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MONTAGE / THE LOVE GENERATION 嘘感想

壁人間。

ジャケットに映る不気味な2人は壁人間。聞き馴染みが無いかもしれませんが実在するのです。日本に古くからある「壁に耳あり障子に目あり」ということわざも彼らを指したもの。しかし伝承として認知されているだけで本当に壁人間が存在しているとは誰も思っていないのです。しかし、いるのです。

ジャケットの壁人間は撮影者が人間に見える壁だなぁと感心してたまたま撮ったもの。ちなみに心霊写真によくある壁に映る顔というのも大体壁人間なのです。

壁人間の彼らは自由に動くことができません。壁だから。そんな彼らが見つめる先には野に山に自由に駆け回る若者たち。彼らのように自由に動き回りたい、壁から自分たちの体を引き離せればと考えた壁人間の2人は若者たちに必死で声をかけて自分たちを引き離してもらうようにお願いします。
しかし彼らの声は届きません。何故ならその若者たちはバンドをやっていて演奏の真っ最中。轟音に悲痛な叫びはかき消されます。

今作はそんな若者たちによるアルバム。壁人間は関係ありません。

曲目です。

1.MONTAGE FROM HOW SWEET IT IS (I KNEW THAT YOU KNEW)
ジャケットに映るような草原を感じさせる爽やかな曲。ジャケットを見ながらこの曲を聴くとより良いかもと思い手に取ると壁人間がこちらを凝視している。きっとこの曲を録音してるときも壁人間は演奏してる若者達を凝視していたのだろう。

2.LET THE GOOD TIME
草原で若者たちが楽しそうに演奏している様子は壁人間で無くても羨ましく思うほど良い時間を過ごしているように見えるもの。そんな瞬間を録音した若さあふれる音が詰まっている。ちなみにこの曲のジャンルはノイズ。

3.I KEEP ON TALKING
演奏の合間に少し休憩がてらお喋りをしているとメンバー以外の声が。周りを確認しても草原には自分たち以外見当たらない。壁人間の声だ。だか彼らは気づかない。怪奇現象かと思いとりあえず録音されたのがこの曲。聴くと壁人間の寂しそうな声がこだましている。

4.LOVE AND SUNSHINE
壁人間のことなどお構い無しに歌われる輝かしい愛の歌。とても素晴らしい曲だが誰からも構われない壁人間のことを思うと悲しい気持ちになってしまうのは皮肉か。

5.A TOUCH OF LOVE
壁人間のことなどお構い無しにさらに歌われる愛の歌。もうやめてあげてくれ。触られることで愛を感じるのは普段誰からも気づかれないで生きている壁人間の方だというのに。

6.CANDY
これはポップパンク。男女混合のこの若者バンドではボーカルを曲によって男女で変えるのですがこれは女性メンバーによるもの。可愛らしい曲になっています。

7.LOVE IS A RAINY SUNDAY
男女混合なのでなにかといえば愛の歌。そもそもバンドの成り立ちが男女共に異性にモテたいからというものなのですからしょうがないですね。不純な動機のようで何より純粋でもある。女性側は男性メンバーをバンド仲間としか思っていないけど男性側はそうでもないのが世の縮図です。

8.THE PILL
急な下ネタソング。ボーカルは意外に女性メンバーによるもの。男性メンバーからのしつこいアプローチに腹を立てあてつけに歌われたもの。

9.SUNRISE HIGHWAY
次のライブの候補地。草原で演奏している最中の彼らは今度は逆に整備された道路でやることで幅を広げたいのだ。しかし草原でなければ彼らの演奏を見ることができないものが2人。忘れてはいないだろうか、壁人間のことを。

10.MAGIC LAND
壁人間の自分たちが自由に歩き回れて自由に遊べるそんな魔法のような場所があればという強い思念をキャッチしたバンドメンバーによる演奏。自分のものでないインスピレーションを受けた彼らがどこからこれを発想したんだとその元を探し始めます。

11.YOU
見つけました。壁人間を。壁のシミかと思っていたその人型が生きていると知ったとき驚いて叫んだ言葉がYOU!でした。意外とその言葉がチョイスされることも無さそうですがそうなのだからしょうがないです。やっと見つけてもらえた壁人間は果たして壁から分離できるのでしょうか。

12.CONSCIOUSNESS EXPANSION
結果は見事に成功。壁人間の彼らは自由を手にしたのです。1人でどこにでも行ける、それはつまり人生の歩み方を自分で決めれるということ。壁人間として同じ場所にずっと立ち尽くしていた彼らには想像もつかなかった喜びを草原の若者バンドは与えたのです。


当然嘘ですが。


壁人間とはなんでしょうか。ジョジョの奇妙な冒険でしか聞かないワードですけど。
バンドもとうとう名前さえ分からない始末。この作品に壁人間が関係無いと言いながら最終的に壁人間を通して人生観を訴えかけるのも気持ち悪い。私はいったい何を書いていたのでしょうか。

この記事のせいで「か」の予測変換の最初が「壁人間」になってしまいました。

次の記事ではちゃんと聴いた感想書きますかね


それではー。


聴きましたー。こちらもよろしければー。↑

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