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TRUE DEMOCRACY / STEEL PULSE 雑感

1982年リリース。邦題は「デモクラシーとはなんだ!」

スティール・パルス4枚目のアルバムとなる「トゥルー・デモクラシー」。先日書いた嘘記事のほうではUS盤のジャケットでとりあげましたが私が所有してるのは日本盤。確かUK盤も日本盤と同じジャケだったかしら。こっちの方がなんか可愛くて好きなんですよね。

邦題が「デモクラシーとはなんだ!」となっていますがそもそもスティール・パルスとはなんだといえばイギリスで1975年に結成されたブリティッシュ・レゲエの雄。カリブ海からの移民が多く住む地区で結成された彼らはルーツ・レゲエを主軸とした音楽性を持ちつつもロック味も多分にある。この翌年に結成されるザ・クラッシュ等のパンクバンドとも接近して活動していたためにパンク的なアティテュードも持ち合わせている様子。

そもそもレゲエとパンクはレベル・ミュージック的な見方をすれば精神性が極めて近いところにあると思うので混沌とした時代のイギリスにおいて両者が同じシーンにあるのはそりゃそうかという感じ。
特に70年代後半のイギリスでは貧困や移民の増加に伴う人種差別等々の問題が一気に噴出していた頃なので移民により結成されたスティール・パルスの存在は中々意義深いものだったでしょう。ここら辺の時代背景と音楽シーンが気になった方は「ロック・アゲインスト・レイシズム」で調べればいいじゃないのさ。私も書こうとしたけど大変じゃないのさ。


とはいえそこいらの問題は過去のものでは無く今なお世界中で起こっていることなのでどげんかせんとね。今もそうですが時代時代で答えらしきものを提示して性急に解決しようとしても中々上手くいかない。夏休み最後の日に宿題全部終わらせるようなもので、とりあえず答え書いてあるけど宿題の本質はそこじゃないというか。世界中の人間のリテラシーを上げなきゃ同じ事の繰り返しになると思うのですがどう上げるべきかって?そこでこのスティール・パルス。これ聴いときゃいいのよ。何歌ってるかは外国語だから分からないけどね。テヘ。

社会派気取ったおじさんの戯事はまぁどうでもいいとしてとりあえずこの作品はわりとレゲエ好きの方よりもロック好きな方のほうが聴きやすいかも。前述したようにパンクシーンと活動をともにしてきたからかしら。

「CHANT A PSALM」ではボーカルのデイヴィッド・ハインズの伸びやかな歌声とコーラスが気持ちいい。どうでもいいけど「Chant a psalm」と繰り返し歌う部分が「じゃ、朝まで」と聴こえる。ショボい空耳で自分でもビックリ。
「FIND IT...QUICK!」でのミニマルファンクっぽいギターにボーカルとコーラスが合わさってブレイクする瞬間とかカッコいいよなぁ。「A WHO RESPONSIBLE?」は今作がリリースされる前年に起こった痛ましい事件について歌ってるようでどこか緊張感と哀愁が漂う音に。「BLUES DANCE RAID」でのギターとかロック的なアプローチを感じるのですがやっぱり根底にレゲエよりもブルースロックみたいのが強く流れてるのかしら。
「YOUR HOUSE」は曲頭にバルト海で録ったという水の音が鳴って始まります。力強いビートに抜群のボーカルとコーラスでバッチリという感じ。スティール・パルスはファンキーで伸びのあるハインズの声とコーラスの美しさが最高ですね。リズム隊も盤石で良いぞ!


なんとなくザッと書きましたが別にレベル・ミュージックとして聴かなくても楽しめる作品ですよ。そもそもそんな風に聴いたことないけど。皆んなそれぞれ好きなように聴きなっせ。
ヤーマン。なんだヤーマンって。



それではー。

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