夢の世界へ…第一話

僕は夢の中では元気いっぱいなのに、現実では暗いやつだ
これは自分でも自覚している
昔はそうでもなかった
いつも元気いっぱいで、なんでも進んでやるような僕だった
でもね?中学にあがると気づいたんだ
クラスメイトや先輩、先生たちが迷惑していること
だから、高校生になってからは本当の自分を封印し、暗いやつを演じている
でも、夢の中は正直者で無邪気に笑って、なんでも楽しそうにしている夢の僕が羨ましくて、いつからか妬むようになっていた
そんな僕にも好きな人がいる…幸(ゆき)くんだ、男だよ!
小学校時代から憧れていて、ずっと友達のままでいれると考えていた時、僕の中で違和感を感じた
それでも、ずっと友だちを続けていたある日のこと、中学のクラスメイトからこんな事を言われた

「ねえ、佐野(さの)って好きな子いないの?」

僕はすぐには答えられなかった
だって、頭に浮かんだのが幸くんだったから
それでも答えない僕にはクラスメイトは勘違いをして

「えっ、もしかして聞かれるのまずかった?それとも彼女いるとか?」

なんて事を言うから、僕は

「…いないよ!ま、好きな子はいるけど、高嶺の花だからなwww」

なんて誤魔化した
それからは違う話で盛り上がったのも、もう昔の話
今では有り得ないような話で
僕は、今ではクラスメイトからは暗いし、怖い存在だと思われているだろう