海外での子育て―英語はコミュニケーション手段の一つ。
海外での子育てと聞くと、みなさんはどういうイメージを抱くでしょうか?
私たちは、子どもが未就学児の時に夫の海外赴任に帯同し、家族で渡英しました。渡英前に友人たちからは「子どもだから英語はすぐに話せるようになるね」と言われ、本当にそう思っていましたが、実はその言葉に数年悩みました。実際、かなりの個人差があり、子どもの性格、年齢や家族の方針など様々な因子が絡んできます。
英語圏では、みんな英語が話せるので、英語が話せるというだけでは強みにはなりません。友達との会話が英語でスムーズだっだり、現地の学校から特に語学について指摘されることなく通っていることから、一見、問題がないように思えますが、子どもが成長するにつれ、渡英前には気づかなかったことを考えるようになりました。
そもそも「英語ができる」ってどういうことなのか。英語ができるって話せるだけじゃない。
母国語が確立してない幼少期での英語環境が、思考力にも影響したり、アイデンティティの確立にも影響があると言われることもあります。
英語が広げてくれる世界もあれば、逆に英語によって狭まる世界もあるような気もします。
最初は駐在2年の予定だったので、とにかく英語環境にこだわっていましたが、夫の仕事の状況が変わって、今や海外7年経過。
海外で生きるために英語を身につけた子どもたちに敬意を払いながら、あくまで英語はコミュニケーション手段だということを忘れず、英語だけにとらわれないよう、海外で触れられた文化、多様性を大事に楽しみながら過ごしていきたいものです。