二面ある部屋だったので、ライトアップされた氷川丸や観覧車といった夜景を高いところから楽しめた。

その夜のディナーも忘れがたい。どこか立派なところで食べたわけではなく、ホテル近くのコンビニを利用。パンとワインを買って山下公園へ。海に面したベンチに座る。

氷川丸を視界の隅に置きながら、その場でひとり、食べて、飲んだ。グラスがなかったのでワインのボトルを直接口に。夜で暗いし、誰も気にする人はいないはず。

後ろでは大学生らしいグループが十数人で花火をしていた。火花の散るバチバチといった音や、炎のシューっと噴き上がる音。その度に湧く彼らの歓声。どこか居酒屋でお酒を飲んだ後かな、と考えた。自分にもそういう時代があり、今も不幸ではない。

心地よい海風に身を晒し、パンをワインで飲み下す。芳醇な南イタリアの葡萄。気だるい酔いがゆっくりと四肢に広がる。その場にパンを分け合う相手はいないが、贅沢な時間を過ごしていると心から感じた。またそうやって過ごしたいと思える、印象的な誕生日の夜だった。

氷川丸
泊まった部屋
泊まった部屋




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