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5年間ボクセルに関わって今思うこと

2016年にボクセルアートを始めて今は2021年……。
もう5年になるんですね!はやい!
5年あればある程度の流れが見えるので、今回は今モヤモヤしていることを書きたいと思います。
真面目にね。
念の為先に書きますが、これは単なる個人の気持ちであり批判したりするのが目的ではありません。

ボクセルアートとは?


まずこれです。
ボクセルアートとはなんなのか。
私が普段仕事でやってることは『ボクセルデザイン』だと思っています。
アートとは何かという定義付けは難しいと思うのですが、ここでは仮に『自己表現または何か影響を与えるもの』としておきます。
仕事で受けるボクセルの依頼は『クライアントを満足させるもの』なので自己表現は二の次です。含められたらラッキーぐらいの感覚ですね。

アートの定義(仮)がそれとして、私は『ボクセルアート』も『ボクセルデザイン』好きです。
それぞれ意味があり、考えて作ることができるのでやりがいを感じています。
職業はボクセルアーティストですが、正確にはボクセルデザイナーかなと思います。なので趣味の範囲で自己表現としてこれらの作品を作っています。

NFTアートとして販売もしたボクセルアート

■今のボクセル界隈について


『ボクセルアート』『ボクセル(アバター)モデラー』『ボクセルデザイナー』の3種類がいるのではないかと思っています。
『ボクセル(アバター)モデラー』はデザインに含めてもいいんですが、後々ちょっと面倒になるので今のうちに分けておきます。

●ボクセルアーティスト
私が思うボクセルアーティストは金銭が発生していてもしてなくても、己の感性で自己表現ができている人だと思っています。
Twitterでもいいし、NFTでもいいし、自分が自由に作ったものを発表、販売していればそうじゃないかなと。

●ボクセル(アバター)モデラー
こちらはデザイナーに限りなく近いのですが、ボクセルの完成が目的ではなく、それをVRChatやcluster等メタバース(もしくはVR)上で使うことがゴールとなっている人です。
VRCが流行り始めた時期から、Blenderでのモデリングよりも手軽にできるのでそっち界隈ではあっという間に広がりました。
アバターでない場合もあるので一応括弧でくくっております。

●ボクセルデザイナー
クライアントはいて、指示をもらいボクセルを作成する人ですね。
仕事となると自己表現は相当なことじゃないとさせてもらえません。
仕事であっても稀に「あなたの感性で自由にどうぞ!」という場合はアート寄りになるかもしれません。内容次第ですね。

■ボクセルの可能性は?


ここで触れたいのは『ボクセル(アバター)モデラー』と『ボクセルアート』と『NFTアート』についてです。
ボクセルはゲームの3Dモデル素材、画像としての素材、等々使いみちはいくつかありますが決して多くはありません。
ただ、ここ数年で増えたのはメタバース上での利用です。

VRCでは自身のアバターを外部から持ち込むことができるため、オリジナルのアバターを作るためにボクセルを始める人が増えました。
ワールドを作った人もいますね。このあたりはアートに近いと思います。重なる部分ですね。

そして次にきたのはNFTアートとしてのボクセルです。
もちろんNFTの販売プラットフォームで販売するのは私は悪くないと思っています。
私自身販売しています。

これらを踏まえた上で思うことがあります。
ボクセルアートの可能性は広がっているのか、狭まっているのかということです。

■メタバースでのボクセル


VRCに関しては自由に楽しんでてまぁ良いのではないかと思っています。
アートとデザインの中間ぐらいに位置しており、広がりを邪魔するものではないと思っています。
私が少し気にかかっているのはNFTアートサイドでのボクセルです。メタバースはボクセルに影響を与えるのか、そしてその影響はどんな影響か。
もう名前を出さないと説明できないので出しますが、私の観測できる範囲では現在『The SANDBOX(以下サンドボックス)』の影響が強く、今後にどう影響するのかを考えています。
『The SANDBOX』はメタバース上の世界の全てがボクセルでできているものです。
詳しくは公式サイトを御覧ください。

https://www.sandbox.game/jp/

■The SANDBOXはボクセルの可能性を広げるのか狭めるのか?


サンドボックスでのボクセルの表示や造形はとてもクオリティが高い。
きれいに見えます。そこはとても素晴らしいと思います。
私が気になっているのは『ボクセルアーティストがそこに集中』していること、それによって『アートではなくデザインが増える』ことです。
サンドボックスはゲーム的な側面もあるため、ボクセルを作る際にもガイドラインやテンプレート等があります。
特にサンドボックスは運営自体がボクセルアーティストを公認アーティストとして集め、公式が販売するアセット(アイテムのようなもの)を作っている点がひっかかっています。
もちろんアーティストとしては作れて、見せれて、お金がもらえるのでハッピーだと思います。
実際、私もサンドボックス初期に誘われたときはそう思いました。色々あって抜けましたが、お金がもらえるという点では大きな変化だと思います。

ただサンドボックスで作られるボクセルアセットは、先程も書いたように決められた枠で作るテーマのあるデザイン的なボクセルだと認識しています。
アートと呼べるかどうかといえば、私の考えでは呼べないと思っています。
そして更に言えば、私が観測可能なボクセルアーティストの皆さんの多くがサンドボックスの認定アーティスト(クリエイターだったかもしれない)になっています。
その結果どうなったかというと、サンドボックスで使うボクセルばかり見かけるようになりました。
以前に比べて自由さがなく、正直に言えばつまらない状態です。
もちろん作ってる方は楽しいでしょうし、それが良いと思う方もたくさんいると思います。
でも私はつまらないし、危機感を覚えている状態ということです。
制限された中でテーマを持って作成したものも面白いのですが、もっと枠を抜け出した作品があったのに減ってしまいました。

誰が悪いとかではなく、そういう流れになるのは当然で私が少数派ではないかという可能性も考えています。

デメリットが多いように書きましたがメリットもあります。
今までボクセルに触れてこなかった人たちがボクセルを知り触れるようになりました。
そしてそこから『ボクセルアート』を作る人もいます。認知度も少しは上がったのではないでしょうか。
大手企業なども参入しているので、今後ボクセルが今のドット絵のように認知度があがり企業が使う機会は増えるかもしれません。
ですがまぁ現在まで『ボクセルアート』を作っていた人の流出のほうが多いように感じます。

■ボクセルアートをどうしたいのか


色々と書きましたが、結局のところ何が言いたいかというと『ボクセルアートを作っている人が少なくなったので面白くない』ということです。
サンドボックスの名前を出したのは今最も熱いボクセルの使用例であり、影響力が強いと思ったためでサンドボックスを悪く言いたいわけではないことは理解していただきたいです。

言い出しっぺの法則というものがありますね。
言い出した人がやる、というあれです。
つまり、面白くない、使いみちが限定されている、と思うならそれを打破するというか、変えていくのは言い出しっぺの私なのです。

私の職業はボクセルアーティストです。
ボクセルアーティストとしてはまだまだ稼げてませんが、ボクセルデザイナーとしてはそこそこ仕事はしています。
でも私はボクセル『アート』が好きなんです。
作るのも見るのも好きです。それを増やしたい。

そしてボクセルの使いみちについても考えています。
これは5年前からずっと考えていたことで、サンドボックスでボクセルを作ることでお金が発生するのはとても良いことで可能性の一歩だと思っています。
ですが、それゆえにそこで止まってしまわないかという考えがあるため、その他を考えなくてはなりません。

私がやるべきことはボクセルアートを続け、アートとして、もしくはデザインとしての道を切り開くことではないかと思っています。
今はひとつのコンテンツに集約されようとしているので、分散させることが重要かと思います。

■おわり


以上が思っていたことです。ここまで自分の中で重いとは……。
話す機会が全くないので書き殴ってしまいました。
ボクセルのクオリティについての話はまた別の機会に記事にしたいと思います。

種類は違えどボクセルはボクセルなので、全体的に仲良く上手く付き合っていきたいと思っています。
なのでVRCやサンドボックスのクリエイターも質の高いアセットを出し続けてほしいし、ボクセルアートを作っている方には今後とも作り続けて欲しいと思います。

以前のボクセルアーティストとして開業したときの記事もついでに読むと面白いかもしれません。

以上!


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